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聖剣ステラの力

ちょっと短いです。


 そんな訳で聖剣の力を解放した元勇者である俺だけども、特に大きな変化はない。


 変化があるとすれば、俺の身体が聖霊光で淡く光り、普通のブロードソードよりは光沢があって綺麗だった聖剣ステラから少し煌めきが生じているくらいだろう。

 

 えっ? 

 

 『結構変化してるじゃん!』 だって?

 

 いや、そんなことはない。

 もし、俺が全盛期ならば自分で言うのも何だけどもっと輝きを放っていたよ。

 それに聖剣ステラもその時よりは非常に光彩を欠いている。

 俺も初めて聖剣の力をフル解放した時は驚いたものだ。

だけど、不思議と眩しくはないんだよね。

 

 また、それはただの光ではなく、悪を滅することのできる光でもある。

 ちなみに俺が使える力は聖霊力に依存したもので、聖霊力の許容量と吸収量が絶対的に激減してしまっているために本来の力を発揮することができないのだ。

過ぎる力というものには反動があるもので、俺は魔王との最後の戦いでその力の大半を失ってしまっている。  


 魔王に関しては、その力をほぼ失っている。

 聖霊力に対をなす悪霊力を有しているのが魔王であった。

 

 聖霊に依存する力が聖霊術、そして聖霊が原始と言われる精霊を使うのは精霊術。

 俺の剣技は一種の聖霊術だと考えてもらえればいい。

 

 そして、悪霊に依存する力が悪霊術、また悪霊が原始と言われる魔霊を使うのは魔霊術。いわゆる魔術である。

 それをさらに研究により簡易化したものが魔法。魔法が多くの人々に使われているのはその力の効率性と使い勝手のよさからだったりする。


 ちなみに聖霊術と精霊術、悪霊術と魔術は魔法とは違い大きな力を発揮できるがそれぞれ素質が必要であり、使用できる者は少ない。それぞれ、主に上位の天使と上位の精霊種、上位の悪魔と上位の魔人達などが使う。例外もあるが。

 

 俺が聖剣ステラに選ばれたのは、その素質が抜きんでていたからである。

 近くに聖霊術を使うものなどいない環境で自分の才を見抜くことなどできず、聖剣ステラに選ばれるまで気づかなかった。

 神々の混沌を終わらせた英雄もまたその素質を持ち、聖霊術を使えるに値する才を有していたのだろう。あくまでも俺の推測だが。


 そうして聖霊力を解放した俺だが、その力が持つリミットはそう長くはない。

 精々もって、五分ぐらいだろう。

 その間に怪物ベヒモスを倒せるかがカギだが……まぁ、なんとかなるだろう。

 自分の力に過信しているわけではないが、かつて同じ聖剣を持っていた英雄が勝利したと聞くし、何より聖霊の力はそれほど圧倒的である。

 

 俺は自分の身に聖霊術でさらに身体強化を素早くかける。

 そして今までベヒモスに対して劣勢に回っていた戦闘を優勢に回すために、


 「 『剣技』 疾風斬ッ! 」

 

 今使うことのできる三つの剣技のうちの一つを使い、迫りくる全ての水刃を無に帰す。

 

 剣技を放った後、一瞬の間を空けることなく地を蹴り、剣技により生じた疾風に追随し、一足飛びでベヒモスへと迫る。

 水刃を全て吹き飛ばしたことでその勢いを衰えさせた疾風斬であったが、かろうじてまだ勢いを残していたそれはベヒモスへと直撃する。

 

 そして、疾風斬の衝撃を受けているベヒモスへ対し、一足飛びで迫っていた俺は、


 「 『剣技』 天―― 


 一撃必殺の剣技を放とうとしたのだが、疾風斬の衝撃から俺が考えていたよりも早く立ち直ったベヒモスが俺と同じように大地にとてつもない衝撃を残して、己の牙で俺の身を突き殺そうとその大きな口を開いて突っ込んできた。


 その光景にたまらず息を飲み込んだ俺は、即座に剣技を中断し、聖剣ステラに聖霊力を集中させる。

 そして迫りくるベヒモスの片方の牙に向かって、聖剣ステラを力の限り叩きつけた。

 ベヒモスの数メートルはある牙と聖剣ステラが接触した瞬間、衝撃波により突風が吹きあがり、その数舜の後、『メキメキッ』という奇妙な音が鳴り響く。

 

 すると、見る見るうちにベヒモスの牙にひびが入っていき、最後には『バキーンッ!』という大音量を残してベヒモスの牙が折れてしまった。


 『GRRRRROOOOOOAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!』


 そしてその大音量をかき消すように、二本あるうちの己の牙の片方が折れてしまった痛みによる、もはや鳴き声にも聞こえない音でベヒモスが天に向かって咆哮する。

 

 自分の残存聖霊力に確認し、ここで手を抜けばこの後、勝機を見出すのは難しいと判断した俺は、情け容赦なくその隙を見逃さずに続けざまに剣技を放つ、


 「 『剣技』 烈風斬ッ! 」


 剣技を放った直後、多重の風の刃が吹き荒れ、全方向からベヒモスに向かって襲い掛かる。

 

 いまだに、牙が折れた痛みから回復していないベヒモスは抵抗することもできずにその攻撃をもろにくらってしまう。

 

 風刃の嵐がベヒモスの周りで吹き荒れた後、そこには全身に大小様々な切り傷を刻んだベヒモスが地に倒れ伏していた。


 「 『剣技』 天雷―― 」


 俺は最後の止めをさすべく、今使える剣技のうち最後の一つである一撃必殺の剣技を放とうとした瞬間――


  「待ってくれっ!!!!!!!」


 ――剣技の発動を制止する者が現れた。


お読みくださりありがとうございます。

ブックマーク登録もありがとうございます。


戦闘シーン短っ!(笑


うーむ、型を絡めて書きたかったんですけど、ちと失敗です・・・。

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