第八十二話 残る謎
ウルナが投げたブリナキアをアランが空中で抱える、そのときウルナが黒色と紫色を混ぜた人型の物体のこぶしに当たり遠くへと吹っ飛ばされ地面につきその後何度か跳ね上がりながら五十メートルほど転がる。
「アランさんおろしてください、私があいつを倒します。」
ブリナキアがそう言った時ブリナキアの持つ刀が金色に光る、そしてその光が消えた時水色の刀に金色の文字の様なものが現れさらに鍔の部分に金色のバラが現れるそれから少し遅れてブリナキアの左腰に鞘が現れる、鞘は水色と金色でできている。その時アランはブリナキアを地面へと下す。
「氷華刀の真の力を開放するか、これならたとえ死んでいたとしてもさっき飛んでいったものを助けることができるだろう。」
アウグストスがそう言うとブリナキアはアウグストスのほうを向いて頷いた後黒色と紫色を混ぜた人型の物体に向かって走り出す、すると黒色と紫色を混ぜた人型の物体は右手に持っている剣をブリナキアに向かって振り下ろす、ブリナキアはそれを左に動いて避けてそのまま黒色と紫色を混ぜた人型の物体へと向かって走る。
「俺と戦った時の力を使え、今がその時だ‼」
アウグストスがそう言うと再びブリナキアはアウグストスのほうを向いて頷く、その時黒色と紫色を混ぜた人型の物体は右手に持っている剣をブリナキアに向かって振り下ろす、その時ブリナキアの髪が一瞬白くなり元の髪の毛の色へと戻る、だがアウグストスと戦っていた時の様に少しだけぼさぼさだ、その変化の間にブリナキアは黒色と紫色を混ぜた人型の物体が振り下ろした剣を左手で受け止める、そして剣を強く握り剣を砕く。だがブリナキアが砕いたはずの剣が再生する。
「何をしようと無駄だ、私を倒さない限り剣は何度でも復活する。」
「ならお前を倒せばいいんだな。」
ブリナキアはそう言い黒色と紫色を混ぜた人型の物体に向かって走りあと五メートルほどのところで飛び上がり刀を左から右へと振る、だが刀がはじかれる、その後ブリナキアが刀を下へと突きさす。
「残念だったな、その剣は魔法によって作られた剣、残念だが魔法は効かないんだよ‼」
「そうですか…」
ブリナキアはそう言った後黒色と紫色を混ぜた人型の物体のほうを振り返り刀を右から左へと振る、だが刀がはじかれる。
「何度やろうと無駄だ。」
「何か気づきませんか。」
「まさか…」
そう言って黒色と紫色を混ぜた人型の物体は足元を見る、その足元は凍っている。
「なぜ氷華刀が二本ある‼」
「つまらないことを聞かないでください、二本もあるわけないじゃないですか。」
ブリナキアがそう言ったときブリナキアが手に持っている刀が砕ける。
「そういうことか、一回目に剣を振った時に刀をそのまま地面にさしそのあとすぐに魔法で刀を作り出したのか。」
「よくわかりましたね、正解です。」
ブリナキアはそう言って黒色と紫色を混ぜた人型の物体の足元へと歩いて向かい黒色と紫色を混ぜた人型の物体の足元にさした刀を引き抜く。
「そうか、氷華刀が触れた場所は氷華刀の能力によって凍る、考えたな。」
「アウグストスさんあの魔法をお願いします。」
「そうか、硬い装甲を崩すのか。」
アウグストスはそう言った後ほんの少しの間黙り込む。ブリナキアはその間に黒色と紫色を混ぜた人型の物体から走って離れブリナキアはウルナのほうへと走っていく。
「不知火‼」
アウグストスがそう大きな声で言うと大きな音とともに爆発が起きそれにより砂埃が舞い地面が大きく何度も揺れその爆発が起きた場所から何かが砕ける音がする。ブリナキアは爆発の爆風で飛ばされる、そしてとばされている間にブリナキアが地面に転がっているウルナを抱える。
「馬鹿な、私のこの力が及ばないとでもいうのですか…」
「魔女教徒かそれ以外の勢力かは知らない、だけど私たちの邪魔をするなら何度でも倒す‼」
