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初めての戦闘訓練

 クローラの身体に慣れているうちにアレクシアが部屋に入ってきた。


「おお!良いじゃん!乗り物酔いしてない?」


「大丈夫そう。」


「じゃあ、私のはあっちだね。」


 アレクシアが操作盤で簡単に操作をした後、彼女は例の装置を装着してベッドに横になった。するとすぐに、先に作ったヘールスの女性の瞼が開き、吊るされていた身体を解放した。


「さ、隣のシュミレータールームに行こうか。」


 話すまでは清楚な乙女というような印象だったが、アレクシアの性格で話されると突然気合の入った姉貴に見えてくる。


「見ての通りアレクシアは戦闘民族だから、潜入任務とかは向いてないんだよ。どんなに顔を変えたって、中身があれだからな。」


「聞こえてるわよ!!?」


「おっと失礼、悪気しか無いんだ。さ、行こうぜカイアン。アレクシアは本気で戦わないとボコボコにされるぜ?」


 背中をポンポンと叩かれ、活を入れてくれた。隣の部屋へ戻ると、アレクシアがシュミレーターを作動させてくれている。


「ここの中で戦えば、戦績記録が残る。クローラには既に内蔵されてる特殊な武器とかもあるから、そういうのの練習にも使えるぞ。まぁ、一つ一つ説明するとあまりにも機能が多すぎるから段々と慣れてってくれ。今回は単純な肉弾戦、クローラ越しだとなかなか決着つかないだろうけど、長引いたら俺が勝者を判断する。それでいいか?」


「オッケー!負けないよ!!」


「分かった。」


「じゃあ二人共中に入って、ラインのとこに立って構えといて。」


 ウィルにシュミレータールームの扉を開けてもらい硝子張りの空間へ入る。中は特に外と異なる環境というわけではないようだ。足元を見てみるとたしかにラインがある。片方のラインに足元を合わせ、合気道の構えを取る。アレクシアは反対のラインに立ち、格闘技のステップを取っていた。


「それじゃあ、始め!」


 ウィルの号令が掛かった掛かる寸前か、アレクシアは既に俺の間合いに入っていた。なんとか最初の右フックはかわせたものの、連続攻撃に反撃が出来ない。間合いを取りたくてもアレクシアは逃がしてくれなかった。何よりも、攻撃を繰り出す彼女の表情はあまりに活き活きとしており、その顔を見て隙を作ってしまった。アレクシアはその隙を見逃さず、強烈なパンチを腹部に当て、回し蹴りで吹き飛ばされた。やはりその攻撃力やスピードは明らかに人知を超えている。しかし、それだけの攻撃を受けていながら自分自身の身体にはまだそれほどダメージがない。痛みも全くない訳では無いが、それもある程度に抑えられていた。


「カイアン!大切なのは想像だ!出来ると思って動くんだ!!多分出来る!」


「多分って、なんだよ……。」


 余裕の表情を見せるアレクシアに絶対に反撃しようと決めた。想像とは、どういうことだ……?


「いいよ、おいで!!」


 アレクシアのもとへ、もっと素早く移動できる。次の瞬間には、アレクシアの懐にいる。もっと早く、もっと強く。そう思いながら地面を蹴った。

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