第七十一話 新たな敵
アランが爆発を起こしたときブリナキア達はと言うと。
「爆発しましたよ‼」
「確かに。」
そう言ってブリナキアが辺りを見回す。
「クロードがいないんだけど…」
「精霊石の中に入ったんじゃないの。」
「それはないと思う。」
「まさか…」
ウルナがそう言って爆発の起こったほうを見る、煙がどこかへ風により流されていく。
「やっぱり。」
「何もないけど。」
「よく見て。」
そう言ってウルナが指をさす、ブリナキアとビドンメはウルナが指をさすところを見る、そこにはよくわからない球体があった。
「たぶんだけどクロードとアランはあの中にいると思う。」
「でもそれだけであの爆発の威力が殺せるかな。」
「かなり強い風が吹いていたのでそれで威力が殺せたと思います。」
ビドンメがそう言った。
確かにそうだ、さっきからかなり強い風が吹いている、そして雪もさっきより強くなってきている、だけどアランとあの男を挟むように出ていた氷柱がない、とてもアランが無事とは思えない。
ブリナキアがそう考えていた時煙の中からクロードとアランが出てきた。
「まさかこいつに助けてもらうことになるとわな。」
「アラン、後ろ‼」
ウルナがそう言った時煙の中から猛スピードで槍が飛んでくる、それを見たブリナキアが鎌を持って走り出す。
「みんな離れてて。」
そう言ってブリナキアが鎌を構えて槍が近くまで飛んでくるのを待っている、そして槍が鎌が届くところまで飛んできたところでブリナキアが鎌を振ると槍が真っ二つに分かれ地面に落ちた。
「あの爆発でまだ無事とでもいうんですか。」
「あいつも身を守っていたということか…何も言わず爆発を起こせばよかったな…」
アランがそう言った、その時煙の中から男が出てきた。
「今のはなかなか利きましたよ。」
「くそっ、やっぱり無事だったか…」
「もう少し氷が溶けてからやっていれば威力も変わっていたでしょうね。」
そう言って男が剣を持って走ってくる、だがブリナキアが立っているのを見て男はこう言った。
「ですが私は魔族と戦う気はありません、勝てないとわかってしまったので。」
男がそう言うと突然積もっていた雪が舞い上がる、それからしばらくして視界がよくなったころ辺りを見回すとそこに男の姿はなかった、そして雪も少しずつ止んでいた。
「やはりあいつは魔女教の人間じゃないな、服装も違った、それにこの規模の吹雪だ、魔法ではこんなことはできない。」
「と言うと…」
「奴は魔術師だろうな、あの槍はどうやって出してるのかわからないが…恐らくウォケストさんより強いだろう。」
「そんな人でも魔族には勝てないと言って逃げていきましたよ。」
ウルナがそう言うとアランは少し考えこんでいるのか黙ってからこう言った。
「自分の渾身の攻撃を何度も邪魔されたり止められたり出来るやつに勝てないと思ったから逃げただけだろ、次に会うときにはどうなってるかわからないな。」
「そのためにもこの塔を上るというわけですか。」
「ああ、入ろうか。」
そう言ってアランがとうの扉の前まで歩いていく、それを見てブリナキア達もアランについていく。




