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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第十六話 船に乗ろう

 まあルーシャ村にはこうして無事についたわけだが、問題はここからだ、海も安全ではない、クラーケンと言っていたからおそらくイカだろう、海での戦い方は知らない、もしであったら最後船ごと沈められるだろうまあ戦い方を知っていたところで船ごと沈められれば同じことなんだけど。

「カンザキ、船に乗るぞ。」

アランがそう言った。

「カンザキ、これからはヨウって呼んでもいい。」

ウルナがそう言った、確かにカンザキだとあまりしっくりこない。

「いいよ。」

私はそう返した、だけどこの感じでいくとクラーケンに会いそうな気がする、まあ気にしないほうがいいだろう、どんな相手に会ったとしても私の気持ちは変わらない、一度会ったことのある人が誰も傷つかずに笑ってハッピーエンドだ、だけどみんなが笑って暮らせるようになるのは遠そうだ、魔女教をどうにかしない事には始まらない。

「カンザキ、魔女教が今動いてるのは魔女の封印を解くためだ、封印された場所はいくら探してもわからなかった、だけど魔女教が集まってるところからわかったんだ、北の国に魔女が封印されているはずだ、魔女自体の力は小さいだけど魔女の指先そう呼ばれる部隊に自分の力を分けている、それが集まれば海が割られるということだけでは済まないだろう、だから大罪司教より指先を倒すことを今は優先しよう。」

クロードがそうテレパシーか何かで話しかけてきた、まあ直接心にでも話しかけてるんだろう。

「わかりました、指先っていうことは魔女以外の十人を倒せば楽に魔女が倒せるっていうことですね。」

私はクロードにそう返した。

「魔女は不老不死だ、魔族も大きく体を損傷しなければ死なない、まあ君は人間だ、だからもちろん死ぬよ、それでもこの世界を守りたいっていうなら戦えばいい、まあ不老不死の相手を倒すならネデットという伝説の剣を使うしかない、まあどこにあるかも謎だけどね。」

そうクロードが言った、つまりどこにあるかもわからない剣を探さないと勝ち目はないっていうことか、まあ心の中にあるとかそんなんじゃないことを祈っておくか。

「ただネデットは初代剣聖でも抜けなかった、そう言われているよ、魔女が封印で済んでいるということがその証拠だ、ネデットが認めた人しか抜くことができない、もし抜けなかったら今持ってる剣で戦うことになるよ。」

クロードがそう続けた、私は船に乗った。

 まあよくこんな大きいものが水に浮くよな、こっちの世界のほうが発展してそうだな。

「カンザキ、この前渡した本で文字の勉強をしておこう。」

クロードにそう言われた、精霊石からクロードが出てくる。

「はい、紙とペン。」

そうクロードは言って私に神とペンを渡してきた。

「それじゃあ僕とカンザキは中で勉強しておくよ。」

クロードはそう言って私を船の中へと案内してくれた。

「これは五十音順で文字が書かれているよ、どの国に行っても文字は一緒だからこの本に書いてる文字を覚えるだけでどこでも生活できるよ。」

そう言ってクロードは一番上の段の左端の文字から書いていくように私に指示した、と言っても字が読めないっていう時点で字を覚えるのも難しいんだけど、鋭角文字って言ってたっけ、なめてた、だいぶかくかくしてる、三角形の途中まで書いて線を引いてるのとかはまだわかるけど書いててごちゃごちゃしてくる、これは勉強しても覚えれない気がする、ガシャァァン、きたよ、絶対クラーケンだ。

「カンザキ、見に行ってみよう。」

そうクロードが言ったので私は本とペンと紙を鞄に急いで入れて外へ出た。

 何か青紫色の触手が海から出てきている。

「カンザキ、クラーケンだ、剣を抜け、ここで殺らなきゃ沈められる。」

アランがそう言った、私は剣を抜いた、ここに乗っているのは私たち以外にもたくさんの人がいる、私の技を見せてビビらせないように普通に斬る、私は剣を持って空中で一回転した、触手が一本船の上に落ちる。

「おお‼」

歓声が上がる、本体のイカが見えない、足を上に出してきているだけだ。

「カンザキ、あの技を使え‼頼む、友を殺したあいつをやってくれ。」

アランがそう言った。

「それならアラン、あなたも騎士なら少しは手伝ってください。」

私はそう言った、まあ言わないほうがよかったことはわかっている、だけど自分でやったほうがいいかどうかぐらいは私にも判断できる。

「なら、この船が沈められそうになったらその時はお前の力を貸してくれ。」

そう言ってアランは剣を抜き海の中へと潜っていった、私は船を狙ってくる触手を早く斬るために船で一番高いところへ向かった。

「ヨウ‼、私の剣を使って。」

そう言ってウルナが走って私のほうへ来る。

「この剣は長いしよく曲がる、今が使い時だと思うの、だからお願い、受け取って。」

ウルナがそう言って剣を袋から出して私のほうへ出してくる、これは受け取るしかない、この剣術がつかえてもここにいる人のほうへ間違えて飛ばしたときのことを考えて売っていない、この縛りの中でリーチを伸ばせるということはかなり大きい、私は自分の剣をサックに入れウルナの剣を受け取った。

「これを使わせてもらうよ。」

私はウルナにそう言った、だけどどうやってここから上に登る、上を見上げると真上に触手があった、私は剣を振った、結構重たい、ドサッ、触手が落ちてくる。

「この剣って振り回したほうがいいんじゃないかな。」

私はそうクロードに聞いた。

「そうだね、その使い方が正しい使い方だと思うよ。」

クロードがそう言った、アランはいったいどうしてるんだ、ザバァァァン大きな水しぶきが上がる。

「無駄にでかいだけのイカが‼」

そうアランが言った。

「アルガータストライク‼」

アランがそう叫ぶとまぶしい光が辺りを包む、ザバァァァン、そう音が鳴り大きい水しぶきが上がった、そして当たりの水は赤色に染まった。

「カンザキ、触手が船を‼」

クロードがそう言った、アランのほうを見ている間に船に触手が巻かれていたみたいだ、私はウルナから渡してもらった剣を置き自分の剣を抜いた、狙いは触手、それ以外を切らないように、私はそう考え剣を振った、バシュッ、触手がちぎれる、ザバァァァン、触手が海に落ちる。

「やった、クラーケンを倒した。」

クロードがそう言った、バキッ、そう音が鳴った、やばい、やばいって、ザバァァァン、沈んだのか、ははは、やっぱり力の加減が難しい技だ。


 死んだのか。

「カンザキ、大丈夫、ここから上がれそう。」

クロードがそう言った、ああ、このまま沈んでいきここで死んでここからやり直しなのか、クラーケンを倒さない限り次には進めない、だけど私がこの船であの剣術を使うと船が沈む、アランに任せるのが一番か、それにしても力加減が難しすぎる、触手を斬るだけのつもりが船まで斬っていたとは、ただの馬鹿だな。

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