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天界人は転職を希望する

作者:斯波
「神様! これは何ですか!?」
 天界共通日時は12月25日。
 出勤時間の2時間前に起床した私は目覚ましのすぐ隣に用意されていた、真っ白な箱に赤いリボンというあからさまなまでにプレゼント包装されたものを胸に抱え、上司である縁結びの神様の元へと走った。
 
 息を切らし、神様のデスクの上に中々の重量があるそれをズドンと置くと神様は「ああ、見つけたのかい」と微笑ましそうに笑った。
 縁結びの神様、下界の一部では恋愛の神様と崇め奉られるだけあって顔面偏差値がカンスト気味の、天界でもトップクラスの顔を有している。私もこの課に配属されて100年位はその笑みにふらっときたものだ。あの時は私もまだ若かった。けれどもう私がこの課に来てから早1500年。見飽きたと言っても過言ではない。むしろ最近はあのどこか含みのある笑みにイラつくことさえある。
 
「それでこれは何なんですか!」
 この課のお局と化した私の特有スキル『威圧』をしながら、苛立たしげに神様のデスクを指先でコンコンと叩くと彼は嬉しそうに笑みを深めてから言い放った。
 
「プレゼントだよ。今、下界ではクリスマスだろう? だから僕からもいつも頑張る君へのプレゼントをと思って」
「いりません。お返しします」
 そう私が返すまでわずか1秒と経過していない。
 受け取ったという意思表示を一瞬でもしてしまったらこの駆け引きは私の負けになってしまうのだ。
 今のところこの手の駆け引きは10戦10敗なのだが、私とて毎回学習していないわけではない。少しずつではあるが神様相手に惜敗には持っていけるくらいにはなっているのだ。
 
「開きもしないなんて失礼じゃないか?」
「開いたら最後、この明らかに大量に入った何かを目の当たりにしなきゃいけないでしょう!」
『何か』と遠回しに表現はしてみたものの、私にはこの箱の中に大体何が入っているかは見当がついている。
 
「見ればいいじゃないか」
「嫌ですよ。この重さで私が気づかないとでも思ったんですか?」
「さすがアイリ君。ではそんな君に頼みがある」
「嫌です」
「まだ何も言ってないじゃないか……」
「聞きたくありません。後、これは要らないのでここ置いておきますね」
 私はその箱をそのまま神様のデスクに放置すると、勤務開始時間までどこで時間を潰そうかと思考を切り替える。
 
 そういえばご飯はまだだったな。
 近くの銭湯にでも行ってゆっくりあったまってこようかな?
 あ、でもそろそろデスクのお菓子ストックがなかったからそれも買い足さないと……。

 考え出すとやりたいことよりもやれることの方が少ない。
 けれどやろうと思えばいけなくもない……かな?
 
「ちょっとまって、ね、もう少しよく考えよ? もう報酬のお酒は一昨日全部開けちゃったんだよぉ〜」
 遠ざかっていく私の腰にへばりつきながら年甲斐もなく泣きわめく神様の頭を両手で引き剝がしながら、私は一歩ずつ、確実に縁結び課の執務室の出口へと近づいていく。
 
「君くらいしか頼める子、いないんだよぉ〜」
「自業自得でしょう? 私の勤務内容はあくまで管轄内の事務処理です!」
「そう固いこと言わないで、ね? ちゃちゃちゃーっと済ませて帰って来て? 後で有給一年くらいあげるからさ、ね?」
「初めは一年間で済みました」
「…………」
「次は三年、五年、十年、前回に至っては十八年です。私もね、ちょっと他の仕事をしてほしいとかならこんなに文句もいいませんよ。けど毎回毎回拘束時間が長すぎるんですよ! それに睡眠時間を削って通常業務も、ですよ? いくら毎回の派遣先が暇を持て余している人達だからって結構辛いんですよ!!」
 まだまだ若手と言われる私だろうと18年間も一日22時間労働の無休でこき使われたら流石に根ぐらいあげたくなる。
 死ななからと神様の首を締め上げなかっただけありがたいと思って欲しいくらいだ。
 
