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丑の月 10日
アンはすっかりパトリックに懐いていた。何をするにもいつもくっついている。
それをメアリーが「パトリックが勉強できないでしょ」と引きはがそうとするが、アンも「りっくといっちょにいるー」と離れない。そんな光景をシスターとアネモネは優しい笑顔で見ていた。平和だ。
午後アネモネに買い物に誘われた。何の? と返すと「あんたシスターの誕生日忘れたの!? わたしたちが代表して買ってくるってことになったじゃない」と怒られた。そうだった。
「はい、これ」とお金をアネモネに渡した。俺が牛乳配達をしてためたお金から少しづつシスターの誕生日プレゼント用にとっておいたものだ。
アネモネはしっかりしているから持っていてもらった方がいいからな。
そして結局プレゼントはアネモネが一人で選んだ。俺はついていく意味なかった。