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伝承されぬ一つの劔  作者: 深沼バルキ
プロローグ
1/95

0話〜ある人の話〜

とある家でのことだった。


「ねえねえママ、この絵本読んでぇ」とある男の子は言う。


「え!さっき読んだでしょ。なんでまたこの本なの?」と食後の片付けをしていた男の子の母は言う。


「だって、おもしろいんだもん」と男の子はねだった。


「もーしょうがないんだから。‘騎士さん’にでもなりたいのかなぁ〜?」と片付けを中断した母が男の子に近づく。


「うん、この人みたいになりたい!」と男の子は絵本の表紙に描かれた人の絵を指差す。


「ふーん、じゃあこの人みたいな立派な騎士さんになれる様に頑張らないとね」と母は男の子に言って本を読み始めようとする。


が、ゴンゴンと家のドアを叩く音が家中を響かせる。


誰だろうと、母は玄関のドアを開けた。


「………」


するとゴトンと玄関の方から音がした。


「マ、マ?」と男の子は声がしなくなった母の方を向いて言うと、ドアからゴツゴツと音を立てて、全身銀色の甲冑を着た男が3人近づいてきた。


「もうママはいないよ〜。俺がこの手で殺しちゃったからねぇ〜。あーひゃっ、ひゃっひゃっひゃ」と3人は顔の甲冑を外し、金髪の男が笑った。


「まったく面白いよな。人斬りってもんはぁ。一瞬でその人間がしてきたことが終わるんだからよぉ。そして目の前の絶望は俺にとっての快楽に変わるってのが良いよなぁ」とまた金髪の男が笑う。


でも男の子は首をかしげた。


「だ、か、ら、お前のママは死んだの。で、そのママを殺したのが俺らなの。って言っても分かんねえのか」と茶髪の男が言った。


たしかに男の子は分かっていなかった。


「まぁ、俺らは強盗だから仕方ない…………。君も殺さないとなぁぁ」と言いながら黒髪の男が黒い片手剣を振り上げるが、 ゴン、ボスッ、ザクッ、という音と同時に男の片手剣が手からストンと落ち、つづけて金髪の男と茶髪の男が倒れた。


「ごぁっ、だ、誰だ」と金髪の男がひらいたお腹を押さえて言った。


「あなたに名を名乗る必要はありません。大人しく倒れてください。怪我はわたしの魔法で治しますのでお気になさらず倒れてください」と玄関から入ってきた黒い服装をした片手剣使いの若い騎士が言った。


「くっ…ソ、ふざけ…やがって……」


そう言って金髪の男は気を失った。


「魔法よ、その神聖な力で、この者達を癒したまえ」と騎士が言うと、みるみるうちに男達のお腹が治っていった。


「よし。君、大丈夫だったかい。怪我はないかい?」


騎士が男の子に近づき、声をかけるが、男の子は黙っていた。


「すまない…。お母さん助けられなかった」と騎士が少し目を反らして言うと、男の子は笑顔で立ち上がり「きしさんでしょ。助けてくれてありがとう」と騎士にそう言った。


「そうか…。では、私はこの人達を連れて本部まで行くね。あとの事は後からくる人たちにきいてくれ」と騎士はそう告げて家を後にした。


男の子はずっと騎士を見ていた。


騎士が高位移動魔法を使って消えるまで。


その後「……………かっこいい………………」と男の子は消えるその時呟いていた。


こんにちは、初めまして深沼バルキです。

これからどんどん面白くしていきます。

と言っても主人公まだ出てないんですけどね...

この物語は0話と0.5話を入れてからやっと主人公の出てくる1話になる予定です。



ここまで読んでくださりありがとうございます。

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