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俺は百合勇者の従者にならざるを得ない……  作者: ウニア・キサラギ
10章 勇者《魔王》として
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思い浮かばない方法

 貴族カミラから依頼を受けたキューラ達。

 それは彼女の妹を止めるため彼女を殺せと言うものだった。

 キューラは止める方法は自分達で考えるとその場は凌ぐのだが?

「さて、どうしたものかな」


 俺は宿のベッドへと腰を掛けそう呟いた。


「どうしたものかって……何か考えがあったんじゃないん……ですか?」


 俺の呟きを聞き困惑した様子のクリエはじっと見つめてくる。

 だが、俺には考えなんてない。

 残念だが首を横に振る事しか出来なかった。


「妹を殺せか……暗殺自体なら出来るだろうけどね……」


 確かにトゥスさんが居れば暗殺は出来る。

 だが、安易に殺害することはできない。

 何せこれは貴族の依頼だし……事が済んだ後、真っ先に疑われるのはあのカミアって言う姉の方だろう。

 何故なら彼女は何らかの理由で妹に継承権を取られている。

 妹君の命を狙うには十分な理由だろう。

 そして追い詰められた彼女はどうする? 逃げ道が必要だ。

 そうなれば勇者とはいえ、此方へと火の粉が降りかかるのは当然だ。

 もしそうじゃなくても話を聞いていたイリスが居る。

 最悪彼女の所為にされるのは目に見えているし……その時は本当に俺達が殺しているのだから逃げ道なんて最初から存在しない。


「どうにかして相手の考えを変えさせるしかないんだよな……」


 考え過ぎかもしれない。

 だが、警戒はしておいて損はない。


「だけど、方法、方法なぁ……」


 性格的な問題なら考えた通り難しい。

 かと言って安易な手は最終手段だ……それに俺が首を縦に振らなかった理由は他にもある。

 あの洞窟の所で出逢った貴族が本当にそうだとしたら、まだ何か手があるはずだ。

 もし俺達の話を聞かないのなら、きっとあそこで帰ったりはしない。


「情報収集するしかなさそうだね」

「そうだな」


 トゥスさんの言葉に俺は首を縦に振り答える。

 なんにせよ情報は大事だ。

 ましてやこれからカミアの依頼をこなすには最悪の手を考えてなければならない。

 それを避けるためにもあの貴族が言う事を聞きそうになる何かを手に入れなければ。

 それがすぐに見つかれば良いんだが……。

 そう思いつつ、俺は何かないかと考える。

 あの時は何とか言いくるめられた……だが、それは相手も非があったからこそできた事だ、

 だが兵士たちは一応は理由があっての処刑だ。

 貴族には何の非もない……そう考えている事だろう。


「面倒な依頼だな」


 俺はそう呟くと、ベッドから立ち。


「取りあえずまたあの酒場に行こう」


 そう提案するのだった。

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