表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/69

第六話 ①


「ごちそうさま」


「お粗末様でした」


 張り切りすぎてかなりの量を作ってしまったけれど、レオンは残さず綺麗に食べてくれた。


 空っぽになったお皿を見ていると、笑みがこぼれる。


「レオンはどれくらいこの町にいられるの?」


「明日の昼には発つ予定だ」


 せっかく再会できたのに、こんなにも早くにお別れなんて寂しいわ……。


「そう……」


 あ! そうだわ。


「レオン、今日はどこに泊まるの?」


「まだ決まってないけど、その辺で宿を取ろうと思っているんだ。評判のいいところを知らないか?」


 やったわ!


「それなら、私がお世話になっているおばあさまの屋敷はどう?」


「いいのか?」


「ええ、おばあさまは、とても優しい方なの。きっと許してくださるわ」


「……でも、俺はデュランタの人間で、第二王子だぞ?」


「知っているわ」


「そうじゃなくて、一応モラエナにとって敵国の王子で、この国に呪いをかけた元凶みたいなものだ。嫌がるんじゃないか?」


「モラエナに呪いがかけられたのは、レオンのせいじゃなくて、ジャック王子のせいよ。あの人が戦争を起こさなければ、こんなことにはならなかったんだから」


 戦争を起こす前は、ジャック王子の評判は良くもなく、悪くもなくって感じだった。国のために手柄を立てたわけでもなく、かといって何かやらかしたこともなかったからね。


 でも、戦争を起こしてからというもの、評価は最底辺に落ちた。ジャック王子の悪口を聞かない日はない。


 ちなみに私が元婚約者ということも知られていて、最初は私も悪意の対象になるんじゃないかなー……と思っていたのだけれど、ほとんどが好意的というか、正直言うと同情されている。


 まあ、そうよね。暴漢に襲われて刺されて寝たきりの間に、婚約者が妹と結婚してるんだもの。


 全く悪意を向けられることがないわけじゃない。でも、同情してくれた周りの人たちが止めてくれるので特に被害はない。


「そう思ってくれているのは、エミリアだけじゃないか?」


「そんなことないわ。周りの人たちだって、私と同意見のはずよ」


「じゃあ、泊めて貰いたい。その方がエミリアとも一緒の時間を過ごせるしな」


「! 私もそう思っていたの。だって、せっかく再会できたんだもの。まだ一緒に居たいわ」


 するとレオンが顔をそらし、口元に手を当てた。その頬は、なぜか赤い。


「レオン?」


「いや、エミリアがそういう意味で言っているんじゃないってわかってる。わかっているけれど、どうしても顔が緩んで……」


「そういう意味って、どういう意味?」


 レオンは何度聞いても、教えてくれなかった。


気に入ってくださったら、評価ブックマークいただけると嬉しいです~!

更新の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