ある看守の日記。
✱✱✱✱監獄 通称 地獄の門
ここは、とある1人の囚人を収監するためだけに大陸から離れた孤島を丸ごと使って造られた難攻不落の城だ。
空は万年嵐による分厚い雲に覆われ、風が吹き、海は荒れ
監獄の周りの岩場には強大なワイバーンが住み着く。
一体どうやって造って今現在も維持してるのか分からない程の恐ろしい地形だ。
この監獄には本当の凶悪犯しか送り込まれない。
と言うより力を持ちすぎて一般の手段では処刑出来ないような囚人が収監されてくる。
奴らは出ようと思えばここから出られる。
出ようとしないのはシャバに飽きているからだろう。
奴らにとってはここにいる方が欲求が満たされるらしい。
ここの看守は楽だ。
なにせ何もすることなんてない。
そもそもここに送られてくるような奴を監視出来るはずない
つまり看守も中央の偉いさん方の覚えの悪いやつの左遷先ってやつだが、他の奴らはそれぞれ囚人のトラウマに触れてぶっ殺されたり自殺したりして今は俺ただ1人。追加の人員も来ねぇ。
そんな訳だが適当に囚人共に飯をやって暇な奴らの話でも聞いてたら1日が終わる。
ここの奴らは一部を除いて自慢したがりばっかだ。
しかも奴らの自慢話は聞きがいがある。
なぜなら奴らの話は荒唐無稽だが絶対にホラじゃない。
ホラ吹いてるようなやつはここに来れずに処刑されるだけだからだ。
さて、今日も今日とて暇な俺は囚人共の武勇伝を聞いて暇を潰すとしよう。