第八十四話 地面に刺さった剣
地面にアランが座り込んでいるとき大きく地面が揺れ、再び空に雲がだんだん集まってきて雷が鳴り始めそれと同時に雨が降り始める。そしてブリナキアが倒したはずの龍が再び空へと上がっていく、だが少しだけ倒す前と見た目が変わっていて周りに少しだけよくわからない青い色の光が出ている、さらに地面に残った龍の頭も同じように青い色の光を放ち空へと上がっていく、そして当たりをまぶしい光が包みこみ二体の龍が光の中から現れる。
「これは流石に逃げたほうがいいかもしれないな。」
アランがそう言って立ち上がる、だがアランの服の袖をウルナがつかんで引き留める。
「逃げなくてもいいと思います、きっとブリナキアがどうにかしてくれます。」
ウルナがそう言いブリナキアのほうをじっと見つめる、するとブリナキアの姿が右横に一瞬伸びたように見える、そしてその直後激しい光が龍を包み込む、そして爆音が鳴り響く。
「これは一体…」
「恐らく魔法か何かだと思います、でもこの威力は…」
ウルナがそう言った時光の中からブリナキアが落ちてくる、それに向かって二体の龍が向かっていく。
「誰がどうにかしてくれるって言ったんだ。」
そう言ってアランが剣を右手でサックから引き抜き龍のほうへと走っていく、そして龍の下あたりでアランが飛びあがる、そしてブリナキアを左手で抱えて地面へと降りる、そしてアランは走って近づいてきていたウルナにブリナキアを渡して下に落ちてきた龍に乗り剣を振りあげ龍に向かって剣を振り下ろす、だがアランが振り下ろした剣は固い鱗にはじかれる。
「おいおい、どうしろって言うんだよ…」
アランがそう言った時龍が飛びあがりアランが吹き飛ばされ地面を転がる、それをビドンメが走っていって受け止める。
「多分これは六個目の試練だと思います。」
「つまり奴らを倒せということか。」
「そういうことです。」
そう言ってビドンメはアランの腕をつかみアランを起き上がらせる、するとアランは剣を構える。
ウルナがブリナキアを草の上に寝かせ鞄から人魔の腕輪を取り出し腕に付ける、するとウルナは魔族の力を使い狂気化する、だがどうやら自分の力をコントロールできているようだ。ウルナは袋から自分の剣を取り出しててに持つ、そしてその剣を龍二体に向かって素早く投げる、だが龍は回転して尻尾でウルナの剣を跳ね返す、どうやら剣を投げたぐらいでは体の一部分を切り落とすなどと言ったことは不可能に近いのかもしれない、そして龍によって跳ね返された剣がウルナのいる場所の前に突き刺さる。
「これなら勝てる…」
そう言ってウルナが目をつむる、するとウルナの右手の中に黒龍剣が現れる、ウルナはその剣を持って龍のほうへと走る、すると龍はそれに気づいたのか上昇する。
「さっきの剣のページにこの剣の覚醒のさせ方が描いてました、だから今その方法を使いましょうか。」
そう言いウルナは上昇した龍に向かって剣をまっすぐ持ち直してそのまま剣を真上に投げる、すると剣から一瞬翼の様なものが見えると剣はそこから素早く上昇していく、そして黒龍剣が龍に突き刺さりそこから龍の体を貫いてさらに上昇していきそして龍からかなり離れたところで剣が下を向いて龍に向かって落ちていく、その時龍がウルナのほうを向く、そして龍が口を開ける、すると龍の口に青い色の光がだんだん集まっていく。
「ウルナ、ブリナキアを連れてそこから離れろ‼」
アランがそう言った時龍の口から青い色の光がウルナに向かって放たれた、だが青い光はウルナに向かって進まず途中で少し左に曲がりウルナの左側にある木に当たる。
「ウルナ、早く離れろ‼」
アランがそう言うがウルナはただ立っているだけだ。
「ブリナキアが…お、起き上がったんです。」
「ブリナキアがか。」
アランがそう言ってウルナのいるほうへと近づいていく、するともう一匹の龍がアランに向かって突進する、だがアランは龍が突進してくるのをかわし龍の体に剣を当てる、だが龍はそのまままっすぐ進んでいく。ビドンメはアランの後ろをついていく。
ウルナの投げた黒龍塔が龍の頭を貫きそのまま落ちてくる、そしてそのままウルナの足元に突き刺さる、その姿はウルナが上に向かって投げる前とは違っていた、剣身は黒色になり柄頭の部分に黒い色をした小さな龍の頭がついている、鍔の部分には翼の様なものがついている、恐らく剣自体が黒龍という考えなんだろう。
ウルナは自分の足元に刺さった黒龍剣を両手で握りそのまま上へと引き抜いた、するとウルナの腰に黒龍剣を入れるためのサックが現れた、するとウルナは黒龍剣をサックに入れブリナキアのいるほうへと歩いていった。
アラン達はブリナキアのほうへと歩いていくウルナを見てウルナのほうへと走りだした。
「くそっ、これじゃああの刺さっていた剣を調べることもできないな。」
「そうですね、ですがあの二人なら龍を倒してくれるんじゃないんでしょうか。」
「あのウロボロスに力を渡す前の龍をか。」
アランがそう言うとビドンメの表情が変わった。
「それは本当ですか。」
「ああ、今のウロボロスは龍そして俺が倒したリヴァイアサンの力を魔女教によって移植された。」
「つまり魔女教徒は……そうか、そうだったのか…アランさん、やっと理解できました。」
「何をだ。」
「この戦いが終われば説明します。」
ビドンメはそう言った後地面に剣が刺さっている場所のほうへと走りだした、だがアランはそのままウルナのいるほうへと走っていく。
ビドンメが分かったこととは、そして一体地面に突き刺さっている剣は何なのか、そして何故ブリナキアが龍の出している光を捻じ曲げることができたのか、次回をお楽しみに‼(一部次回ではわからないことが含まれています。)




