三十一.死ぬる命をすくひやはせぬ(4)
――諦める?
「シュータさんは私の話を聞いてくれます。笑って怒って溜息を吐いてくれる。多少ふざけても許してくれます。自分のお話をするのが楽しいって思わせてくれました。私も普通の子のように友人が持てるんだって希望を持てたのです」
「ふふ。嘘です。絶対にシュータさんを助けます。何があっても最優先はシュータさん。大切なのは仲間です」
「なんだか、手を繋ぐと心があったかいです。あったかいのが伝わってきます」
「今は答えを言えません。全てが終わった後、きちんとあなたに答えを伝えます。図々しいかもしれませんが、私を待っていてくださいますか」
「ええ。三人で寝ましょう。私たちはお互いが大好きなんですから」
「私だってやればできるのです。というか、皆さんの勇気を見習って、私もやってみたらできたというだけのことで……」
「また会えます」
「また巡り会います」
「嬉しいです。嬉しいなって思います。シュータさんの想いが伝わります」
――ごめん、美月。守ることができなくて。約束したのにな。ずっと一緒にいるって。だけど、もう大丈夫。必ずまた会えるから。
「竹本美月です。去年まで海外の学校に通っていました。一日でも早く馴染めるよう頑張りますので三組の皆さん、よろしくお願いします」
たとえ美月が俺を忘れても、俺はいつまでも君を覚えているから。――
「そうだな、負けられない。大好きな女の子が傷付けられて、黙っていられる男がいるかよ」
「俺もずっと美月の味方だ。美月を守る」
「大丈夫だよ。人と人との関係で最も大事なのは時間だから。焦らないで、残された時間の中でゆっくり考えていけばいいよ」
「美月は俺と、恋人というよりは家族みたいなんじゃないかな」
「皆が待ってるよ。ミヨもノエルも他の友達も待ってる。別に自分のために走るんだったら、適度なところでやめたらいい。でもさ、誰かが期待してくれて、それに応える。皆が喜ぶ。喜ばせてやれる。そうしたら嬉しいじゃん。それだけ」
「お姫様だ! 美月は優しくて真面目で実直で人の気持ちがわかって、弱いところもあるけど努力してて、俺のこといつも考えてくれる。最高のお姫様なんだよ。本物のお姫様だったら俺は国と心中しても構わないね」
「俺は美月を愛している。だから、美月とこれっきりなんて考えられない。一生美月と寄り添って生きていくよ。約束は守る。必ず誓う」
「――過去でも未来でも今でも、一瞬一秒、俺はあなたを愛し続ける。気持ちを聞かせてくれないかな?」
「こんな駄目な俺だけど、明日からは変わるから。悪いところは直す。君に恥じない生き方をする。だから見守っていてくれないか? こんなことにならないよう注意はするけどさ」
「美月、思い出してくれ。忘れないでくれ。俺が、相田周太郎が、美月を好きだったこと」
――俺には武器がある。記憶という武器が。美月を覚えているということが武器になる。君を守るため、最後の闘いに赴くよ。




