第六十話 予定
ウルナがブリナキアのいる部屋に戻る。
「まだ寝てる…」
ウルナはそう言って椅子に座る。
「私が困っていたら助けてあげないと。」
そう言ってウルナがブリナキアの手を握る、するとブリナキアが起きる。
「あれ、私は一体何を…」
「もう大丈夫ですよ、朝ごはんを食べに行きましょうか。」
「朝ごはん…」
「そうです、朝ごはんですよ、今日試練の塔へ行くんですから、さあ早く着替えましょう。」
本当に疲れて寝てたんですね、まあいろいろと大変なことがありましたからね。
「ウルナ、おはよう。」
「おはようございます、服を持ってきますね。」
ウルナがブリナキアの服を取りに棚の置いてある部屋へ行った。
「この剣をこんな使い方をしたってばれたら武器屋のおじさんに怒られそうですね。」
ウルナはそう言って剣を袋の中へ入れ棚の前へと歩いて行った。
「でも昨日買った服ってしたがスカートですね、ちゃんと履いてくれるかな…」
ウルナはそう言って棚の扉を開けて、棚の中からブリナキアの服と自分の服を取り出した。
「それじゃあ戻りますか。」
そう言ってウルナはブリナキアのいる部屋へと歩いて行った。
「ブリナキア、新しい服です。」
「ウルナ、ありがとう。」
「どういたしまして、着方はわかりますか。」
「分かるよ。」
ブリナキアはそう言って服を脱いでウルナが持ってきた服に着替えた。
「このスカート少し短くない。」
「もう少し長いのがいいですか。」
「いや、そうじゃないんだけどちょっと涼しすぎるかな…」
「分かりました、服を作る時参考にします。」
ウルナはそう言ってメモ帳を取り出し何か書き服を着替えた。
「ウルナ。」
「はい。」
「食堂ってどこにあるの。」
「食堂の場所ですか…これだけ広い宿です、どこかに地図があると思いますよ、まずは廊下に出ましょうか。」
ウルナはブリナキアの手を取り一緒に部屋を出た。
「おう、ウルナか。」
「アラン、食堂の場所ってわかりますか。」
「階段を下りれば食堂のある階に着くんじゃないのか。」
「そうですね、ソフィーさんの魔法でこの宿の中の空間は行きたい場所に行けるようになってるんでしたっけ。」
「ソフィーさんって誰だ。」
「受付の人ですよ。」
「そ、そうか。」
「それだと階段まで歩いて行ったほうがいいんじゃないんですか。」
ビドンメがそう言った。
「何でだ。」
「アランさん、この宿にはたくさん人がいるんです、好きな席を選べなくなるじゃないですか。」
「ああ、そういうことか、それならこういった宿なら心配しなくてもいいぞ、もう席は決められてあるからな。」
「そうなんですか、それじゃあ食堂へ行きましょうか。」
ビドンメがそう言って階段のあるほうへ歩いていく。
「いや待て、以上に一階が広かった、あの部屋が食堂なんじゃないのか。」
「確かに、受付をするだけならあんなに広くする必要はありませんね。」
「朝ごはんを食べたらすぐに出るぞ、試練の塔へ行くなら竜を借りたほうが早いからな。」
「クロードに乗っていくんじゃないんですか。」
「クロード、それで本当にいいのか。」
クロードが精霊石の中から出てくる。
「呼んだ…」
「クロード、本当に試練の塔まで乗せていってくれるのか。」
「うん、別にいいよ。」
「そうか、でも何回もお前に頼るのは悪いよな、だから今回は竜に乗っていこうと思う。」
「いいと思うよ。」
「だろ、それじゃあそれで決まりだな、さあ食堂へ行こうか。」
ブリナキア達は階段のあるほうへと歩き出した。




