第九十六話 別れ、そして出会い
塔の外に出てブリナキア達、だがブリナキア達はまだブラックミストの中に入ったまま外に出ようとはしない。そしてブリナキアだけが外へと出る、そして少し離れたところまで歩きそこからそのまま塔の周りを一周歩いてブラックミストの前にブリナキアは戻ってくると両手で丸を作りブラックミストを消す、するとブラックミストがあった場所からウルナ達が現れる、そしてクロードはウルナ達から少し離れた場所へと飛んでいき巨大化してアランのほうを向く。
「アラン、乗っていいよ。」
クロードがそう言うとアランはクロードのほうへと歩いていく、そしてブリナキアはウルナ達のほうを見る、そしてウルナ達のほうへと歩いていき一本の縄を持ってアランのほうを向く。
「ついでにこれも持って行ってくれる。」
「ああ。」
アランはそう言って氷漬けになった人を縛っているところから一本だけ伸ばしてある縄をブリナキアから受け取りクロードのほうへと歩いていく、そしてクロードの上に氷漬けになった人を載せたあとアランはクロードにまたがる。
「それじゃあ宿で。」
クロードはそう言って王都があるほうへと飛んでいく。
そしてクロードが飛んでいくのを見送ったブリナキア達は。
「それじゃあ捕獲依頼の出てる魔物を捕まえながら帰りましょうか。」
ウルナがそう言って前に出るとブリナキアとビドンメはウルナの後ろをついて歩く。
「もうかなり暗いですね。」
ブリナキアはウルナの横でそういう。
「そうですね、帰ったら選挙の準備ですよ。」
ウルナはそう言った後ブリナキアのほうを見て笑う、するとブリナキアは照れているのか顔を赤らめてウルナの反対を向く。
「とりあえず魔物は二、三体ほど捕まえたらすぐに帰りましょうか。」
ウルナがそう言うとブリナキアはウルナを見て頷く。
そしてしばらくブリナキア達が歩いているとビドンメが何かを見つけたのか大きな声を出す。
「わー‼」
するとウルナとビドンメはビドンメのほうを見る、するとビドンメはとある場所を指さしている、そしてウルナとブリナキアはその指先をたどっていく、するとそこには白い色をしたオオカミの姿があった。
「凄い、あれはホワイトウルフですね、王都の外にいるはずがないので恐らく誰かが飼っていたものでしょう。」
ウルナがそう言うとブリナキアは鞄から網を出して塔の中でウルナが教えた通り最初に網を広げる、そして網を回し網から一本だけ出ている縄をつかむ、そしてブリナキアはそのまま縄を持ちながら網を持ちホワイトウルフのほうへと網を投げる、すると網はホワイトウルフの上に落ちる、そしてブリナキアが縄を強く握る、すると網はホワイトウルフのいるほうに閉じず上を向いて閉じる、するとホワイトウルフは走り去っていく、ブリナキアはそれを見て驚いている。するとウルナはブリナキアの肩軽くを叩く。
「大丈夫ですよ、まだ次があります。」
ウルナがそう言うとブリナキアはウルナの顔を見ながら頷く。するとウルナはものすごい速さでホワイトウルフが走っていったほうへと飛んでいく、そしてウルナはすぐに飛んで戻ってくる、その手には網の中に入ったホワイトウルフの姿がある。
「捕まえましたよ。」
ウルナがそう言うとブリナキアは驚いている、そしてそれを見ているビドンメも驚いている。そう、ウルナ一人だけで魔物を捕まえる作業は十分なのである。
「それじゃあ次の魔物を探しましょうか。」
ウルナがそう言って歩いていくとブリナキアはその横を歩いていく、そしてビドンメは少し遅れてウルナの方へと走っていく。
そのころブリナキアの姉であるパーナという女性は。魔族から渡された本のページを頼りに弟がいるとされる村へと向かって歩いている、今いるのはどうやら森の中のようだ。
「この森は多分ここだから村の近くのはず。」
パーナはそう言って魔族からもらった本のページを折りポケットの中に入れる、そしてそのまま真っすぐ歩いていく。
パーナという女性が森をまっすぐ歩いていると明るくて木でできた建物が建っている場所に出た。
「ここが村ね。」
パーナはそう言って木でできた建物の間を通り弟を探す、だがそれらしき人物は見当たらない。すると一軒の家から一人の黒い髪の少年が出てくる、すると少年はパーナを見つめパーナのほうへと歩いてくる。
