第七話 初めての朝は遠く
神崎は朝を迎えることができるのか。
私はウルナと約束した、明日文字を教えた後採寸して髪を切ると、明日が楽しみださあ部屋にもど...ドシュ、ウルナに何かが刺さる。
「ウ、ウルナ、嘘だろ。」
「カンザキさん逃げ...て...」
そう言ってウルナは倒れた、だがこの家にこんなことをする奴はいないはず、一体誰がこんなことを...ドスッ、前から何かが飛んできた、くっお腹に何か刺さってる、誰がやったのかわからない、私は倒れた、すごい量の血が出ている。
ここは、どこだ、周りのはお湯かつまり私は今お風呂に入っているのか。
「カンザキさん、のぼせたんですか。」
あれ、私は確か死んだはず、だが今いるのは風呂だ、あれは夢か、だが夢なら刺されてもいたいはずがないだろう、つまりあれは現実だ、ならなんでここに戻った、時間は巻き戻せていないはずだ、なのに何でここに戻ってる。
「カンザキさんもう出ますか。」
「あ、うんもう出ようか。」
私たちはお風呂から出てドアへと歩いていく、そしてウルナがドアを開け脱衣所の中へと入っていく、私もウルナの後に続いて脱衣所の中へ入りドアを閉める。この後殺されればあれが夢じゃないということになるはずだ、もうあんなに痛い思いをするのはゴメンだ、そして目の前で誰かが死ぬのももう見たくない、戦おう、戦って状況が変わる可能性があるなら、それにかけるしかない、もし戦ってる途中でサモルナが助けに来てくれればラッキー程度でやってやる、来る途中で武器庫があればなにか借りよう、場所を知らないからウルナに聞いたほうがいいか。
「ウルナさん、ここから部屋に帰る途中に武器庫とかありますか。」
「武器庫、それならここから出て階段を無視して右に進めばありますよ、でも武器なんて何に使うんですか。」
おそらく殺しに来たのは外部の侵入者だろう何を狙っての犯行かなんて知らない、だけど、死にたくない、それに誰も殺させたくない、そして部屋に帰る途中での犯行、だとすれば相手はこっちが風呂から上がったばかりで武器を持ってるとは思ってないはずだ、たぶん、でも武器を借りる理由はなんだ、この後殺されるからか、いや、そんなことを言えば私が今から私たちを殺す人たちの仲間と思われるかもしれない、だったら理由はこれしかないだろ。
「襲われたとき用に。」
「今じゃなくてもいいんじゃないんですか。」
くそ、どうしようか、理由を話さないと武器を借りることは難しいだろう、試しにちゃんとした理由を言ったほうがいいか、いや、まずいか、いや駄目だな、ここでちゃんと言っておいたほうがいいか、私が危ない目にあったとしてもこの屋敷の人たちが生き残るほうがいい、言ってやる。
「私たちはこの後殺され...」
まただ、また周りの時間が止まっている何で止まったんだ、そしてまた紫色と薄い赤色を混ぜたような煙が出てくる、さあ恐怖の植え付け方に何パターンかあるならやってみろ、という気持ちでいたがやはり濃い緑色の槍が出てくる、それは駄目だって、痛いとんでもなく痛い、おそらくまた刺されるのだろう、体は動かない、槍が心臓に刺さる、これを考えた人は自分は刺されたことないだろうなまあ刺されてたらその人は死んでいるか、私がそう考えている間に槍は私の心臓に突き刺さっていた、これと同じぐらい痛いものとかは私は知らない、周りの時間が動き出す、痛いのは時間が止まっている間だけのようだ、くそ、襲われることを教えることが出来ない、ならどうやって武器を取りに行く理由を話そうか、そうだこれならいいだろう。
「護身用に剣が欲しくて。」
こんなことで今取りに行けるかは分からない、だが死ぬことを話すことはできない、だから今はこんな理由を付けることしか私はできない。
「分かったわ、付いてきなさい。」
そう言われたのですぐに服を着てついていく、ウルナはドアを開ける、私はウルナについて出ていく、そして脱衣所から出て右に歩いていく、ドス、上からナイフが降って来てそれが床に突き刺さる、もう私たちを殺しに来た人たちは屋敷の中にいるのか、そう考えた後私は地面に突き刺さったナイフを見るだがナイフというより短剣に近い形をしている。
「急ごう。」
ウルナはそう言い私の腕をつかみ右へと走る、ガチャ、ウルナがドアを開け中に入る、そして私もウルナについて中に入った。
「武器庫に来て正解だったわね。」
ウルナはそう言った、だがここがバレるのも時間の問題だろう。
「あった、はい剣よ。」
ウルナはそう言って私に剣を渡す、私はその剣をウルナから受け取った、ウルナも何かを持っている。
「あの、それは。」
「護身用です。」
なんか伸びそうな剣を持っている、あきらかに危険だ。
「さあ行くわよ。」
ウルナがそう言ってドアを外してそのまま前に進む、ドアに短剣が刺さる、というか今は私は役に立てないし邪魔だよね、持ってるのは普通の剣だしそもそもどうやって戦うとかも知らないし邪魔だよね。
「カンザキさん、すきがあれば攻撃してください。」
うわーこれ役に立てないやつだ、でも攻撃をうければ時間を巻き戻してその後にちゃんと避ける、そうすればそのうち勝てる。
「わかりました。」
そう言って私は前に出て剣を抜いた、すると何故かかなり距離があいているはずなのに相手の身体から血が出る。
「まさかあなた射程に関係なく攻撃を当てることが出来るとでも言うのですかそもそもあなたのようなものが私に攻撃を当てられるはずが無い、一体あなたはなんなんですか。」
なんかめんどくさい事になってきたぞ、だが相手は何か勘違いしている、それを利用するか、いや利用しない手はない。
「ああ、そうさ、私は射程に関係なく攻撃を当てることが出来る。」
相手は私を無力だとでも思っていたのだろう、だが勝手に戦ったことのない相手に決めつけられるのは嫌だ、何故かとても気分が悪い。
「話を聞きたいから殺さないように手加減してね。」
とウルナが言う、だがさっきの一撃が重症みたいで、相手は倒れてそのまま階段を転がり私たちのいるほうへと落ちてくる。
次回、カンザキとウルナの死亡が確定だと…をお楽しみに。