ブリナキアはそうとばされながらそう言い刀を地面にさし早さを抑えそのまま地面に足を付ける、そしてウルナを草の上へとゆっくりとおろす。その時黒色と紫色を混ぜた人型の物体が突然動き出す。
「残念だったなあの程度の爆発で装甲ははがせないぞ。」
黒色と紫色を混ぜた人型の物体からそう声が聞こえる、その時黒色と紫色を混ぜた人型の物体の右上から左下へと何かがものすごい速さで落ちていきそれが地面へと突いたと同時に黒色と紫色を混ぜた人型の物体が右上から左下へとかけて切れ目が走りそのまま地面へと崩れ落ちる。その黒色と紫色を混ぜた人型の物体のちょうど右足の近くにビドンメが剣を持って立っている、そしてビドンメは剣をサックに入れる。
「僕が気づかなかったことでこうなってしまったので自分で片付けました。」
ビドンメがそう言ったあとアランはため息をつく。ブリナキアはその時氷華刀を鞘に入れる。
「もう少し早く倒してくれよ…」
「ちょうど油断していて楽に倒せそうな時を狙ったんですよ。」
ビドンメがそう言った後黒色と紫色を混ぜた人型の物体からビドンメにとりついていた黒いものが出ていきその姿が消える。
「これでもう大丈夫だろう。」
アウグストスはそう言って爆発によって飛んで言った紙を取りそれを地面に広げ草の上に座る。
ウルナがゆっくりと立ち上がる。
「あれ、あの無駄にごついのに私は殴られて…」
「ほうとうに良かった。」
ブリナキアはそう言ってウルナに抱き着いた。
「ちょっとブリナキア痛いって‼」
ウルナはそう言ってブリナキアの手を放す。
「もうウルナさんなんて言えませんね。」
ブリナキアはそう言って笑みを浮かべる。
「ウルナ、行きましょうか。」
ブリナキアがそう言って手を差し出すとウルナはブリナキアの手をつかむ。
「そうだね。」
ウルナがそう言ってアウグストスのほうへ歩き出すとブリナキアもそれについて歩きだす。
アランとビドンメもアウグストスのほうへと歩いていく。そしてウルナとブリナキアが最初についてアウグストスの右横へと座る、そのあとアランがアウグストスのもとについてブリナキアの横に座る、最後にビドンメがアウグストスのもとについてアウグストスの左横に座る。
「それじゃあ話を再開しようか。」
アウグストスはそう言い魔女教徒のことを表しているマークを指さした。
「実は一部のものしか知らない事なんだがな。」
アウグストスはそう言いポケットからペンを取り出し魔女教徒を表すマークの近くにヘルと書きそれを丸で囲む、そしてヘルと魔女教徒を表すマークを線でつなぐ。
「前にヘル自身が言っていたんだがどうして魔女と戦ったのかそしてどうして封印したのかわからないみたいなんだ。」
「つまり魔女もそれと同じ可能性があるとでも言うんですか。」
ウルナがそう言うとアウグストスはこう続ける。
「確証はない、だがこの状況だ、恐らく誰かが世界を滅ぼすためにそうしたんだろう。」
「それなら今後世界が滅びるのを食い止める可能性がある者同士が戦う可能性があるのか。」
「ああそうだ、だがこれは一つの考えだ、だからこの通りになるとは限らない。」
「大丈夫だ、俺がそうなった時には止めてやる。」
アランがそう言い立ち上がる。するとアウグストスはため息をつく。
「そんなに甘いものじゃないぞ。」
アウグストスはそう言うとアランは座り草の上に両手を叩きつける。
「そんなことは分かってるだから俺はずっとこいつらの近くにいる‼」
アランがそう言って立ち上がるとアウグストスが笑みを浮かべてアウグストスの姿が消え草むらが石が敷き詰められた塔の中へと変わりどこまでも続いていた平原が石でできた壁で区切られる、そしてアウグストスが説明に使っていた紙も消えていた。
次回はまさか氷華刀が折れるなんて…をお送りいたします、多分…




