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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第五話 出発前夜①

 まあ、いろいろ大変なことがあったが、アランさんの提案によって私とウルナの二人、そして自称精霊騎士であるアランさんと東の大陸にあるという塔に登ることになった、まあまだ昼だし、時間はある、私も病み上がりだしもう少し休む時間が欲しかったのでちょうどよかった。

「カンザキさんはどうして私なんかを助けたんですか。」

「何でだろうね、自分でもわからないよ、この世界に来てまだ一日しかたっていない、わからないことだらけだよ。」

「私が言うことではないと思うのですが、カンザキさんはかなり強いと思いますよ、ウォケスト様からは話を聞いただけですが、剣を振ると射程に関係なく攻撃を当てられるそうじゃないですか。」

そんなのは別にすごくないと思う、だってその技を使っても勝てそうにない相手だっていたんだ、もう時間を巻き戻さなくてもいいぐらい強くなりたい、私と過ごした時間を時間を巻き戻せばほかの人は忘れてしまう、そんなのは嫌だ、私はみんなに私と過ごした時間を忘れてほしくないだから、死なないぐらいに強くなる。

「カンザキさん、あなたは強くなりますよ、私よりも…」

「そんなことはないですよ、アランさんのほうが強いままだと思います。」

「カンザキさん、もし私たちが邪魔だと思ったら私たちを置いて上の階に行ってください。」

「そんなことはできません、その塔がどういうものかは知りません、でももし私が先に行けるようなことがあったとしても私は二人を待ちますよ。」

「カンザキさん、それにアランさん、迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします。」

そうウルナは言った、だけど迷惑をかけるとしたら病み上がりの私だ。

「そう言えばどうして出発は今日じゃないんですか。」

「街道に龍が出ているのよ。」

そうイエルが言う、だがアランさんは来た。

「アランさんはどうやってここに来たんですか。」

「私は森を通ってきました。」

森を通ってきたって言ってもここの森は広いから迷いそうだ、わたしもうるなをさがしにもりのなかにはいったがもしウルナがいなければ死んでいただろう、まあ通ってきたと言っているのだから信じるし、龍が出てて街道が通れないならなおさらだ、ただそれならサモルナはどうやって王都に行ったんだ。

「イエル、サモルナはどうやって王都に行ったんだ。」

「ザキ、それはあのガルネという人と同じような方法よ。」

「なら龍と会うことはないんですよね。」

「ええ、その心配はないわザキ。」

よかった、ただここにイエルだけを残していってもいいものなのか、まあウルナが来る前からいてただろうしたぶん大丈夫だろう。

「もうすぐご飯の時間ね、ウルナ作ってザキの部屋に持ってきてくれる。」

「まさか今向かってるのって私の部屋。」

「あらいつからザキの部屋になったの、あそこは客室よ、本当だったらウルナの横の部屋に入れたかったけど倒れたから魔法で部屋のがれきを戻して穴を埋めてあげたのよ、感謝しなさい。」

かなり上からだな、でもイエルが部屋を直してくれたのは本当みたいだし感謝しないといけないな。

「ありがとうイエル。」

「ザキ、着いたわ、部屋を開けなさい。」

なぜそんなに上から目線、まあ開けるけど、ガチャ、よしなにも変わってない。

「じゃあアラン二階から机を運んできてくれる、ザキは椅子を運んできて、私はその間寝るわ。」

自由すぎるだろ。

 私はアランさんと階段を上っていく、イエルはあの後ベットに入って本当に寝てしまった。

「カンザキさん、自分の荷物は自分で持っていてください、東の大陸につくまでが安全というわけではないですから、それに途中で船に乗り換えることになりますが。」

「わかりました、自分の荷物は自分で持っておきましょう。」

「大罪司教ではなく指先が自ら命令したというのがわかりません、カンザキさんはわかりますか。」

「わからないですね、魔女教というのもよくわからないので。」

魔女教がなにかもわからないしこの世界ではわからないことしかない、だがあまりよくないものということはわかる。

「大罪司教自ら来る可能性があるので東の大陸につくまでは注意を。」

「わかりました。」

そう言って私は椅子を重ねる、両手に持って降りる考えだ。

「女なのに頑張るね。」

アランさんにそう言われた、だけどここの椅子は軽いから普通に持てた。

 私はアランさんと一階に降りる。

「明日天気が良ければいいですね。」

私はそうアランさんに言った。

「そうですね。」

そうかえってきた、そう言えば机といすはどこに置くのだろうか。

「この辺りに置きましょうか。」

アランさんがそういって部屋の中央に机を置いた、私は黙ってその周りに椅子を置いた、ガチャ、ウルナが入ってきた。

「領主ウォケスト様がお見えになりました、椅子をもう一つ持ってきておいてください。」

ウルナはそう言って部屋から出ていった、よくこの雨の中家から出ていくものだ、まあ私が言えたことではないが、ガチャ、ウォケストさんが入ってくる。

「これはこれは、今日はここでご飯を食べるというのですか。」

「今椅子をお持ちします。」

「いや、大丈夫だよ。」

そう言ってウォケストさんが手を振ると椅子が出てきた。

「これが転移魔法というものだよ。」

魔法ってこんな便利なものだっけ、でもマナがいるからそこまで便利なものではないのかな。

「サモルナ様はもう少し王都にいると言っていたよ。」

どうやら最初に会った時のあれは話しやすくしようとしてくれていたみたいだ、まあずっとあんな感じだとここで働きたくなくなるしね、ガチャ、ドアが開きウルナの姿が見える。

「晩御飯ができました。」

そう言ってウルナは机に晩御飯を置く。

「じゃあ皆さん椅子に座ってください」

ウォケストさんがそう言った、みんなが椅子に座る。

「いただきます。」

みんなでそう言って手を合わせた。

「ザキは言葉の勉強をしながら塔を上るといいわ、王都で何か本を買っていきなさい。」

イエルがそういった、そんな余裕があればいいけど。

「なめられたものですね、私でも五層より上は行ったことがないんですよ。」

アランさんがそういった。

「私は言ったことがないので何とも言えません、まあ頑張ってきてください。」

そうウォケストさんが言った、まあ言われなくても頑張るしたぶん無理もするだろう、ただアランさんがどれだけ強いのかは分からないけどアランさんでも五層までしか登れないんだから気を引き締めていかないといけないな。

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