第二話 城の地下へ
お城の中へと移動したウォル、ウォルは辺りを見回す。
「ベルゼブブの部屋ねぇ…」
ウォルはそう言って廊下を歩いていく、するとものすごい速さで何かがウォルの横を通り過ぎ頭にかぶっている帽子が飛ばされる、するとウォルが左手に持っている杖を何度か床にあてる、すると帽子が頭の上に戻り通り過ぎていった何かがウォルの横に現れる。
「確かゴビビさんでしたっけ。」
ウォルはそう言いながら自分の横で止まっている人物の服の襟を掴む。
「ああ、そうだ、それより放せ‼」
「嫌だと言ったらどうしますか。」
ウォルはそう捕まえているゴビビに向かって問いかける。
「今ここでおまえを殺す。」
ゴビビがそう言うとウォルはなぜか感心している様子だ。
「僕を殺す…面白い冗談ですね。」
ウォルはそう言った後ゴビビを廊下の壁にあてる、すると廊下の壁に穴が開きゴビビは城の外へと投げ出される。そして城の外へと投げ出されたゴビビは外からウォルのことをじっと見つめる、そしてゴビビはなぜか誰かと話していたわけでもないのに頷き自分が出てきたときに空いた穴から城の中へと入る、そしてゴビビはウォルが進んでいったほうへと走っていく。
そのころベルゼブブは城の外へと向かって歩いていた。
「血のにおいがする…」
ベルゼブブはそう言って城の外へと出られるドアを開ける、するとそこには草が枯れた庭、そして草野ところどころに血がついている風景が広がっている。
「まさか…」
ベルゼブブはそう言い地面に膝を下す。
「ハハハ、転移魔法なんかを使って帰ってくるからだ…だからこんなことに…ちゃんと門から帰ってこなかったから…」
ベルゼブブは泣きながらそう言い、何度も地面を殴る、そしてベルゼブブが顔をあげる。
いや、まだヘルやベルクが死んだと決まったわけじゃない、今は生きてると信じよう、だって死んだところを見たわけじゃない、それにこの血だってヘルやベルクのものとも限らない。
ベルゼブブは辺りを見渡す、するとそこには真紅の粉が落ちている、ベルゼブブはその真紅の粉が落ちているほうへと歩いていく。そしてベルゼブブは草の上に落ちている真紅の粉を拾う。
「これはヘルの…」
そう言ってベルゼブブが拾った真紅の粉を離すだがベルゼブブの手には赤い色のものがついている。
「これは血か…」
ベルゼブブはそう言って手についている血をじっと見つめる。
「いや、変なことは考えないでおこう…」
ベルゼブブはそう言ってポケットからハンカチを取り出して手についている血を拭きハンカチをポケットへと入れる。そしてベルゼブブは門の外の街へと向かって歩いていく。
一方城の中にいるウォルは廊下を歩いている。
「ベルゼブブの部屋がどこにあるか聞いてくるべきだったかな。」
ウォルはそうつぶやいて廊下を歩いていく、すると廊下は壁に突き当たるはずなのにまだ続いている。
「おかしい、さっきと奥の壁の距離が違う。」
ウォルはそう言って目を瞑る、そしてウォルが目を開き廊下を少しだけ戻る、そしてウォルは右を向きドアを開ける、するとその部屋は子供部屋だった。
「おかしいな、てっきり大量に本が置いているのかとでも思ったんだけどな…」
ウォルはそう言って子供部屋の中へと入る、するとウォルの前に突然女性が現れる。
「よく私の術を見抜きましたね…」
女性はそう言ってウォルを見る、そして女性は口を大きく開いて驚いている。
「あ、あなたは…なぜこんなところに…」
女性はそう言ってウォルのほうへと近づいていく。
「いや、それより魔法を解いてほしいんだけど…」
ウォルがそう言うと女性は焦っている。そして女性は部屋の端の方へと歩いていき壁を押す、すると壁が開き中から本棚が現れる。そして女性はその本棚から一冊の表紙が青い本を取り出す、そして女性は両手でその本を持ちページをめくっていく。そして女性は手に持っている本をウォルのほうへと向ける、するとウォルは本を見ようと女性のほうへと近づいていく。
