7話〜勝利の功績〜
〈ドゥン〉
「クソッ、なんだアイツ強すぎるっ!」
「魔術防壁を固めろ!前衛は後退して防壁の中に入れ!」
だが、彼らを一本の剣が襲う。
「うわぁぁあ!」
〈ドン〉骨に木剣が当たった音がした。
「あとはあの閉じこもってる二人だけだ!」
やっと自分のチームと同じ人数にすると僕とカイルは目を合わせ、ニヤリと笑った。
「よっしゃー、カイルお前の全力をぶつけろー!」
「火よ来たれ。なんじ我のともし火を捧げその偉大なる力を与えよ。くらえ!メテオザッパー!」
カイルが魔術書を使い、手を前に出して呪文を唱えると、その手が見えなくなるほどの大きさの炎の塊が数個射出した。
そしてその炎の塊は相手の防壁に直撃し防壁を破壊したのだった。
「ぐぁぁぁあ!」
この叫びと共に相手二人は気絶し、訓練生闘技大会の準決試合は終了した。
ーーー「「お疲れ!」」
〈カキン〉二人は笑顔でグラスを鳴らした。
いつもご飯を食べている食堂がいつもよりも騒がしかった。
「すげえよなお前ら。一つ上の先輩六人を二人でやるとか本当に尊敬するよ!」
いつもは僕を気味が悪いと近づいてこなかった人達もこういう時だけ近づいてくる。
「いや〜、ほとんど敵を倒したのはエイジだからエイジの功績は大きいと思うけどなぁ〜」
「いや、最後の魔術防壁の破壊が無ければ勝てていなかったよ。だからカイルの方に軍配が上がると思うけど...」
お互いに評価しあい終わるとどちらも赤面して、僕は恥ずかしさのあまり手で顔を覆った。
すると僕の事を訓練生の中でも一番と言っても過言ではないほど嫌っている彼女が堂々と腕を組んで近づいてきたのだった。
こんにちは深沼バルキです。
やっとこの回で、一つ目の魔術です。
最初なので色々と悩みました。
ここまで読んでくださりありがとうございます。