最初の従者
泣き続けるクリエ……キューラは困りつつも彼女を慰める。
そしてようやく泣き止んだクリエはお風呂に行きたいと言い始め、何故かキューラもともに入浴をする事になった。
しかし、堅物の彼は壁へと視線を縫い付け風呂へとずっと使っていたためかのぼせてしまい……
「ふぅ……」
金色の髪と瞳を持つ女性は黒髪の少女をベッドへと横たえると息をつく……
「のぼせただけみたいですね……」
少女の様子を見てほっと息をつく女性は彼女の髪へと触れると――
「うへへ……さ、さらさらです……」
その表情を女性らしからぬ物へと変える。
その気配を察したのか少女は顔を歪め――
「う、うぅ……ぅぅぅ……」
うなされ始めたことでクリエはハッと表情を変えた。
「そ、そうでした濡れ布巾を頭に――」
彼女は水桶へと布巾を入れ絞るとそれをキューラの頭へと乗せる。
「……それにしても、我慢はしなくても良い……ですか……」
そう呟いたクリエは首から下げているペンダントを手に取り――それを握りしめると胸へと当てた。
「偶然ではありましたけど、キューラちゃんで良かったです」
そう呟くクリエの瞳からは一筋の涙が流れた。
そして、それをすぐに拭うと……眠る少女へと微笑み――
「それにしても本当に男性だったのでしょうか? ううん、書類は間違ってるはずはないですし……」
彼女はそう言うと少女の顔へをまじまじと見つめ――
「…………」
見つめ続けるのだった。