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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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EX 1 ヘルの過去②

 私はヘル、ゲエルじいさんと一緒に暮らしていた時に何者かがゲエルじいさんを襲った、それから私はゲエルじいさんの家を出てアズモジアへ向かった。

 アズモジアでは今は王はいない、だから力のあるものを王にするために戦いを行う、そうゲエルじいさんに聞いた。聖域からアズモジアへ行くのは簡単だった。飛び降りるだけだったのだから。

 私は飛び降りるだけでアズモジアに着いた、だけどアズモジアに住んでいたのはかなり前のことだ、私は何もわかっていなかった、聖域から飛び降りると確かにそこはアズモジアだった、だが辺りを見回すと。

 そこに広がっていたのはさびれた町だった、今にも崩れてしまいそうな家の壁、ゴミだらけの道、これがアズモジアの現状だった、だがその町から一歩外に出てみると広がっているのは平原だった、そして少し進んでみるとそこには広い街があった、綺麗で広くて人の多い街だ。そう、王都デペキオだ、王都の近くにスラム街がある、王都にお金をつぎ込んだ結果なのかもしれない、だけどそれは私の想像でしかない、だけど戦って一番強かったものが王になれるのなら私だって王になれるかもしれない、そしたらこの国を変える、この腐った国を作り変える。


 私が王都について二日たった、ついに王を決める戦いが始まる。

「皆さんが今日ここに来たのは王になるためですよね、分かっています、ですが弱いものは王にはなれない、簡単な話雑魚じゃ話にならない帰って寝てろ。」

これが今の王の言葉なのか、ふざけている。

「まあ雑魚でも王になりたいのならやってください、僕は止めないので…それと王は男と女、両方を募集しています、そこでこの戦いに一つルールを加えます、男と女でペアを作ってください、そして最後まで生き残る、もしくはあきらめなかったペアを王にします、誰か僕と組みたい人がいれば来てください。」

厄介だ、私は一人でここに来た、ペアを組む人なんていない、一体どうしたらいい。

 私が困っていると誰かが私の肩をたたいた。

「良かったら僕とペアを組まない、嫌なら別にいいんだけど…」

「分かった、一緒に頑張ろう。」

私は誰ともペアを組むことができていなかったからあっさりと承諾した。

「良かったら名前を教えてくれないかな、僕はベルゼブブ。」

「私の名前はヘル、ベルゼブブはどうして王になろうと思ったの。」

「この腐った国を作り変えたいんだ、僕はスラム街で育った、だけどここにいる人たちはスラム街で生活するということがどれだけつらいか知らない、だから僕はスラム街を住みやすい場所にする、そのために王になりたいんだ、ヘルはどうして王になりたいの。」

「私は親に捨てられて聖域で育った、そして最近ここに戻ってきたばかりで育ててもらった人に王になる選挙があると聞いてきたんだけど…でも今は違う、王都の近くにスラム街があるからどうにかしたい、だから私も王になるよ。」

「じゃあヘルも僕と同じような理由なんだ、じゃあ今から今の王様のペアを倒しに行こう。」

ベルゼブブがそう言った時に私たちは周りからすでに目を付けられていたんだろう。

 何人かが近づいてきた、その中の一人がこう言った。

「お前たちのような子供が王様のペアを倒す、そんなことできるわけないわ、そもそもあなたたちのような子供がこの戦いに参加すること自体間違えてるのよ‼」

「でも魔族ってに十歳を過ぎると歳を取りませんよね、だったらそんなに変わらないじゃないですか、それにお前たちの様な明らかに弱い奴に今は構っていられない。」

「黙って聞いていたら何だその言い方は‼」

そりゃあれだけ煽ると相手も怒りたくなるだろうな。

「顔を見れば言いたいことはわかるよな。」

ベルゼブブがそう言うと集まってきていた人たちはどこかへ行ってしまった。

 すると誰かが手をたたきながら近づいてくる、今のアズモジアの王だ。

「いやー戦わずに一気に王の座に近づくとはすばらしいね。」

「そんなことを言うためにここに来たんじゃないだろ。」

「何だ、分かってるんじゃないか、じゃあさっそく本題に入ろう、僕の名前は知ってると思うけどアンドルー、さっきの君の言葉でほとんどの人が王になるのをあきらめた、そして残ったのは君のペアと僕のペアだ、そこで僕と君が戦ってもいいんだけどそれだと力の差がありすぎるからね。」

「何が言いたい。」

「まあまあ、そう怒らないで聞いてよ、スラム街の落ちこぼれ君、僕と君が戦っても面白くない、だからそこにいる子と僕とペアを組んだ子で戦ってもらおうと思うんだけど、どうかな。」

「ヘル、大丈夫かな。」

「ええ、勝てばいいんでしょ。」

「君が勝てればいいんだけどね…さあ出てきなよ。」

アンドルーがそう言うと誰かがこっちに歩いてきた。

「これが僕とペアを組んだシビル・レイ君だ、まあ名前を聞けばわかると思うけどこの子は代々魔法検定一級をとってる家の子だよ。」

アンドルーはそう言った。

「魔法検定一級ってそんなにすごいの。」

「うん、どれだけ頑張っても僕たちは取れないと思う。」

「分かった、だったら戦おう、これも王様になるための試練か何かでしょ。」

「じゃあ僕たち戦わない人は端のほうで立っていようか、邪魔をしたりしたら君の負けって言うことになるから手を出したりしないようにね、それと王を選ぶ選挙中だから相手を殺しても大丈夫だよ。」

アンドルーにそう言われてベルゼブブはアンドルーと共に壁の前に行った。アンドルーが手を上にあげるすると剣が周りに大量に出てきた、そしてアンドルーが手を振り下ろすと剣が落ちてきた。

「この剣が刺さった場所から出ると僕が殺す、だから出ないようにしてね。」

「それは自分とペアを組んだ子がここから出てもか。」

「ああ、そうさ。」

アンドルーがそう言った時僕はこう思った、『この人は悪魔だ、僕が百人いたとしても勝てない。』と。

「それじゃあ今から始めよう、さあ戦え‼」

 ヘルとシビルがお互い反対に走り出す。

「何をしようとしてるんだ。」

ベルゼブブがそう言った。ヘルとシビルは剣を一本抜いた。

「なるほど、そんな使い方もあるか。」

アンドルーがそう言った。ヘルは剣を構えて立っている、シビルはヘルめがけて走っている。

「あなたの様なものに私が負けるわけないわ‼」

「そう、魔法検定一級がそんなに偉いのね。」

ヘルがシビルの足を蹴りシビルの体勢を崩す、そしてヘルがその隙にシビルの服を引っ張る、そしてシビルが倒れる、ヘルがシビルの上に乗利権をのど元にあてる。

「ほう、君のペアの子のほうが強かったのか…子供に人を殺させるわけにはいかないからこれで終わりだな。」

アンドルーがそうつぶやいた。

「そこまでだ‼これで決着はついた、ヘルとベルゼブブ、君たち二人を王と認めよう。」

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