 
「大体、学生時代、演劇といえば村人Cが一番の大役だった私が誰もが認めるほどの大根役者だって神様ももう知っているでしょう? 前回やった悪役の令嬢なんて悪役になれたかどうかすら怪しいくらいで、そのせいであそこから抜けるのに手間取りました!」
「ああ、あれは……その、なんというか……ツイてなかったね。中々帰ってこないと思ったら君はなぜか監禁されているし、転生した人間からは苦情が来たらしくて転生課が処理に苦労したらしいね……」
 あれはさすがにトラウマになりかけた。
 いくら肉体は天界にあるとはいえ、本気であの場から逃げる事は出来ないのではないのかとさえ思ったほどだ。それほどに私に用意された役の婚約者の監禁は怖かったのだ。しばらくは金属音を耳にする度に背筋に汗が伝った。
 
 
「わかっているのなら、なぜ私にまたそんなもの渡すんですか! 転生課のスピカにやらせてくださいよ」
 スピカは私の幼馴染だ。
 彼女もまた私の上司と同じように天界トップクラスの顔を有している。そしてそんな彼女は新卒で花形と呼ばれる転生課への配属が決まった。
 誰しも適材適所というものがあると弁えていた私は彼女の配属を心より祝福したものの、内定から10年ほどは女性陣の恨み妬みが酷かったらしい。
 全て丸っと収めたのだと終わった後に笑顔で報告された私はそれこそが彼女がお迎え課ではなく、転生課に配属された所以なのだろうとお洒落なカフェでコーヒーを啜りながら納得をしていた。
 
「あの子の予約はもう10件先まで埋まっているからムリ」
 その言葉にはさすがとしか言いようがない。
 スピカはその類稀なる百面相を用いてどんな転生者の願いだろうと叶えてみせるのだ。そして彼女は配属からわずか200年という短期間で指名数一位を獲得してみせたのだった。
 
 そのせいで最近はめっきり二人でゆっくりお茶を飲むことさえ出来なくなってしまった。
 ……まぁ二割くらいはうちの神様が引き受けては押し付けてくる仕事のせいだが。
 
「後先考えずに人間と契約結ぶからそんなことになるんですよ……。というか最近、異世界のハンデ付き転生多くないですか?」
「人口増加に伴ってお迎え課の処理ミスが前よりも出るようになってねぇ……」
「何やってるんですか、あの課は!」
「まぁ天界人とはいえ間違えは誰しもあるものだし、助け合いの精神は大切だからさ、そう怒らないでよ。それにひと昔前は間違えて寿命よりも早く命を回収してしまった人間に願いを聞いても異世界への転生を望まなかったからお迎え課と転生課の協力だけでどうにかなったっていうのはあるよ」
「なら今もそうしてくださいよ」
「今は空前絶後の転生ブームらしくて、特に日本の若者は大抵異世界チート転生を望む。そして手違いを起こしたこちら側としてはなるべく相手の意を尊重したい。初めは転生課の派遣担当員だけでどうこうなったんだけど、最近はそうもいかなくてね……。君がさっき訴えたように1件1件の拘束時間が長いのを理由に辞めていく人が後を絶たないらしい。はっきり言って人材不足というわけだ。だからこそ大根役者の君の手でもいいから借りたいというわけだ」
 
 んなの知らねえよ! こちとら自分の仕事で忙しいんじゃ!と怒鳴りたい気持ちを抑え、その代わりに大きなため息をつくと、どれだけ悪態をついたところで断れないであろう『プレゼント』を受け入れることにした。
 
