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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第二十六話 聖域へ

 まあベルクがお城を建て替えてくれているわけだがもう少しとか言っていたが半分ぐらいしか終わってないぞ、あと半分か、待っていたほうがいいのか。

「なあベルク、書類をここにおいて行ってもいいか。」

「あ、はい、いいですよ。」

一応相手から返事をもらっておくのが礼儀、まあ断られても置いて行ってたけど。

「ヘル、じゃあ行くか。」

「そうだな、聖域に行くか。」

「あの、お城建て終わりましたよ。」

急にスピードあげたな、絶対こいつスピードあげて急いで作ったよな。

「見た目は今のままでいいですか。」

「ああ、それでいいよ。」

「それじゃあ私は書類を置いて待っておくのでお二人はどうぞ聖域へ向かってください。」

「うん、行ってくるよ、最悪の場合ウロボロスを殺すことになるかもしれないから長くなるかもしれない。」

「分かりました。」

「ヘル、行こうか。」

「ああ、行こうベルゼブブ。」

そう言って私はベルゼブブと歩き出した。

「そう言えば聖域って簡単に行けたっけ。」

「確か一年に一回しか通路は作らないはずだから無理だと思うよ。」

「そうか、だったら飛んでいこうか。」

「まあそれなら大丈夫か。」

私はベルゼブブの手を握って飛んだ。

「ヘル、一人で飛べるから別にいいんだけど。」

「そ、そうか、なら離すぞ。」

聖域の周りは結界が張られていては入れる場所は限られている、ウロボロスみたいにでかいのは入れないと思うんだけどな、もし魔女教徒が聖域を拠点としていた場合話は変わってくるな、だけどそれだとゲエルの爺はどうなっている、あいつがあんな奴らにやられるとは思えない、全ては行ってみないとわからないか。

「ヘル、もうすぐ入り口に着くと思うけど何か感じたりしないか。」

「いや、特に何も。」

「あれはワイバーン、厄介な相手に出くわしたな、どうする。」

「目の前の障害は何であれ乗り越えていく、そうじゃなかった。」

「いいや、昔からそうだった、やるか。」

「滅槍・ロンギヌス‼」

「破滅の象徴、黒の剣シュマルド‼」

「やるか。」

「ああ、行こう。」

私は槍を持ってワイバーンに向かって突っ込んでいった、槍をワイバーンにさして後ろへ向かって思いっきり槍ごとワイバーンを投げる。

「ナイスパス。」

ベルゼブブが思いっきり剣を振る、血が飛び散りワイバーンが真っ二つに斬れる。

「こんなものか。」

「槍ごと斬られそうで怖かったけどね。」

「そんなにこの槍はもろくないだろ。」

「そうね、行きましょうか。」

ちなみに私たちが使う武器は魔法武器と言って、召喚することで使うことができる持ち運ばなくてもいい武器よ、壊れても自然のマナを使って修復されるから斬られたところで問題のない武器、そもそも魔法武器を壊したりする人はいないけれどね。

「聖域への入り口は空いているな、入るぞ。」

私はベルゼブブと聖域の中へと入っていった。

『遅かったな、もう少しでこの爺も死ぬところだったのにな。』

「どうやら早く来て正解だったみたいだな、それと今私は機嫌がかなり悪い、うっかり殺してしまうかもしれないぞ。」

「ヘル、今はダメだ。」

『はっ、魔族が我を殺すだと、笑止貴様のような奴が我を殺せるはずがないじゃないか。』

「そんなことやってみないとわからないじゃない、ホワイトミスト‼」

「爺、離れるぞ‼ここにいたら俺たちも巻き込まれる。」

ベルゼブブがゲエルの爺と離れていく。

『これは、あり得ない、魔族ごときがこんな力を持つなんて。』

「そうか、私からしたらこれで普通なのよ。」

前とおんなじようにホワイトミストで大量に剣を作りウロボロスの上から囲うように配置、ホワイトミストは術者には当たらないから存在が消えることはない。

『やめろ、やめてくれ…』

ズドォーン‼

「これが私たち魔族の本気だ、まあもう死んでいるか。」

「ヘル、やったのか。」

紫色のつららのようなものが上から落ちてきた、ズドォーン‼

『我はこの程度では死なんぞ、魔族、お前の負けだ。』

「残念だったな、一発も当たってないぞ。」

『なぜだ、なぜ、なぜ貴様は死なん。』

「娘と約束したからだ、こんなところで死ぬわけにはいかない。」

ズドォーン‼ウロボロスが真っ二つに斬られる。

「もう少しで倒せたところで悪いけど君がもうその娘に会うことはないよ、ヘル。」

「お前は魔女教徒か、なぜこんなことを。」

「ここで死ぬお前がそれを知る必要はないだろう、だが私は魔女教徒ではない、魔女の指先だ、もう大罪司教なんていないぞ、それにもう魔女教なんてない、私が指先以外の全員殺したからな、だがビドンメだったか、あいつだけ見当たらなくてな、どこへ逃げていったんだろうなぁ‼」

「悪魔め…」

「魔族に悪魔と言われる日が来るなんて思ってもいませんでしたよ。」

私は剣をホワイトミストで作り手に持った。

「その程度の剣で私を殺せるとでも思っているのですか。」

「いいや、無理だな、私は弱いからな。」

「だったら今すぐ死ね‼」

そう言ってこっちへ走ってきた、私はホワイトミストを自分の周りに張った。

「へー、バリアみたいにその技を使っちゃうんだ。」

そう言いながらゆっくりと歩いてくる、バシュッ、指先といった奴に向かって黒いつららの様なものが飛んでいく。

「その爺とおとなしくしていたらいいのに、先にお前たちから殺してやるよ‼」

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