第二十一話 それぞれの思い
アズモジア王国にウロボロスが現れたなんて、いくらあの人でも一人で倒せるとは思えない、それに今ウロボロスには龍とクラーケンの力が足されている、早く塔に行って修行した後にアズモジア王国に行かないといけないな、だけどどうやって私たちで倒す、私たちが言って状況は変わるのか、いや、今はそんなことを考えている場合じゃない、今は悪い方向へと向かっている、だからと言っていい方向に変えることなんてできない今の私にはできない、だから塔に行く、力をつけるために、そしてお母さんの言っていた通りに必要な時以外力を使わなくてもいいように、そのために今私ができることは素振りぐらいだ、まあサックに剣を入れてる状態だとあの攻撃はできないみたいだし船を壊すこともない、適当な回数振ってから寝ようか。
「あんまり無理をしないほうがいいよ、まあ僕はもう寝るんだけど。」
「わかった、おやすみ。」
私がそう言うとクロードは精霊石の中に入っていった、この世界に来ていろいろなことがあった、だけどわからないことだらけだ、自分が魔族だったことはわかった、そしてブラックミストという技がつかえることもわかった、問題は制御できるかどうかといったところか、円形に広げたりしてその範囲内のものを自分の作った空間へといれることができてその空間の中では自分の思い通りになると、無駄に広げすぎていらないものまで入れても困るから必要最低限にできるように練習しないと、それと文字を読めるようになったからこれからはウォケスト邸で働くことができる、そのためにを魔女を倒して平和な世界を取り戻す。
わからないことだらけだ、なぜカンザキいや、ブリナキアはこの世界に今やってきた、なぜ今転送されてきた、そして本人はこの世界に住んでいたことを覚えていなかったということだろ、なんで覚えていなかった、だけど今あいつがこの世界に来てくれたおかげで弱くなっていたとはいえクラーケンを倒すことができた、あいつが一言言ってくれたおかげで本当の力を出すことができた、感謝しないとな、それに今のこの剣術をもっと鍛えないといけないな、クラーケンが弱体化していなかったら倒せていないだろう、マルドネスがあった時のクラーケンはいったいどのぐらい強かったんだ、だけど弱体化していたとは言えかなり強い相手だった、だけどあの相手にマルドネスがやられるとは思えない、その時から違和感はあったがまさか弱体化していたとはな。
私はブリナキアに救われた、あの薄暗い森の中で声をかけただけで元に戻らなかった私をちゃんと元に戻してくれていた、私が狂気化していて見たものをすべて殺してしまうにもかかわらずに近づいてきてくれた、まあ蹴られて、剣が入った状態のサックでたたかれて、それでやっと戻ったみたいだけど、だけどあの時ブリナキアは自分のほうが危ない状態にあった、それなのに自分のことを考えずに私のことを背負って屋敷に帰ろうとしてくれた、それに村に着く前だって嵐が来て龍が見える場所にいて危険だし勝てるかもわからない相手なのに私たちのことを危険にさらしたくないからと言って龍をたった三回剣を振っただけで倒すし本当にすごいと思う、それに船の上でもアランさんがクラーケンを見てビビっていて私は倒せないとか言って見放すことを言ったけどアランさんを勇気付けてその結果アランさんは友達の仇であるクラーケンを倒すことができた、本当にすごい人だと私は思います、そしてこれから役に立つために狂気化しても狙ったものしか攻撃しないようにしないといけない。
「さあウロボロスよ…私が本気を出すのは魔女を封印した時以来だ、だから手加減などできないが最初から本気を出すこともできない、苦しんで死ぬことになるだろう。」
「あれが、女王ヘル様の本気、いつもお城にいるときとは違う、髪の毛の色もなぜか白い、姿も少し変わるということか。」
国に帰ってきてすぐだ、それでいきなりこんなやつに会うとは、まあとりあえずは追い返すことを考えて攻撃しよう、こいつを倒すと魔女教徒達が私を狙いに来る、こいつを倒すのは魔女が復活する少し前、体を少しだけ細く切るのも面白そうだ、だけどそれをしたら追い返すというか殺してしまいそうだ、そうだな、肉に少し届くぐらいで攻撃しようか、もし龍の特徴が入っているとしたら魔法は効かない、まずはブラックミスト内に入れてその効果を消す、それから風の魔法をできるだけ軽く当てる、ここで殺してしまってもいいが魔女教徒にこの国が狙われるのだけは勘弁だ、さあ始めようか。
「ブラックミスト‼」
よし、ちゃんと発動している、まずは霧に隠れて姿が見えないから霧を消す効果を付けてホワイトミストをブラックミストの範囲内で使おうか。
「ホワイトミスト‼」
よし、これで今私がいる場所からウロボロスの出した黒色の霧は消えて見える、これで居場所が分かった、さあブラックミストの空間の中に入ってこい。
「ミストチェーン‼」
これでブラックミストの範囲内に引きずり込んでやる、ブラックミスト内なら相手の攻撃する力を操ったり一部の能力を消したりできる、つまり呼び込む側のほうが有利に戦うことができる、だけどこれだけでかい相手とこの中で戦うのは初めてだ、さあ入ってくるがいい私のテリトリーに。
「ヘル様は何かを仕掛けるみたいだ、だけどあんな建物の残骸の上でウロボロスを狙うなんて、いくらあのヘル様でも距離的に無理がある、それにウロボロスがどこにいるかなんてこの霧の中だと見えない、一体どうやって戦うつもりなんだ。」
「黙ってみてろ、あれが私の妻の力だ。」
「ベルゼブブ様、分かりました。」
ズドォーン‼
「来たなでかぶつが‼」
「なんか口悪くないですか。」
「あれでいいんだ、あれで。」
これでウロボロスは私の出したブラックミストの範囲内にいるさあ呼び込もうか地獄へ。