「……わかりましたよ。有給一年分、約束ですからね」
「引き受けてくれるのかい!」
「一年もあったら転職先、見つけられそうですし」
「え……?」
「運送課サンタ局から12月のアルバイトだけでもいいから働きに来ないかって声がかかってるんですよね。地球の言語だけ分かればいいって言うのに中々バイト集まらないらしいんでとりあえず帰って来た年の冬はそこで越そうかな?」
 神付きの役職についていたものが転職する場合、どこもかしこもその人材を確保しようと報酬の引き上げ合戦が始まる。それは勤続年数が長ければ長いほど顕著に現れるというものだ。最短では前の職場を辞めてからその日のうちに新しい職場が決まったという例が挙げられるほどだ。
 新卒時代、何箇所かスカウトしてくれた場所はあるし、そこの勤務内容にもう一度じっくり目を通すのもいいかもしれない。
 
 だがまずはやはりサンタ局のアルバイトだ。働き心地が良ければそこを今後の職場に決めるのもいい。
 平均年齢がお高めなサンタ局は皆優しくて、毎年一月になるとお年賀を配り歩くほど丁寧な人達ばかりである。そして何より天界一の最難関部署ではあるものの、天界一のホワイトな職場としても名高いのだ。
 
「ちょっとアイリ君、ねぇそこのところ詳しく教えて、ねえ!」
 後ろで何やら騒ぐ神様の鼻頭でドアを強引に締めるとラウンジのフリースペースの一角に箱を下ろす。コーヒーを片手に箱を開けるとその中には予想を反して紙束しか入ってはいなかった。
 今までなら下界や異世界のキッチン用品や紐とロウソク、用途不明の装飾過多なステッキが入っていたこともあった。説明書と台本だけというのは初めてである。
 訝しく思いながらも引き受けてしまった以上は目を背けられないそれを手に取ると『説明書』とかかれた表紙をめくる。
 
「えっと、今回の対象は……その①。ってその①って何よ! ……まさか?!」
 
 ただの印字ミスだと信じながらも箱の中に残る紙束をいくつか出してそれぞれの2ページ目に目を通していく。
 
 大抵悪い予感は当たるものである。
 全てに目を通すとその①の他に、その②とその③の説明書とそれぞれの対応方法が記載された台本までご丁寧にも梱包してあったのだ。
 
「お迎え課と転生課、ほんとにどうなってんのよ!!」
 まだ時間が早いこともあり、私しかフリースペースにいないことを心のままに声に出して叫んだ。
 それから誰だかは知らないが、フリースペースの壁を防音にしてくれた人にありがとうと心の中で感謝の意を捧げることで気はだいぶ落ち着いてくる。
 
「……まぁ受けた以上は仕方ない。この案件、さっさと済ませてから苦情を言いに行こう。で何々?」
 
 その①:乙女ゲームのヒロイン転生。
 来世名:リリアンヌ
 貴公には彼女が結ばれるための手助け、もとい嫌がらせを行ってほしい。
 詳しくは台本に目を通すべし。
 
「うん、まぁいつも通り……じゃねぇ! どこにも結ばれたい相手の名前とか記載されてないんだけど? 印字ミスか! 押し付けといてのミスなのか!」
 
 ここぞとばかりにストレスを溜めないよう、口に出しながらツッコミを入れてから、まぁこれは台本に詳しいことが書いてあるだろうということに期待をし、次の束へと移る。
 
 
 その②:イケメンなワガママ王子転生。
 来世名:ジョシュア
 ブラック企業に平社員として勤めていたらしく、先方の願いはただひたすらに自堕落でワガママ放題な生活を送りたいだけらしい。そのため動向を見守りつつ問題がなければそのまま放置してもらっても構わない。根が真面目のため数年後に正気に戻ると思われる。
 
 俗にいう社畜というやつか。大抵転生後の第二の人生はこういうワガママ放題、チート放題を望むのよね。
 二、三度この手の仕事が回って来たけどこの記載通り、大抵数年監視して終わるだけだ。
 その他にやるべきことがなさすぎて禁断症状が出る人もいるけど、その場合はさっさとジョブチェンジしてあげれば事なきを得るのだ。
 
 この件に関しては特に問題を感じないので次へと移る。
 

 その③:可愛い女の子とイチャイチャしたい。なおハーレム禁止。
 来世名:ジュアン
 
 ……………………よし、その①とくっつけるのコイツにしよう!

