第四十一話 朝ごはん中
「ブリナキア、言い忘れてることがあるから今言ってもいいかな。」
ウルナはブリナキアにそう問いかけた。
まあちょっとしたことだろうしいいか。
「いいよ。」
「それじゃあ、龍を倒した日、二日前私がウォケスト様にマジックアイテムで手紙を送ったのを覚えてる。」
確かにマジックアイテムで報告をしていたな。
「うん、見たよ。」
「そのことなんだけど、二日たっても何の返事もないの。」
返事がない、どういうことだろう、私が龍を倒したからそのまま王都へ報告しに行ったと思って放置してるとかか、いや、世界三大驚異の中の一体だ、それを倒して何も言ってこないのはおかしい。
「確かに返事がないのはおかしいな。」
アランがそう言った。
「まあそれで私なりに考えたの、私たちのもとに魔女教徒が来た、そこから考えていくとウォケスト邸での襲撃も魔女教が絡んでいたじゃない、だから魔女教徒が襲った可能性があるの。」
確かにそうだ、だけど今すぐ私たちが戻ることもできない、今はウルナを安心させてあげたほうがいいか。
「あの屋敷の人たちが簡単にやられるはずがないよ、きっと何か問題があってマジックアイテムが使えないだけだと思うよ。」
「そうですね、ウォケスト様それにイエル、あの二人がやられるはずがないですよね。」
とりあえず安心してくれたみたいだ、よかった。
「一応試練の塔に行ってからアズモジアに行く前にウォケスト邸に行くのはどうだろう。」
アランがそう言った。
「すいません、魔女を倒すのに何でアズモジアに行くんですか、そこに魔女が封印されているとでもいうんですか。」
「とりあえずビドンメ、お前は黙っていろ。」
アランはビドンメにそう言った。
「ブリナキア、どうだろうか。」
「やられることはないけど一応行っておいたほうがいいかもしれないわね、試練の塔に行った後に行きましょうか。」
私はアランにそう言い返した。
「よし、決まりだな。」
「あのー私のご飯は…」
ビドンメがそう言った。
「仕方ないわね。」
ウルナはそう言ってパンを半分ビドンメに渡した。
「まだあなたがしたことを許したわけじゃない、だけど魔女を倒すことができるのなら、私はあなたを信じる。」
「いや、残念だけど僕にはそんな力はない…だけど、君たちを魔女教徒から守ることならできる。」
「それなら俺がウォケスト邸に行った後シンサッジに行ってる間こいつらを守れるか。」
アランはビドンメにそう問いかけた。
「いや、シンサッジに行くとか聞いてないけど…」
私はアランにそう言った。
「あとで言うつもりだったからな、すまない。」
アランはそう謝った。
「まあ私がシンサッジに行くのは本当だ、今の剣聖ヴィクトール・クラスカ、魔女を倒すと言えば協力すると前に言ってくれてな、本来あいつはバローロスから出ることを許されていない、だがどうにかして許可を取る、そう言っていた、もし許可を取り俺たちのもとへ来てくれるとしたら魔女を倒すのはほぼ確実だ。」
「なるほど、その人を連れてくるためにシンサッジに行くんですか。」
ビドンメがそう言った。
「だったら私たちもシンサッジへ行けばいいじゃない、どうせ近くを通るんだし。」
「ウルナ、今王都が安全かどうかわからない、ウォケスト邸が襲撃されたのであればサモルナ様のもとも襲撃されているかもしれない、だから俺一人で行くよ、お前たちに迷惑はかけない。」
アランはそう言った、確かに王都の近くを通ったほうが近いだろうな、船着き場の近くにアズモジア王国があるわけだし。




