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170 武器を新調しに……。

 新しい街ルードへと辿り着いた一行は早速、街へ入る手続きを済ませる。

 果たしてこの街でトゥスやクリエの武器は新調できるのだろうか?

 魔物を二匹連れている事は驚かれた。

 しかし、ちゃんと手続きをすると街に入れないという事は無かった。

 まぁ、そこは分かってはいたんだが……。

 問題はトゥスさんの銃だ。

 弓を使うという案は却下されてしまったしどうしたものか……。


「型を手に入れられればいいって言われてもなぁ……」


 勿論、溶けた合金を使うのだから燃えにくいものだ。

 燃えにくい…………。


「砂はどうだ?」

「いつも使ってるけどね、特別な物じゃなきゃ割れちまうし、探すのだって苦労する」


 なるほど、でも……。


「材料が分かってるなら一応探してみませんか?」

「クリエの言う通りだな、此処は街なんだもしかしたらあるかもしれない」


 俺はクリエの言う事に首を縦に振り、トゥスさんに伝えると彼女は溜息をつきながら答える。


「そんな運の良い事あるとは思えないけどね、多分外で探した方が早いと思うよ……」


 そうは言ってもどうにかしなくては戦力は下がったままだ。


「一応、な?」


 念を押しそう告げるとトゥスさんも自身が戦えない事をもどかしく感じているのだろう。


「元からそのつもりだよ」


 何処か諦めた様な溜息をつきながらそう答えた。


「じゃぁ、その砂の名前はなんですか?」

「型砂って呼ばれてるよ……たださっきも言ったけど珍しいものだからね、安いもんじゃないし、ここにあるかも分からない。ましてや型になってたら使えない砂の状態の物を探さなきゃらならない」


 あ、ああ……大体予想で来てたけど、大変な物を探さなきゃいけないのか……。

 そう思いながらも俺達はルードの中を探索する。


 まずは鍛冶屋だ。

 普段行くことの無い鍛冶屋だがここは金属なんかを持ってくると武器に加工してくれることは勿論、武器の手入れもしてくれる。

 とはいえ、手入れなんかは自分で出来るし、武器もオーダーメイドより売っているものの方が安い。

 オーダーメイドは金属によっては髙いが売り物より良質と言う訳ではないので買う物は少ない。

 もし、注文することがあればそれこそ王貴族が飾り用の剣を作ってもらうぐらいだろう……。

 だが、今回ばかりは別だ。

 武器の型と言う事なら鍛冶屋にならあるんじゃないか? 金さえ払えば少しぐらいなら譲ってくれるのではないか? と思い尋ねたのだが……。


「悪いな、お嬢ちゃん達、生憎その砂は無いんだよ……」


 申し訳なさそうに鍛冶屋にそう答えられてしまった。


「なら、何処に行けば手に入るか、何てわからないでしょうか?」


 クリエは申し訳なさそうに尋ねるが、鍛冶やもまた申し訳なさそうな表情のまま……。


「貴重な物だからな、絶対ここにあるなんて事は言えないな。だが……そうだなバザーになら……」

「「「バザー?」」」


 俺は聞きなれている言葉に、二人は聞きなれない言葉に反応し、首を傾げる。

 バザーって事はまさか……。


「色んな店が出てるのか? 地方から商人が集まって……」


 俺は思いつくバザーの事を鍛冶屋に尋ねると彼は頷き肯定する。


「ああ、その通りだ最近この街で始まったんだよ……誰がそう呼び始めたのかはどうでも良いが掘り出し物を見つけるならバザーが一番だ」


 やっぱりそうか……。


「キューラちゃん、詳しいんですね」

「意外だね、世間知らずのお嬢ちゃんかと思ってたけど、とういうか知識が偏ってるのかい?」


 クリエは素直に褒めてくれてるんだろうけどトゥスさん? 何処か侮辱されているような気になるのは気のせいなのだろうか?


「そのバザー? の場所って何処なんだい?」


 だが、俺の胸の内を知らないであろうトゥスさんは鍛冶屋に尋ね、鍛冶屋は丁寧にその場所を教えてくれた。


「行ってみる価値はありそうだね」


 振り返ったトゥスさんはそう言うが……鍛冶屋の言葉とバザーと言う特性からするとかなりの運だろう……。

 だが、運さえ良ければ型ではなく使える銃が手に入るかもしれない。

 それにクリエの武器を新調するのにもちょうどいい……。


「ああ、行ってみよう」


 俺はトゥスさんにそう答え、3人でバザーへと向かうのだった。




 鍛冶屋の人に聞いた通りに進むと其処には大きな市場……バザーがあった。

 やはり、物珍しいものが手に入るからだろう、冒険者や商人らしき者達など職問わず人が溢れている。


「何か、凄い所ですね?」


 クリエは苦笑いを浮かべ人混みを見ている。

 この中のどこかの店に型砂か型……もしくは銃があれば良いんだが……そう思いつつも俺はクリエに手を握られ自由に見に行けない様になっていた。


「クリエ? 手を離してくれないと見に行けないぞ?」


 そう言うのだが、クリエはぶんぶんと首を振り……。


「駄目です! 迷子になったらどうするんですか? キューラちゃんは可愛いんですよ? 変な人に捕まったらそれこそ…………うへへへ」


 何故だろうか? 今まさに変な人に捕まっているような気がするんだが?

 心配してくれてるのは分かっているのになぜこうも彼女は……いや、今はよそうそれよりも二人の武器が優先だ。

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