「これがここにかかってる魔法です。」
女性がそう言うとウォルは頷いている。
「そういう事か、なら追加でこの魔法をかければ僕みたいに見破れる人が来ても大丈夫だよ。」
ウォルがそう言って右手を振ると当たりが一瞬だけゆがむ。
「この魔法は…」
「名もない魔法さ、隠れるときには使えるけどね。」
ウォルはそう言って部屋から出ようとドアのほうへと歩いていく。
「あっそうだ、魔法を解いてもらわないといけないんだった…」
ウォルはそうつぶやいて女性のほうへと歩いていく。
「何でしょうか。」
女性は本を閉じ本を本棚へと直しながらウォルのほうを向いてそう言う。
「永遠に続く廊下の魔法を解いてほしいんだけど…」
ウォルがそう言うと女性が手を叩く、するとウォルはびくっとする。
「これであなたは廊下を普通に移動できるようになりました、さあ行ってください。」
女性がそう言うとウォルは女性のほうを向いて帽子を脱ぎお辞儀をする、そして帽子をかぶりドアのほうへと歩いていく。
「そうそう、魔女教徒とかってここに来なかった。」
ウォルがそう女性のほうを見て言うと女性は首をかしげる。
「私は何も知らないわ。」
「そう、ありがとう。」
ウォルはそう言ってドアを開け部屋の外へと出る。
「あ、ベルゼブブの部屋を聞くんだった、でもこういう魔法って部屋から一度出ると部屋が変わるんだよな…」
ウォルはそう言って目を瞑るがすぐに目を開き歩き出す。
「自分で探そう、またあの人に会うのもちょっとあれだし…」
ウォルがそう言うとものすごい速さで何かがウォルの横を通り過ぎる、そしてウォルのほうへと通り過ぎたものは戻ってくる、そして戻ってきたものはひざまずく。
「ウォルさん、僕を弟子にしてください。」
ゴビビがそう言うとウォルは首をかしげる。
「何故僕が君を弟子にしないといけないのかな。」
ウォルがそう言うとゴビビは本を取り出す。
「この本は魔女教徒である証です…仲間とのかかわりがなくなるのは残念ですが…」
ゴビビがそう言うとゴビビが手に持っている本が燃える。
「これで弟子にしてくれますか。」
ゴビビはそうウォルに問いかける、だがウォルはそのまま廊下を歩いていく。恐らくゴビビの相手をするよりも自分で歩いたほうがベルゼブブの部屋を見つけるのが早いと思ったのだろう。
「待ってください。」
ゴビビがそう言うとウォルは歩くのをやめゴビビのほうを向く。
「冷たいことを言うようだが君は今魔女教徒を完全に敵に回した、だから魔女教徒から半年逃げ切れば弟子にしてもいいよ。」
ウォルがそう言い終わるとウォルの姿がゴビビの前から消える。
ウォルの家にいるブリナキア達はヘルが寝ているベットの横に座っている。
「ブリナキアさん…」
そう言ってベルクがブリナキアのほうを向く、するとブリナキアは自分のことを指さす。
「それは私のことですか。」
ブリナキアがそう言うとベルクが頷く。
「分かりました。」
今はこの世界が何かわからないからとりあえず今はこの流れに沿ってみようかな…
するとヘルの手が少し動く。
「ヘル様、気が付かれましたか。」
ベルクがそう言ってヘルの手をつかむ、するとヘルが起き上がりあたりを見回す。
「あれっ、私は死んだんじゃ…」
ヘルがそう言った時誰かが家のドアを叩いている音が聞こえる。
「誰ですか。」
「頼む‼襲われているんだ、だから入れてくれ。」
外からそう男の声が聞こえるとベルクがドアを開ける、その時に男性の血が辺りに飛び散る。
「ご苦労様、次はあなたたちの番…」
女性はそう言ってさっきの一撃で死んだ男性を投げ捨てる。その時ベルクがドアを閉めようとすると女性はドアの隙間に手を入れてドアが閉まらないようにする。
「速く離れたほうがいいと思うわよ。」
女性がそう言うと突然ドアが砕け散りベルクが壁に衝突する、それを見たヘルは立ち上がるがすぐにこけてしまう。
「ブリナキア、お前だけでも逃げろ…」
ヘルはそう言って家の外にいる女性を見る。
「お前は…」
