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第十五話 ④

私が違うと言う前に、レオンが口を挟んだ。


ご、誤解が広がっていくわ!


オーケストラが演奏を始めた。


ダンスの時間だ。


助かったわ!


この場から逃れられる。



「エミリア、踊ろう」


「ええ」


レオンの手を取り、ダンスを始める。


ハンスお兄様が舌打ちをした気がしたけど、気のせいよね。



「あれが噂の妹か。全然似ていないな」


「すごく可愛いでしょう?」



「いや、エミリアの方が可愛い。エミリアがこの世で一番可愛い」



サラリと言ってくるものだから、顔が熱くなる。


身体が密着しているから、余計に……!


レオンったら、本当に罪作りな人ね。


「レオンって、ダンスが上手なのね」

「そうか?」


「ええ、私は三年踊ってなくて、パーティーがあるって聞いてから練習したけど、前みたいに踊れなかったの。でも、レオンがリードしてくれるから、上手に踊れている気がするわ」


「上手に踊れるのは、俺が上手いからじゃなくて、俺たちの相性がいいからじゃないか?」


「ふふ、そうね」



次の音楽が始まると、ハンスお兄様が手を差し伸べてきた。


「エミリア、今度は私と踊ってくれ」


「ええ、喜んで」


ハンスお兄様の手を取ったものの、レオンが私の手を離さない。


「おい、いつまでエミリアの手を握っている。図々しい男だな」


「お義兄さんこそ、妹を誘わないで、別の女性と踊ってきたらどうです?」


また、始まった!


「もう、二人ともやめてっ!」


レオンの手を離して、ハンスお兄様と踊る。


お兄様はなぜか勝ち誇った顔でフッと笑い、レオンが眉を顰めた。


でも、こう見えてレオンはハンスお兄様が倒れたときに心配していたから、仲が悪いっていうわけじゃないのよね。


再会してはしゃいでいるのかしらね。



「エミリア、綺麗だ。お前が入場してきたとき、見惚れてしまった。ドレスも、何もかも、お前に全部似合っている」


「ふふ、ありがとう。今日の衣装一式は、全部レオンがプレゼントしてくれたのよ」



するとハンスお兄様が眉を顰める。




「あいつから貰った物を着るな」


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