 私も神様の力には遠く及びはしないがこれでも一応縁結び課の一員である。いくつかある縁を適当に拾い上げ、そして生涯人間では解けないほどに強固に縁を結ぶことも可能である。
 本来なら天界人かそこまで人間に介入する事は許されてはいないのだが、三人も押し付けられたせいでごちゃごちゃめんどくさいし、何より私は早く休暇を取りたい!
 
 
「さてさてさて、それじゃあ早速異世界へゴー!」
 半ばヤケになったせいでおかしなテンションのまま、箱を抱えて転送ゲートに入り込んだ。
 
 
 今になって思えばあの箱は見なかったことにして放置するなり、何が何でも神様に突き返すなりすれば良かった。
 けれどやはりこの時の私はまだ若かった。苛立ちと眠気に身を任せ、そう簡単に出向くなんて学生か新入社員のすることだ。
 一度失敗したのなら次こそは綿密な計画を練ってから転移するべきだったのだ。
 
 ――そう後悔する私は今、人生2度目の監禁にあっている。
 
 ***
 異世界に派遣されてからまず初めに私が出会ったのは異世界転生者その②、ジョシュアだった。
 願いがワガママ放題の彼を監視するため、私は彼の婚約者となったのだ。
 前世のストレス発散のために様々なワガママを家族や使用人に言ってのける毎日。それは彼が年を増すごとに落ち着いていき、7つになる頃にはすでにワガママとはいえないくらいの、家族や使用人に少し甘えるぐらいの王子になった。
 
 監視だけしかすることのない私は定期的に会う日以外はスキップ機能を使っていた。私の体感からしてその事件が起きたのは1年と経っていない時のことだ。
 
 天界に残してきた部下が全員ウィルスで倒れた。下界で言うところの11月後半。縁結び課の繁忙期に神様以外全滅だ。となれば当然仕事は異世界に派遣されている私へと回ってくる。10人分全てが。
 その最中、ジョシュアからの呼び出しだ。
 私が天界人であることを知らない彼はただ婚約者の誕生日を祝ってあげたかっただけだった。だが忙しさのあまりすっかり誕生日だなんて設定を忘れていた私の怒りは最高潮に達し、手紙一通だけで断りを入れると縁結びのビッグウェーブが過ぎ去った後で彼に苦言を呈しに行った。
 もちろんそんなこと台本にはない。だが一言「予定があるなら先にいえ」と言わなければその時の私の腹の虫は治らなかったのである。
 
 そしてその結果「申し訳ありません、アイリ様」と見事なまでの直角な謝罪をした後で、彼は忠実な私の婚約者となった。
 
 
 それから2年後、ジョシュアの母親、女王主催のお茶会で異世界転生者その③、ジュアンと出会った。
 彼は騎士を多く輩出している公爵家の次男として産まれていた。事前に台本に目を通した時点ではその①とくっつけてもなんの問題もなさそうで、何より前世で彼女に10股されたトラウマさえなければ至って普通の人間であった。
 
「私、アイリ=リベルタと申します」
 台本通りに行動した私が彼に一目惚れされるまでは。
 
 ジョシュアもまた転生者だと知らないジュアンはどうにかすれば私を手に入れられると思い、私が王子の婚約者であることを無視してアプローチを続けてくる。
 
 ジョシュアからの報告書のような手紙とは違い、一方的なまでの愛を捧げてくるジュアンの手紙ははっきりいって返信に困るものだった。
  なにせ彼に惚れられたせいで台本が全く役に立たなくなってしまったのだ。だが出来ることなら当初の予定通りその①とくっついてほしい。そのためには迂闊なことは書けないし、言えないのだ。
 