「あら、ヘル様、どうしてここに。」
家の外にいる女性は首をかしげてヘルのほうを向いてそう言う。
「いや、それより何であなたがここにいるの、あなたはアズモジアの外には出れないはずよ。」
ヘルがそう言うと外にいる女性は突然笑いだす。
「おかしなことを言うようになったのね、私はプロよ。」
「ああ、変装のプロだっけ。」
ヘルが女性のほうを向いてそう言うと女性は家の中に入ってくる。
「調子に乗るのもいい加減にしろよ…」
女性はそう言って手に持っている短剣をヘルに向かって突き立てる。
「けが人相手に本気を出しちゃうの。」
「殺し屋は手加減なんてしねぇよ、馬鹿かてめぇ。」
「へー、国王に向かっててめぇとか言っちゃうんだ…」
ヘルがそう言うと女性はあきれたのかヘルから離れる、するとヘルが立ち上がる、すると女性はポケットに手を入れて家から出ていこうとする、そしてヘルが走っていくと女性はポケットから手を出す、その手には銃が握られている、そして女性はヘルの方を振り向き銃を向けトリガーを引く、するとヘルのほうへと弾は飛んでいくがその玉は空中で制止する。
「惜しかったね、あとちょっと撃つのが早かったら殺せたのにね。」
ヘルはそう言って空中に止まっている弾を手でつかみそのままつぶす。
「まあ早かったところでこんな感じになって殺せないんだけどね。」
ヘルがそう言うと女性は笑みを浮かべる、そしてそのまま後ろを向いて左手を上にあげてを振る。
今はこれで終わらせる、でも次は必ずここにいる全員を殺す、それをよく覚えておけよ国王様…
女性が家から出ていくとヘルはため息をつく。
「やっと終わったのね…でも何か忘れているような…」
ヘルはそう言ってあたりを見回す。
「あっ、ベルクだ‼」
ヘルはそう言って壁に当たりのびているベルクのほうへと歩いていきベルクの顔を叩く。
「ほら、起きて。」
ヘルがそう言って何度かベルクの顔を叩くとベルクが目を開ける。
「わっ、びっくりした…」
「私のほうがびっくりしたんだけど…」
ヘルはそう言ってじっとベルクの顔を見つめる。
「そうだ、ベルゼブブがそろそろお城に帰ってるはず…」
ヘルはそう言って立ち上がりそのまま家から出ていこうと家の外のほうへと歩いていく、するとベルクがヘルの腕をつかむ。
「何のつもりだ。」
ヘルはベルクのほうを向いてそう言う。
「行ってほしくないんです、お城はもう魔女教徒に占拠されているはずです、だからいかないでください。」
ベルクはそう言うがヘルは家の外へと向かって再び歩き出す。
「何でですか。」
「城がどうなろうとどうだっていい、だけどじぶんの国ぐらいは守らなないといけないでしょ。」
ヘルがそう言うとベルクは握っているヘルの腕を離す。
「分かってくれてよかった。」
ヘルはそう言ってベルクのほうを見てほほ笑み家の外へと出ていく、そして外に出るとそのまま飛んでいく。
ベルゼブブは王都デペキオを歩いている。
「ここまでやつらは来ていないみたいだな…」
ベルゼブブはあるきながらそうつぶやく。
一応周りの確認をしておくべきか、これでもし魔女教徒が忍び込んでたりしたらめんどくさいことになりそうだしな。
ベルゼブブは辺りを見回す、すると黒い服を着た三人組が路地裏へと歩いていくのをベルゼブブは見つける、そしてベルゼブブは歩いてくる人の間を抜けて三人組が入っていった路地へと入っていく、するとそこにはいろいろな大きさの箱が置かれている、そしてところどころに座って何かを売っている人がいる。
「こんな場所は来たことがないな…」
ベルゼブブはそう言い辺りを見回す、すると後ろの方で大きな音が聞こえる、するとベルゼブブは振り返る、するとそこには三人組の姿がある、そして人質かは分からないが女性が捕まっている。ベルゼブブはそれを見て三人組のほうへと走っていく、するとなぜか三人組の周りで砂埃が起き三人組が飛んでいき壁に衝突する、そして壁に衝突して三人はのびている。
