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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第三十話 裏世界の実態

 まあ説明してもらえばわかるかもしれない、そんな軽い気持ちで頼んだんだけどなかなか話してくれない。

「こうなった原因は話したよね。」

聞いたよ、バローロス王国から狙われて全滅させた話だっけ。

「それだったら聞いたけど。」

「あの時はいろいろと省いたから少しだけ補足して説明をしてもいいかな。」

何故省いた、と言うかいま私が聞きたいのはどうやって止めるかって言うことなんだけど、まあ襲撃の原因とかも話してくれると助かるし話してもらおうかな。

「うん、いいよ。」

まあ魔女を殺す手段は持ってないはずなんだけどなぜかこの世界の私は殺せてるわけだし、それを聞けるんだったらいいだろう。

「まず、魔女を殺した方法から話しましょうか、止めるときにもその技を使ってくる可能性があるので。」

恐らく今の私が使えない技だ、つまり避け方とかも知らない、技名だけでも聞けば少しはましかもしれない。

「ああ、頼む。」

「まずファイブスペルというものを使いました。」

なんだそれは、聞いたことがない、まず私が使えない技だ、たぶん、使ったことがないだけで使えるのかもしれないけど。

「そのファイブスペルと言う技は五つの魔法で必ず殺す技です、つまり発動したら最後確実に殺されます。」

「いや、ちょっと考えさせてくれないかな。」

何その馬鹿みたいに強い技は、必殺技じゃん、それも必ず殺すでの必殺、どうやら普通に考えて受けてはいけない依頼を受けたみたいだ、まあこの空間から出れればなんだけどね、私がここで何もしなければこの空間は壊れない、つまり依頼を受けていないのと同じことになる、やりたくなかったら何もしないでおこう…いや、だけど私の娘ブリナキアならどんなに無謀だったとしても受ける、自分の娘になんて負けれるか、だれ一人傷つかず魔女を倒す、この世界のことを含めるとそれは無理だ、もうすでにみんなが傷ついている、だけどこれ以上傷つけさせない、そのためにもきっと受けるに違いない、それに私を止めるのは私だ、たとえどんなに危険でも必ず止めてこの世界を守る。

「やらせてもらうよ、私を止めるだけなんだろ、だったら受ける。」

「そう言ってくれると思っていました、ですが全ての技が触れるだけで即死です。」

「それが魔族だったとしてもか。」

「はい、ですが意識だけの存在のあなたならこの世界で死んだとしても元の世界に帰るだけです、そうなった時のためにこれを。」

そう言って金色の指輪みたいなものの中に青い球体が入っているものを渡された。

「これは…」

「それを上に投げると元の世界とこの世界を行き来できます、私たちは次元の指輪と呼んでいます。」

次元の指輪か、だったらこれを使っていったん元の世界に帰るか、いや、気絶してるから意識だけが運ばれたんじゃないのか、次この世界に来るときは今と状況が違う、帰るなんてできない、準備すらできないのか全く意地悪な世界だな。

「これってもらってもいい物なのか。」

「駄目というわけではないのでいいですよ。」

「それで何だっけ、ファイブスペルだったか、できればどういう技か教えてほしいんだけど。」

「全て闇属性の技、としか言えません。」

「そうか、ホワイトミストで消せたりするか。」

「恐らくそれはできません、ですがアルフレッドの衝撃波なら消せると思いますよ。」

どういうことだ、あの後ろに流されるだけの技でそんなことができるのか、だけど衝撃波なんて出せない、無理だ。

「まあ今は衝撃波のことは置いておきましょう、そうですね、何故バローロス王国がヘルさんを襲ったのか説明しましょう。」

そう言えば何か言ってたな、バローロス王国が襲撃してきたとか、確かに気になってはいたけどここに誤解とかがあるのかもしれない、それを聞いてみない事にはどうしようもない。

「あれは魔女を倒した後のことでした。」


 「ヘル、何か来るぞ。」

そう言ったのは初代剣聖アウグストス・トザ・クラスカだ、ヘルが魔女を倒して一分もたっていなかった、そして今ヘルがいる場所は第六大陸、そう呼ばれている場所だ、まだ名前はない。

「あれは、ーーーー様‼」

そう、ものすごいスピードでこちらに向かって飛んできているのは確かにーーーーのはずだった…だが、ドスッ。

「ガハッ。」

アウグストスが腹から血を流し地面に倒れる。

「邪魔なのよ…」

そうーーーーはつぶやいた。

「お前は魔女か。」

「ハハハ、ハハハハハ、そうさ、私は確かに魔女だ、この体は実にいい、もうお前などには負けない。」

「そうか、だと良いな。」

そうヘルが言うとヘルの髪は白色になった、覚醒状態になったのだ。

「ストレスで急に白髪になったか、まあ無理もない…」

ドスッ、ヘルがーーーーの体を突き刺す。

「そうだな、一度倒したはずのやつが目の前に人の体を借りて現れるなんてストレスが溜まる。」

「何か忘れていないか、今私を殺すということはーーーーを殺すということだぞ。」

そうサモルナの体を借りた魔女が言った、そしてーーーーの姿を借りた魔女はさっきヘルから受けた一撃で死んだ、だけどヘルはそれだけでは済ませなかった。

「ブラックシャウト‼」

ヘルがそう言うと空から黒い色の光が何本も降ってくる、そう、完全に魔女を消したのだ、そしてそれを遠くから見ていたバローロスの軍隊はヘルがーーーーを殺したと思って襲った。


 「まあこんな感じの説明です。」

「つまりこれってさ、完全にバローロス王国の勘違いって言うわけだよね。」

「まあそうですね。」

「それだったらさ、バローロス王国が勘違いして襲った、そう説明したらいいんじゃないかな。」

「確かに、誤解を解けばよかったのかもしれませんね。」

まあ何で今までこの人たちはそれに気づかなかったんだろう、それにもう一つだけ不思議なことがある、何でアズモジアの住民、魔族以外がブラックミストの中に入れられたってわかるんだろう。

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