 それから7年、ジョシュアとジュアンの代わる代わるくるお誘いと天界の事務処理のせいで一度もスキップ機能を使うことは出来なかった。それどころかろくに睡眠をとってさえいない。
 
 それでも異世界転生者その①、リリアンヌと出会ってジュアンが変わることを期待して耐え続けた。
 
 ……だが彼女もまた台本通りには動いてくれなかった。
 16で学園入学になるまでの間、彼女を監視する役であった転生課の派遣員が途中で彼女の愛に耐えきれずに逃げ出したのだ。
 
 台本では幼馴染に振られて心機一転、学園に入学後スキルを身につけていくうちに魅力的な男性に惹かれることになっていた彼女だが、16年も待てなかったらしい。彼女が希望した乙女ゲームの設定を無視して幼馴染役の派遣員に夜這いを仕掛けたのだと言う。
 その結果、初仕事がこれだったらしい派遣員は恐怖を覚えて逃走。
 転生先ですら男性に逃げられた彼女は次こそは逃してなるものかと入学前から独自で魔法を学び、そして入学式で一目惚れをしたジュアンを拘束した。
 
 転生先だからといってここまでやりたい放題をした人間は私が見た中では彼女が初めてである。
 16にもなればこの世界の習慣を覚え、第二の人生を送り始めるのだが、彼女はこの世界を何でもしていい世界なのだと捉えているようだった。
 王子の婚約者にアプローチを続けるジュアンよりも何十倍もタチが悪い。
 
 すぐに彼女を回収して欲しいと天界に文書を送ったが、怯えて帰ってきた派遣員の影響からかすぐに彼女を受け入れてくれる人はいないらしいのだ。そのため帰ってきたのはそのまま続行して欲しいという嘆願書だった。
 仕方ないと諦めた私は、何とかジュアンにはクレームのつかない形で一生を終えて欲しいと、ジュアンとリリアンヌの縁を結ぶため、彼らを監視し続けた。
 
 その間若干ジョシュアが放置気味になっていたこと、ジュアンに熱い視線を注いでいると勘違いさせてしまったこと、そして何より前世と今世で男に逃げられたリリアンヌの恋愛対象が広まっていることまで考慮できなかったのは私のこの仕事で一番の失態だった。
 
 魔法で拘束までしたジュアンがあまりにもつれない態度を取り続けることを理由にリリアンヌの恋愛対象はいつのまにか私へと移り、そして新たなライバルが登場したと燃えるジュアンは今まで以上にアプローチを仕掛けてくるようになった。


 そしてジョシュアはそんな私を監禁した。
 
 
 意識を取り戻した私は何が何だかわからなかったが、あれから何年か経つ今もなぜジョシュアがあんな行動に出たのか理解は出来ていない。
 
 ただ一つわかるのは、三人のうち彼だけが私を天界人であると知っていたということだ。
 基本的に転生者の記憶に残るのは神との接触だけである。天界人の存在なんて知っているはずがない。

 けれど確かに彼は言ったのだ。
  「神様に願っても助けなんて来てくれませんよ?」――と。
 そう耳元で囁かれた時、背筋がゾッとした。助けが来ないのならとスキップ機能を作動させようとポケットに入れておいたコントローラーは、檻の中に私を閉じ込められたことに満足している彼にあっけなく破壊された。
 
 それからどれだけ待っても彼のいう通り、助けは来ない。

 前回は監禁されてから抜け出せるまで5年だった。
 だがこの世界からの離脱機能も兼ねているコントローラーが破壊されてもなお助けが来ないことから察するに今回はおそらくそれ以上かかることだろう。
 下手をすればこの身体が朽ちるまでは私がこの場から脱出できないなんてこともありうるのだ。
 
 
「はぁ、早く転職したい……」
 私は有り余る時間の中でもういっそのこと縁結び課を退職してから天界人を辞めるのも一つの手だと考えるようになったのだった。

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