第六十二話 喧嘩
ソフィーさんが籠に卵を何個か入れて戻ってくる。
「これだけあれば大丈夫ですよね。」
「は、はい…」
「それじゃあウルナさん。」
そう言ってソフィーが卵を持ちウルナに渡す。
「割って。」
「う、うん。」
ウルナが卵を何度か机に当てご飯の上へ卵を持っていき卵を割る、卵の中身が落ちご飯の上に綺麗に乗る。
「出来るじゃないですか。」
「ほ、ほんとだ。」
「次はビドンメさんですね。」
そう言ってソフィーがビドンメの卵を持ちビドンメに渡す。
「いや、僕は大丈夫ですよ。」
「いえ、一応割ってください。」
ソフィーにそう言われビドンメが机に卵を何度か当て卵をご飯の上に持って行って割る、ウルナと同じようにご飯の上に卵が乗る。
「次は…」
ソフィーがブリナキアのご飯を見て驚いている。
「こ、これはひどい、一体だれが…」
「俺がやった…」
「あー、それっぽい感じがしますね…」
ソフィーがアランに卵を渡す。
「これを割れと。」
「はい、どうせ無理でしょうけど。」
「分かった、ちゃんと割ってやる、見てろよ‼」
アランがそう言って卵を机にあてる、バキッそう卵が音を立てて割れる。
「残念です、ご飯の上に割ることすらできないとは、私が手本というものを見せてあげましょう、ご飯を持ってきますね。」
そう言ってソフィーはどこかに消えていった。
「ご飯を取りに行く前にここを掃除してほしいな…」
「そうですね、卵が机に乗ってるというのは流石に…」
「いや、もとはといえばお前たちだろ、持つだけで卵が割れるって力の入れすぎじゃないのか。」
「それを言うならアランだってブリナキアのご飯に卵を割る時に殻を入れてたじゃない。」
「二人とももうやめてください、こんなこところで争っていてもどうにもなりません。」
「そうだな、みんな悪かった…」
ソフィーが両手にご飯を持って戻ってくる。
「タオルも必要ですね…もう少し待てっていて下さい。」
そう言ってソフィーはもう一度どこかに消えていった。
「何で朝から卵かけご飯を作らせるんだ。」
「恐らく私と少し話してたからご飯を作る時間がなかったんだと思います。」
「そうか…一緒に話して…いや、ちょっと待て、一緒に話してたのか。」
「はい、そうですよ。」
「いつの間にそんなに仲良くなったんだ…」
「お風呂に入って着替えた後ブリナキアとゆっくりしてたらエリックさんが部屋に入ってきたんですよ、それでパトリックさんが魔法で宿に大穴を開けてそれを見にソフィーさんが部屋に。」
「なるほど、と言いたいところだがさっぱりわからない。」
「そうですか、それは残念ですね。」
それからしばらくしてソフィーがタオルを持って戻ってきた。
「これをお使いください。」
そう言ってソフィーがブリナキア達にタオルを渡す。




