エピローグ ②
夕食に招待したのは、レオン、デニスさん、ハンスお兄様、マリーだ。
お鍋を熱々で運びたかったから、キッチンから一番近い部屋を借りた。
「みんな、お待たせ! 今日は集まってくれてありがとう」
「今日のメニューは鍋か」
レオンがいちはやく反応してくれた。さすが元日本人!
「そうよ。味噌鍋にしたわ」
「なべ?」
「初めて聞くメニューです」
ハンスお兄様とデニスさんは、よくわかっていないみたい。
「具材をスープで煮込んだものよ。お皿に盛りつけずにお鍋で出すから鍋! 親しい人と食べ ることが多い料理なの。お鍋から具材をすくって、取り皿に分けて食べるのよ。今、盛るわね。あ、残ったスープには、うどんっていう麺を入れて食べるの。これも美味しいから、楽しみに していてね」
「エミリアは博識だな」
「ふふ、大げさよ。でも、ありがとう。はい、どうぞ」
具材を取り分けて、みんなに渡していく。
「この前は攫われた挙げ句、倒れてしまって、みんなに心配をかけてごめんなさい。今日の食事会はお詫びとお礼のつもりです。たくさん用意したから、いっぱい食べてね」
「心配はしたけど、謝ることはない」
「レオン……」
「そうだ。遠慮することはないぞ」
「ハンスお兄様……」
「エミリアお嬢様は遠慮しすぎです。もっと甘えてください」
「マリー……」
「そうですよ。レオン様はエミリア様に振り回されるのが生きがいなんですから、もっと振り回してやってください」
「デ、デニスさん……」
レオン、完全に誤解されちゃっているわよ。
「みんな、ありがとう。じゃあ、熱いうちにいただきましょうか」
「ああ、いただく」
みんなが食べるのをドキドキしながら見守る。
美味しくできたってわかっているけど、この瞬間は絶対ドキドキするのよね。
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