「お姉ちゃん…」
少年はパーナにそう言ってパーナに抱き着いた。
そのころブリナキア達は王都へと歩いている、だがビドンメはブリナキアとウルナの後ろをついていきながら周りを見ている。
「あ、あれは…」
ウルナがそう言って前にある紫色と黒色を混ぜたような巨大な物体を指さす。
「ここで完全につぶす気ですね、先に行っていてください。」
ブリナキアがそう言うとビドンメは走って逃げていくがウルナはブリナキアの横から動こうとしない。
「速く‼」
ブリナキアがそう言うとウルナはやっと走り出す、だがその人の形をしている巨体が走っているウルナをつかむ。
「その……せ…」
ブリナキアはそう言って氷華刀へと手を伸ばす。
「何を言ったんだ…」
「その手を放せと言ったんですが…」
ブリナキアはそう言いながらウルナをつかんでいる手のほうへと走っていき飛び上がる、そしてブリナキアはその巨体の肩に乗り刀を振り下ろす、そしてブリナキアはそのまま地面へと降りる。するとその巨体の腕は巨体の体から切り離されウルナを握っていた手はそのまま地面に落ちウルナはビドンメのほうへと走っていく。
「力の差は歴然だと思うんですが。」
ブリナキアはそう言って後ろを見て笑みを浮かべる。
「腕一本切り落としたぐらいで調子に乗るな‼」
巨体がそう言って塔の中で見せたものより大きい剣を取り出す。そしてその剣をブリナキアに向かって振り下ろす。
「邪魔…」
ブリナキアがそう言って左手を振り下ろされている剣のほうへと伸ばすと巨体が持っている巨大な件が一瞬で消える。
「なっ…だがまだ剣はあ…な、なにぃ‼」
巨体はそう言って地面に倒れる。
ブリナキアは巨体の中にいる人物が長々と話している間に巨体へと近づいていき巨体の足を消したのである。そして巨体に内蔵されている剣を消したというわけだ、そしてこの時巨体は剣を取り出そうとしてないことに驚いて「なにぃ‼」と言ったというわけだ。
ブリナキアは倒れた巨体の上に飛び乗る。
「これでもまだ調子に乗るなと言えますか。」
ブリナキアがそう言うと巨体から消えたはずの腕と足が出てくる、いや、生えてくると言ったほうがいいのだろうか。そして巨体はそのまま立ち上がるとブリナキアは巨体を覆っている鎧を片手でつかみ落ちるのを防ぐ。
「おっとそこは危ないぞ。」
巨体がそう言うとブリナキアは手を放すするとブリナキアがつかんでいた場所が開き中から剣が現れる。巨体がその剣を取ると開いた場所はゆっくりと閉じる。
「いくらでも作り出せるんだよ‼」
巨体はそう言ってブリナキアに向かって剣を振り下ろす。するとブリナキアは剣に氷華刀をあてる、すると巨体が持っている剣はみるみる凍っていく、すると巨体は手から剣を放す。
「凍らせても無駄だ‼」
巨体がそういいさっき剣が出てきた場所へと手を伸ばす、だが剣は出てこない、そうブリナキアが開閉できる場所を凍らせたのである、つまり剣を何本も作り出すことはできても取り出すことはできないというわけだ。
「武器がないと戦えないとでも思っているのか、舐められたものだな。」
巨体がそう言って拳をブリナキアのほうへと向ける、すると巨体の腕はブリナキアのほうへと勢いよく飛んでいく、するとブリナキアは剣を消した時と同じように左手を飛んでくる腕のほうへと伸ばす、だが飛んでくる腕は消えない。
「こいつの素材はただの鉄じゃねぇんだよ‼」
巨体の中にいる人物がそう言った時ブリナキアに巨体から放たれた腕がぶつかりブリナキアは遠くへととばされる。そしてブリナキアはそのまま地面を転がっていき巨体からかなり離れた場所で止まる。
何本か骨が折れたかな、いや、今はそんなことはどうでもいい、このでかいのを倒してみんなのもとに帰るんだ。
ブリナキアはゆっくりと立ち上がる、しかし足に力が入らないのかこけてしまう。
「力を使うしかないみたいですね…」
ブリナキアがそうつぶやいた時ブリナキアの髪が一瞬白くなり再び黒色へと戻る、しかしその髪は白くなる前と比べると少しだけぼさぼさだ。
巨体はブリナキアが飛ばされた方へと走っていく、するとブリナキアは立ち上がり地面に落ちている自分の刀を拾う、そしてそのまま刀を振る。すると巨体と巨体の周りは一瞬で氷漬けになる。
