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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第二十二話 ヘルの力

 さあウロボロスよ、これで私のテリトリーに入ってきたな、まずは招待した側としてあいさつをしないとな。

「ようこそ、私のテリトリーに。」

『グギャァァァァァ‼』

「それじゃあまずはその龍の能力を消させてもらおうか。」

出来れば黒色の霧を出す能力も消したいがこの空間の中だと出すことができないみたいだからそれはいいか、それでは始めようか、まずは軽く一発蹴る、そこから思いっきり殴る、結構殴ると痛かったんだ。

『グギャァァァァァ‼』

「うるさい。」

縦に回転しながら一発蹴る、ウロボロスが下に落ちてくるところを急いで下に移動して下からこぶしで突き上げる、かなり効いてるはずなんだけど、こっちもやるたびにかなり痛い、うろこが結構固いみたいだな、次に会うときはちゃんと倒すから覚えておかないと、バシュッ、毒の霧か。

「ホワイトミスト‼」

自分より前にできるだけ平べったく出す、これで毒の霧は消滅したな、もうそろそろ魔法を使うか、この状態にもそろそろ慣れてきた、だけど流石に魔女を封印した時から使っていないから前よりは弱い、まあ風属性の魔法ならあんまり使ってないけど制御ぐらいはできるだろう。

「ブラストウィンド‼」

これでどうだ、ビチャッ、ウロボロスの血が飛び散る。

「ごめんごめん、魔法使うの久しぶりだったから手加減とかできなかった…ハイドーン。」

これでどうだ、謝りながら近づいて傷口を思いっきり殴る。

『グギャァァァァァ‼』

「だから、さっきからうるさいって言ってるじゃない‼」

ズドォーン‼これは流石にやりすぎたかな、死んでないよね、間違えて死んでたとかだったら本当に時間を巻き戻さないといけないレベル、まあ傷口を蹴ったわけじゃないから多分生きてるはず。

『我を痛めつけるのは貴様か…貴様なのか‼』

ウロボロスってしゃべれるのか、まさか今から第二ラウンドとか言わないよね。

「ああ、そうです、そうですよ、まあ急に私の国に来たのは君じゃない。」

『許さない、魔族ごときがこの私の力を圧倒するなど。』

「どうやら不本意ながら君を殺さないといけないみたいだね。」

『我を殺すだと、貴様などには到底できないと思うがな』

「ホワイトミスト‼」

これは存在自体を消滅させる技だ、もしこれを剣の形にして持つことができたとしたら、そう考えて編み出した技だ、私はブリナキアにこの技を教えるまで死ぬことはできない、必ず倒す、この世界三大驚異最後の一体ウロボロスを。

『はっ、そんな剣を出したところで何ができる、魔族…』

「ならこれを何本か投げつければこの剣の脅威がわかっていただけるでしょうか、ホワイトミスト‼」

そして私は手を前に出した、ホワイトミストが剣の形になるとウロボロスに向かって飛んでいく、ザシュザシュザシュ。

『まさかこれは、貴様ホワイトミストを本当に使えるというのか‼』

「そう、私はホワイトミストとブラックミストを使うことができる。」

『相手が悪い…帰らせてもらおうか。』

「帰らせると思います。」

私はウロボロスの前に大量にホワイトミストで作った剣を配置した。

『なるほど、我か貴様どちらかが死ぬまで戦いを終わらせるつもりはないと、だが我は帰らせてもらおうか。』

ウロボロスがそう言って紫色に光る。

「させるか‼」

ザシュザシュザシュザシュザシュ、ホワイトミストで作った剣がウロボロスに突き刺さる。

『また会おう、魔族…』

ズドォーン‼痛い、いくらなんでもこれはおかしい、あの状態でこんな攻撃ができる力があるなんて。

「くそ、逃げられたか…」

「大丈夫ですかヘル様。」

「大丈夫だ、だが私のブラックミストで作った空間を壊した、あいつをしとめるのは難しいな。」

「そうですね、ですがウロボロスもかなり大きいダメージを負っているかと。」

「そうだなベルク、今回は追い返すのが目的だからな。」

だけどウロボロスがしゃべるのは意外だ、それに普通に会話できるなんて、それと大した耐久力だ、さすが龍とクラーケンの力を移した魔獣、ワイバーンも魔獣にしては強いほうだが三大驚異となればかなり強いな、まあワイバーンの糞も直撃したら即死だけど。

「ヘル、かなり吹っ飛ばされたが大丈夫か。」

「ベルゼブブ‼会いたかった。」

「ヘル様、そろそろ魔女教徒の拠点お探しに出かけたほうがよろしいかと。」

「その必要はない、奴に、ウロボロスに私のしもべを付けておいた、ヘルも怪我をしている、いくら魔族と言えこれだけ飛ばされればそれなりに痛い、今は休んでおいたほうがいいだろう。」

「そうですかベルゼブブ様、分かりましたそれでは王宮へおかえりください。」

「ベルクお前は帰らないのか。」

「壊された建物を元に戻した後に戻ります。」

「そうか、待っておこう。」

もう治り始めてきているな、確か魔女は私のこの状態を覚醒とか言ってたか、まあこれを使ったのは魔女と戦った時が最初か、出来れば二度と使いたくなかった、だけどもう一回使うことになるだろう。

「ヘル、ブリナキアには会えたか、まあ会えたから帰ってきたんだろうが。」

「ちゃんと会えたよ、まあいろいろなところを回っていたら長くなってしまったが。」

「それとヌンタンあいつブリナキアがこの世界に来てすぐの時にはカンザキと言われているのを忘れて暗殺の依頼を受けたみたいだぞ、今は帰ってきているが…」

「よく生きて帰ってきたな、あの子のあの時いた場所ってウォケスト邸ですよね、ウォケストに出会わなかったのかな。」

「怒らないのか、だけど本人はウォケストにやられたと言っていたぞ。」

「怒るも何も同じ魔族だ、仲間の失敗はあとで直せばいいだろう。」

「それもそうだな。」

よくあの攻撃にただのヴァンパイアが耐えれたな、あの人も年だがそこまで腕はなまっていないはずだぞ、自分の屋敷を壊したくないとか言って手加減するような奴じゃないはずだしあとで聞いてみようか。

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