当たりに舞っていた砂埃が消えると三人組につかまっていた女性が姿を現す、そして女性はベルゼブブが自分のほうへ走ってきているのを見てベルゼブブから逃げていく。するとベルゼブブはそこで立ち止まる。
「もうやることがないかな…」
ベルゼブブがそう言って路地から出ていこうとするとベルゼブブの周りに突然魔女教徒がベルゼブブを囲うように現れる。だがベルゼブブはそのまま路地から出ようと歩いていく、するとベルゼブブの前に立っている魔女教徒が二人ベルゼブブに向かって走り腰に付けているサックから剣を抜き取り二人が同時にベルゼブブに向かって剣を振る、だがその剣はベルゼブブに当たる前に砕け散る、するとベルゼブブの後ろにいる魔女教徒三人が杖を取り出してその杖をベルゼブブに向ける、するとその杖の先端から握りこぶしほどの大きさの火の玉が現れその日の球がベルゼブブに向かって飛んでいく。
しかしその火の玉の起動が突然それベルゼブブの周りに立っている魔女教徒の服を燃やすように移動する、すると周りの魔女教徒の服が燃え上がり火の玉が消える、そしてベルゼブブは何もなかったかのようにそのまま路地を出ていく。
一方お城ではウォルが豪華な扉の前で立っている。
「ここがベルゼブブの部屋かな…」
ウォルがそう言って扉を触るとウォルの手がはじかれる。
「魔法か…」
ウォルはそうつぶやきじっと扉を見つめる、そして扉の中心あたりを触る、すると扉はそこから半分に分かれて壁の中へと入っていく。
「まあまあだね。」
ウォルはそう言って部屋の中へと入っていく、しかしそこには階段らしきものはなくただ赤い色の絨毯が敷かれていて部屋の奥に机といすが置かれていて机の上にペン立てと紙が置かれているぐらいだ。ウォルは机に向かって歩いていく、ここが誰の部屋かがわかるものを探すのだろう。
ウォルは机の後ろに立ち一番上の引き出しを開ける、しかしその引き出しの中は空だ、そしてウォルはその引き出しを閉め真ん中の段の引き出しを開ける、するとその引き出しには金色の鍵が入っている。
「この鍵は何だ…」
ウォルはそう言って引き出しに入っているカギを手に持ち眺める。そしてウォルは鍵を机の上に置く、そして鍵の入っていた引き出しを閉め一番下の引き出しを開ける、するとそこには大量の書類が入っている。
「ここの書類が誰のものかでここが誰の部屋かわかるな。」
ウォルはそう言って引き出しの中に入っている一番手前の書類を取り出す、しかしその書類にはウォルが目当てのものは書かれていない、そう、要件しか書いていないのである、そしてウォルはその書類を床に置き次の書類を取る、しかしその書類にも要件しか書いていない、するとウォルは今手に持っている書類と床に置いている書類を持ち引き出しの中に入れる。
「しかしこの鍵を使うところはこの机にはないみたいですね…」
ウォルはそう言ってカギを持ち部屋を歩き回る、しかし部屋の中に鍵を使うようなものは見当たらない。
「これは絨毯をめくるしかなさそうですね…」
ウォルはそう言ってポケットから針を取り出す、そしてその針を絨毯の角にさす、そしてウォルは部屋の外へと出ていく、そしてウォルが手を叩くと絨毯が部屋の中心へと向かって小さくなっていく、そして絨毯がチジミ斬るとウォルは部屋の中へと入る、そしてウォルは部屋をさっきと同じように歩き回る、すると部屋の隅に他の場所と比べると少し質が違う場所がある、ウォルがそこを手で触ると表面が少し浮いていて捲れそうになっている、ウォルはその部分の端をつまんでめくる、するとそこにはかぎが差し込めそうな穴が開いている、ウォルはそのカギ穴に引き出しから取り出したカギを差し込む、するとウォルが表面をはがした部分の床が消え人が一人は入れる程度の穴が開く、そしてそこには階段らしきものが見える、そこの壁には松明が立てられている、しかしその松明の火はすでに消えている。
次回ついに城の地下へと行きます、そしてその先で待ち受けるものとは…次回をお楽しみに‼




