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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第二十九話 聖域へ呼び出された理由

 こんな世界に連れてこられた理由か、考えていなかったな、だけど今その理由を教えてくれるのか、まあ早く元の世界に帰りたいが説明してもらったほうがいいから話だけでも聞いておこうか、アルリーゴも椅子へ座った。

「それではお話ししましょう。」

「ああ、頼む。」

これでしょうもない理由だったらこの世界を消して帰ろうか、ホワイトミストを使えばできない事ではないしな、見た感じこの場所はブラックミストの中みたいだし手間がかかるな。

「では最初からお話しします、魔女がこの世界で一番広い…」

「ちょ、ちょっと待ってくれ、この世界にも魔女がいたのか。」

アルリーゴはため息をついた。

「そうですか、何も知らないんですか、それでは、この世界はあなたのいた世界からしたら裏世界です。」

裏世界か、それなら魔女がいたということもわかる。

「そうか、それで。」

「約460年前魔女がこの世界で一番広い大陸を喰らいました、それで魔女が危険と判断されそれから約五年後魔女はヘルさん、あなたによって殺されるんです、ですが問題はそのあとの…どうしたんですか。」

「いや、私の世界では400年前に魔女を封印したんだが…それにその大陸の近くには結界が張られている、まあ誰が張った結界かは知らないが、魔女が張ったと言われているがそれだと矛盾しないか。」

「まあこちらの世界とあなたの世界は別ですからね。」

そうか、いや、こっちの世界はどうやら私の世界とかなり違うみたいだな。

「では説明に戻ります、その問題と言うのがヘルさん、あなたなんです、正確にはこちらの世界のヘルさんに問題があるのですが。」

「それはどういうことだ。」

「魔女を殺したあなたは中央の国バローロスから襲撃を受けます。」

「襲撃か…で、結果は。」

「一人でバローロス王国の兵を全滅に追い込みました。」

いや、それってバローロス王国に問題があるんじゃないか、話を聞いている感じこの世界の私は何も悪くないぞ、正当防衛って言うやつだろ、別に全滅させたところで何も問題はないだろ。

「まあ全滅まで一人で追い込んだことによりあなたは殺してもいいものと判断されます、そして魔女を殺した場所第六大陸目の大陸から出られないようにしたにもかかわらずあなたはアズモジアへと帰りました、そして今はあなたたち魔族以外がこうしてブラックミスト内に閉じ込められているわけです、だからどうにかしてこの世界のあなたをどうにかしてください。」

「自分の世界のことだろ、私は何もしないぞ。」

「そう言うと思ってこちらも準備していたんです、アルフレッド、あれを持ってきてくれ。」

「あー、この前のやつですか。」

「ああそうだ。」

アルフレッドが奥のほうへと消えていった。

「悪いが少しだけ待っていてくれ。」

何を取りに行ったんだろう、聞いてみようか。

「一体何を取りに行ったんだ、お金か。」

「いえ、お金などよりそちらの世界では価値のあるものです、まあ私たちのこの世界では無価値ですがね。」

どういうことだ、私たちの世界では価値がある、だけどこの世界だと価値がない、そんなものあったか、分からないな、実物を見ないと何とも言えないな、まあブラックミストを解いてくれって言われたぐらいだったらやるけどこの世界の私を止めろって言うのはちょっとな…

「お持ちしました。」

丁寧に白い色の布でくるまれた何かが出てきた、おいおいこの世界で価値のないものにそこまでするのか。

「ヘルさんどうぞお持ちください。」

そう言われて白い布から剣を取り出し私に渡してきた。

「これは…」

「魔女を殺すことのできる武器ネデットです、魔女のいないこの世界では鉄の剣と同じぐらいの価値ですね。」

これがもし本当にネデットだとしたら持って帰りたいが本物かどうかは見ただけだとわからないしな。

「アルフレッド、ネデットを持ちなさい。」

そう言われるとアルフレッドが私のほうへ歩いてきた。

「失礼します。」

そう言ってアルフレッドは私からネデットを受け取った、まあ本物かどうかは知らないけど。

「では実際にネデットの能力を使います。」

いや、知らないよ、ネデットの能力って何、まあ初代剣聖のアウグストスがネデットについて何か言っていたな、アルフレッドが目をつむったその時だった、剣が光大剣に変わった。

「これがネデットの能力です、使い手に一番合う武器に代わります、アルフレッドそれを私に少し貸してくれ。」

「どうぞ。」

アルリーゴがアルフレッドからネデットを受け取った、まあよくわからないけど本物なんだろうたぶん、だけどこれって剣以外のものに変わったりするのかな、アルリーゴが目をつむるとネデットが大剣から鎌へと姿を変えた、いや、剣以外にも変わるのか、まあ知りたいことは知れたそれにだ、私のいる世界ではまだネデットは見つかっていない、これは受けるしかないだろう、いや、まずこの世界での私は意識だけの存在、持って帰ることができるか聞いてみるのが先だな。

「さあヘルさん、この世界のあなたを止めてきてくれればこれを差し上げます、どうしますか。」

「それってちゃんと私たちの世界に持って帰れるのか。」

「はい、持って帰れますよ。」

「なら受けよう、ただ何をしたらいいかよくわからない、それだけ教えてくれ。」

「はあ。」

アルリーゴがため息をついた。

「分かりました、説明しましょう。」

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