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その攻撃はハウマッチ

 ニュース記事にもよく登場するアメリカ軍の無人機「MQ-1プレデター」は、1機450万ドルだそうです。もっとも後継機種交代のさなかであるため、「いま買ったら」もっと高いかもしれません。


時事ドットコムニュース「特集」無人機プレデター&リーパー~価格はF22の77~20分の1

https://www.jiji.com/jc/v2?id=20100324unmanned_aerial_vehicle_04


「無人機」と「軍用ドローン」の誰もが認める境界線はないので、「高い奴は高い」というほかありません。500万円前後で売られているある商用ドローンは、32kgの荷物を下げて最高時速40kmで30分飛べるというカタログスペックです。約3700km飛べるMQ-1が2ケタ高いのは仕方ないですね。


 採用から40年近くたっているスティンガーミサイルは、兵士が肩から撃てる地対空ミサイルです。1990年ごろのアメリカ政府書類で価格が3万8千ドルとなっているそうです。私が1990年代に「大戦略シリーズ」で遊んでいたころは、「対戦車ミサイルよりも対空ミサイルはずっと高い」と言われたのですが、「FGM-148 ジャベリン」を筆頭に、同じくらいかむしろ高価な対戦車ミサイルが今日ではたくさん登場しています。もちろん遠くから正確に先制できるから高いので、数百メートルまで接近してRPG-7ロケットランチャーで攻撃するなら、ランチャー2000ドルに弾1発500ドルで済むそうです。


http://www.military-today.com/firearms/rpg_7.htm



 9月14日のサウジアラビアには、目標に到達しなかったものも含め、軍用ドローンAbabil-Tが18基、巡航ミサイルYa-Aliが7基撃ち込まれたと報道されています。


 アメリカの販売サイトを見ると、行動半径100kmの商用ドローンで7000~8000ドルくらいです。遠くへ飛ばそうとするとUHFを使ってコントロールすることが難しくなり、普通の人が使わせてもらえない周波数と器材が必要になるので、これくらいの半径で使うドローンがひとつのグループを作っており、Ababil-2もそれに属するようです。また数々の知的所有権をこっそり使う分だけ、イランにとってのコストは低いのでしょう。


 攻撃地点は関与を認めたフーシ派のいるイエメンよりもイラン本国にはるかに近く、とはいえUHFでリモコンできる距離ではないので撃ちっぱなしであったのでしょう。ですから飛行関係は安価な基本システムのまま、少し高価な誘導システムを外付けしたかもしれません。


 巡航ミサイルは高いものです。かつてのトマホーク巡航ミサイルは当初100万ドルを超え、1999年のblock IVでも56万9千ドルでした。ノルウェーで開発された Naval Strike Missileは、その戦闘機発射版Joint Strike Missileを航空自衛隊が導入する予算がつきましたが、これより少し安い程度と言われています。

https://news.usni.org/2018/05/31/raytheon-awarded-lcs-horizon-anti-surface-weapon-contract-deal-worth-848m


 だから今回の攻撃は、知的所有権のライセンス料をまともに払う前提で評価すれば、「数千万円の巡航ミサイル7発、総額数千万円の大型ドローンないし無人機18発」ということになり、4~5億円を使ったとイメージするのが穏当なところでしょうか。絶対額として「ドローン攻撃」の字面から受ける印象ほど安くはないが、それでも引き起こしたことの大きさを考えると、安い攻撃をされたということかと思います。

9/23 文脈のおかしいところを整理しました。

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