「やりすぎちゃいましたね…」
ブリナキアがそう言った時ブリナキアの髪の毛は元に戻る、そしてブリナキアは地面に倒れこむ。
そのころウルナとビドンメは。王都に向かって歩いていた。
「今のところこの子だけですね。」
ウルナはそう言ってビドンメに捕まえたホワイトウルフを見せる。
「そうですね…」
ビドンメはそう言う、しかしビドンメは浮かない顔をしている。
「どうしたんですか。」
「いや、ブリナキアさんのことが気になって…」
「確かに気になりますね、でも王都までは一本道なので迷うことはないはずですよ。」
ウルナはビドンメを安心させようとそう言う。
「そうではなくてやられてないかなって…」
ビドンメがそう言うとウルナはビドンメの頬を叩く。
「私たちが信じてあげないでどうするんですか‼」
ウルナはそう言ったあともう一度ビドンメの頬を叩く。
「すみません…」
「速く行きましょう。」
ウルナはそう言ってビドンメの手を握る。
「私だって心配なんですよ…」
ウルナはそう呟いて涙を流す。
「何か言いましたか。」
「いえ、何も言ってません。」
ウルナはビドンメのほうを向いてそう言った後涙を拭く。
そしてウルナとビドンメはそのまま王都に着く。そしてホワイトウルフを入れた網を持ったまま宿で。
「あ、クロード‼」
そう言ってウルナはクロードのほうへと走っていく。
「アランさんは。」
ウルナはクロードにそう問いかける。
「アランは騎士の緊急収集でシンサッジに帰ったよ…」
「そう……ってことはパトリックさんも。」
ウルナはそうクロードのほうを向いて言う、するとクロードは頷く。
「うん。」
「でも騎士の緊急収集っていう事はシンサッジで何かあったの。」
ウルナがクロードにそう問いかけるはクロードは目を瞑る、恐らく何かを考えているのだろう。
クロードが目を瞑ってからかなり時間がたつ、そしてクロードが目を開く。
「多分サモルナに何かあったんだと思う…」
「それじゃあ帰ったほうがいいの。」
「その必要はないと思うよ(邪魔をしたりしちゃだめだし)。」
クロードがそう言うとウルナは頷く。
「それじゃあまた後で。」
ウルナはそう言って受付のほうへと歩いていく。
そして朝になりウルナの部屋の中。ウルナは起き上がる。
「ブリナキア‼あ、まだ帰って来てないのか…」
ウルナはそう言って再び眠りにつく。
そしてビドンメは。ぐっすりと眠っている、塔でいろいろあって疲れているのだろう。
そしてそのころブリナキアはというとまだ王都の途中の道で倒れていた、いや、倒れてそのまま眠りについていた。そしてブリナキアが倒れているのを見つけたのか一台の魔車がブリナキアのほうへと近づいてくる。そしてその魔車はブリナキアの近くで止まる、そして人が一人魔車から降りてきてブリナキアに近づいていく。
「良かった息はある。」
そう言ってブリナキアを抱えて魔車へと戻っていきブリナキアを椅子に寝かせる。
「通りかかったのが魔女教じゃなくて私でよかった。」
そう言って女性は無でを撫で下ろす、すると魔車が王都の方向へと動き出す。
そして王都の門の前で。
「何用だ。」
そう門兵に言われるとブリナキアを魔車に載せた人は魔車の窓を開け頭を出してフードを取る。
「あ、あなたは、失礼しました、どうぞお入りください。」
門兵がそう言うと門が開く、そして魔車は王都の中へと入っていく。するとブリナキアが目を覚ます。
「あ、起きたの。」
そうブリナキアの前に座っている人が言うとブリナキアはその人を見る、そして驚いている。
「あ、あなたは…」
「覚えていてくれたようね。」
そうブリナキアの前に座っている人は言う。
「でも何で私はここに…」
ブリナキアはそう言って椅子に座る。
「たまたまあなたが倒れているところに通りかかっただけよ。」
「ありがとうございます。」
「礼はいらないわ。」
ブリナキアの前に座っている人がそう言った時魔車が止まる。
「着いたわ、降りるわよ。」
そう言ってブリナキアの前に座っている人は立ち上がり魔車の扉を開け魔車から降りる。
「速くしなさい。」
そう言われブリナキアは魔車から降りる。
果たしてブリナキアを助けた人は誰なのか次回その正体が明らかに




