第十話 ①
「えっ!? ハンスお兄様! どうしたの!?」
私みたいに刺された!? ううん、レオンや護衛の兵が居てくれる中、刺されるはずがない。
「ハンスお兄様!」
「ハンス様、大丈夫ですか!?」
ハンスお兄様の身体を抱き起すと、その身体はとても熱かった。
すごい熱だわ……!
「すぐに城へ運ぼう。デニス」
「はい、レオン様」
レオンとデニスさんがハンスお兄様を抱えると、私服の護衛の兵が飛んできた。
「レオン王子、私が代わります」
「いや、いい。お前は先に馬で城に向かって、すぐに医師と司祭に診て貰えるよう手配しろ。大切な人の兄だから、しっかり診てくれと伝えてくれ」
「かしこまりました」
ハンスお兄様を馬車に運び、すぐに発車して貰う。
「レオン、デニスさん、ありがとう」
「気にするな。俺たちが一緒の時でよかった」
「ええ……ハンスお兄様はとても丈夫な方だから、こんな具合が悪いところを見るのは初めてだわ」
何か悪い病気だったら、どうしよう。
不安で押し潰されそうになっていると、レオンが手を握ってくれた。
「レオン……」
「大丈夫だ。うちの城の医師と司祭 は優秀だ。お義兄さんがどんな病気だったとしても、治してくれるはずだ」
元気づけてくれているのね。
「ただ、老衰ばかりはどうにもならないが、そんな歳じゃないだろ?」
「ふふ、そうね。ありがとう」
そうよね。きっと、大丈夫……!
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