第七話 王都シンサッジへの道
朝になった、横のこのいいにおいがするのは誰だろう、気になって私を横を見る、すると横にはウルナがいた、そういえば昨日イエルを怒らせたから布団を二枚使っていいって言って、ウルナと私でベットで寝ることになったんだよね。
「起きましたかカンザキさん、どうして領主である私がベットで寝られずに布団で寝ないといけないんですか私が何かしたんですか。」
ウォケストさんが地味に怒りながら言っているが後ろには少し小さめのベットがある。
「ウォケストさん一応ベットで寝れたんじゃないんですか。」
「これは私が転移魔法を使ったからできたものだよ、それとお金はちゃんとカバンに入れておいたよ、それとウルナの剣を買えるように少し増やしておいたよ、それじゃあもう一度転移魔法を使って入れ替えますよ。」
そう言ってウォケストさんは転移魔法を使い自分がベットで寝ていたという証拠をなくした、というかあのウルナが使ってた剣って売ってるんだ。
「カンザキさん起きてたんですか。」
そうウルナが私のほうを向いて言った、今から朝ご飯を作る気かな、まあ起こさなかったのも悪いんだけど、ウォケストさんが手を振る、残っていた布団が消え机といすが出てくる、イエルとアランさんは床で寝ている状態だ。
「なんか冷たくなったわね。」
そう言ってイエルが起きる。
「アランさんも起こしてあげて。」
ウォケストさんがそういうとイエルがアランさんの顔をたたいた。
「痛い‼」
そう言ってアランさんが起きた。
「それじゃあ朝ごはんにしましょう。」
ウォケストさんがそう言った後みんなで席に着いた。
「これは昨日ウルナが作ったものだよカンザキさん。」
ウォケストさんがそう言った、昨日作ったということは晩御飯を作ってる時に一緒に作ったということかな。
「冷めてもおいしいですね。」
「ありがとうございます。」
そう言って笑顔を見せる。
「戦術とかはあるんですか。」
私はアランさんにそう聞いた。
「戦術はない、どうやっても勝てない相手ならいるが。」
そうアランさんが言った、おそらく五層より上に行ったことがないと言っていたので五層にいる人のことだろう、それだけ五層にいる人は強いということなのかな私はそう考えながら朝ご飯を食べた、それにしてもこの世界に来て今日で三日か、一日目の夜に襲撃があって、二日目にはウルナが狂気化して殺されかけた、きれいな面より残酷な面を多く見てる気がする、というより個人的には早く塔に行きたい。
「食べ終わりましたか、それじゃあかたずけてから降りるので、下で待っていてください。」
「ウルナ、その必要はないわ、今すぐ行ってきなさい。」
イエルがそう言った。
「それじゃあ私たちは行こうか。」
アランさんがそう言った。
私たち三人は着替えるために部屋に帰ってきた、とういうか本当にお金が入ってそうな袋が鞄の中にある。
「カンザキさん、出発しましょうか。」
そうウルナが言った。
「そうですね、そろそろ出ましょうか。」
というわけで私は着替えてから剣と鞄を持ち部屋から出た、ウルナは鞄を持っているだけだ、アランさんは鞄と剣を持っている。
「向かうのは東の大陸の試練の塔だ、船酔いする人はいないか。」
「船に乗ったことがないので何とも言えません。」
私はそう答えた。
「私もわかりません。」
ウルナもそう言った。
「そうか、なら一応酔い止めを買っていくか。」
とアランさんが言った、ウルナが船に乗ったことがないのは意外だ、というかこの世界にも船ってあるんだな、空以外にもなんか島みたいなものが浮いてるけど。
私たちは魔車『ましゃ』と呼ばれている馬車の後ろの部分に乗り込んだ、行き先を思い浮かべればそこまで行ってくれるそうだ。
「とりあえずは王都シンサッジへ向かう、それでいいな。」
「はい。」
まあ一応窓の外を見ておくか、ウルナの剣が見えるかもしれないし、いや、さすがにそこまでうまく事は運ばないか、ウォケストさんは少し増やしておいたと言っていたがどのぐらい増えてるんだ、鞄に入ってるんだよな、地図と、水、それと、袋、この中に正金貨が入っているのか、見た感じ三十枚ぐらい入ってるんですけど、というかそれより多そうな気がする。
「カンザキさんそれはどうしたんですか。」
「これはウォケストさんからウルナの剣と勉強するために本を買うようにって渡されました。」
まあ明らかに多いのはこの世界に来てすぐの私でもわかる。
「なるほど、少し持たせてください。」
そう言われたのでウルナに袋を私は渡した。
「四十五枚といったところでしょうか、船代を入れたとしてもかなり余りますね。」
ウルナはそう言った、やっぱり多すぎるよな。
「おいおい、なんでそんなに持ってるんだ。」
アランさんがそう聞いてきた。
「本とウルナの武器を買うためです。」
そう私は言った。
「まああの武器は龍の骨を使っているからな、それだけ値が張るか、だが本を買うだけでそんなに使わないだろ。」
アランさんはそう言った。
「精霊との契約書も買えばいいじゃないですか。」
ウルナがそう言った、契約書って何だろうという疑問がわいてきた。
「契約書って何ですか。」
私は気になったからウルナに聞いた。
「精霊と契約するものよ、まあアランさんみたいに微精霊を使う人はいらないんだけど、サモルナ様みたいに大精霊と契約するときに使うんですよ、まあカンザキさんが精霊と仲良くできそうなら買うということでどうですか。」
ウルナはそう言った、アランさんがため息をつく。
「それでも正金貨十五枚は余るぞ、それにこの辺りに大精霊が住んでいるとも限らないだろ。」
アランさんがそう言った、その時窓から何か入ってくる。
「やあ、僕はクロード、風の大精霊だよ。」
窓から入ってきた鳥はそう言った。流石に私でもこう思った、うまく事が運びすぎだと。




