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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第三十七話 襲撃

 「それでは行きましょうか。」

「ああ、そうだな。」

封印石を触りながらこう言った。

「そろそろですね…魔女様…もう少し…もう少しで準備が整います。」


 「さて、カンザキさんが出ていった今二人しかいないがどうする。」

「ザキのことはどうでもいいんじゃないんですか。」

「まあそうだな、あの人は大丈夫だろう。」

そう言って紅茶を飲むウォケスト、コンコンコン。

「誰か来たんでしょうか。」

「いや、今日は来客は来ないはずだが。」

「ではここは私が行ってきます。」

「悪いな。」

そう言ってイエルが立ち上がり歩いていく。

「いや、サモルナ様が不在の今来客はあり得ない‼」

焦ってウォケストが立ち上がる、ガタッ、椅子がこける。

「イエル、出てはいけない‼」

だがもう遅かった、イエルがドアを開ける。

「これはこれは、ウォケスト様、気づいてしまうとは。」

「お前、魔女教徒か‼」

「いいえ、正確には魔女様の指先と言えばいいのでしょうか。」

「指先か、いいだろう、相手をしてやろう。」

「ですがその前に邪魔なこの人を…」

魔女の指先が剣を抜く。

「イエル、下がれ‼」

「残念だったなぁ‼」

ガキン、イエルがナイフを取り出して剣を防いだ。

「この程度でやられはしませんよ。」

「ちっ、おいお前、俺はこいつをやる、お前はウォケストをやれ。」

「仕方ないですね、早く終わらせてくださいよ。」

そう言って後ろにいた人が入ってきた。

「あなたがウォケストですか、思っていたより小さいですね。」

そう言って殴りかかってくる。

「お前こそ、背中の剣は使わないのか。」

「使わなくてもよさそうなので…」

「なめられたものだな。」

 ドカッ、魔女の指先がイエルに蹴りを入れる。

「やられないとか言ってた割に弱くないか。」

「ちっ‼」

イエルがナイフを三本飛ばす、だが魔女の指先は剣ですべて振り払う。

「この程度しかできないのかな。」

「武器が長いほうがいいとは限りませんよ。」

「どういうことだ。」

「グラソンフラッペ‼」

つららの様なものがイエルの前に大量に出て飛んでいく、バシュバシュバシュ‼

「はっ、この程度の技…」

ザクッ、つららの様なものが魔女の指先にあたる。

「ちっ、なかなかやるじゃないか、だがここまでだな。」

そう言って魔女の指先は剣をサックにしまった。

「フレイムダンス‼」

魔女の指先の周りに炎が出てそれがイエルめがけて飛んでいく。

「グラソンウォール‼」

イエルを包み込むように氷の壁ができそれに炎が当たっては消えていく。

「グランドペネテイション‼」

イエルの足元の床が盛り上がり、イエルの体を貫く。

「自分から動けなくなってくれてありがとよ、あとはウォケストだけか、だがこれで死んでいなかったら面倒だな、もう一回やっておくか、グランドペネテイション‼」

 ウォケストが赤い色の弾を魔女の指先に向かって飛ばす。

「はっ。」

ドン、素手で赤い色の弾を弾き飛ばした。

「本気で来ないと死んでしまいますよ。」

そう言って魔女の指先がウォケストを蹴り廊下の端まで飛ばす。

「やはり弱いな、国一番の魔術師でこの強さか、そろそろサモルナも殺されているころだろうな。」

ガラッ。

「ほう、私の本気の蹴りを耐えていたか、だがここまでだ、ダークフレイム‼」

ウォケストに向かって黒色の炎が飛んでいく、ズドォーン‼

「終わったな、帰るか。」

「どうだ、終わったかビビシド。」

「ああ、弱い相手だった、お前のほうはどうだった。」

「自分からやられてくれたよ、ほら。」

「ここまでやらなくても死んでたんじゃないのか。」

「カンザキとかいうやつが帰ってきたときにこいつらがぼろぼろのほうがいいだろ、絶望した顔が見たいしな。」

「ヨズル、お前いっつも絶望させようとしてるよな。」

「お前も俺のことを言えないだろ、恐怖に満ちた顔が見たいんじゃないのか。」

「まあそうだな、ゴビビのほうは大丈夫だと思うし俺たちは帰るか。」

そう言って二人は屋敷から出ていった。


 「何とか急所は外したか、そうだ、イエル、イエルはどこにいる。」

私がちゃんとしていれば変わっていたのだろうか、いや、あの力の差はどうしようもない、だがイエルのことを逃がすことはできたかもしれない。

「くそっ」

私は壁をたたいた、いや、イエルは無事なのか、何とか歩くことはできる、もう一発撃ち込まれなかったことに感謝しないとな、あれは、イエル。

「嘘、だろ…」

そこにいたのは床がめくれ上がり土が体に刺さった状態のイエルだった。

「くそっ、あいつらは絶対に許さない。」

私はそう言って歩き出した、だが何かが私の手を引っ張る。

「私は…生きて…るよ…」

それは紛れもなくイエルの声だ、だけどあの傷で生きているとは思えない、だが確かにイエルの手は私の手を握っていた。

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