第九十五話 脱出
ブリナキア達は暗い空間に空いている穴を除く、するとそこにはアランの姿が映っている。
「アランさんですね、この中に入れましょうか。」
ブリナキアがそう言うと穴の外にいるアランの姿が黒い色をした物体に包まれる、するとブリナキア達がいる場所にアランが現れる。
「こ、ここは…」
「ブラックミストです、私が魔女と戦っているときこの空間の中にいましたよね。」
ブリナキアがそう言ってアランを見る、するとアランは頷く。
「クロードがいないがあいつはどうするんだ。」
アランがそう言った時暗い空間に空いている穴にクロードの姿が映る、そしてそのクロードの姿が黒い物体に覆われるとブリナキア達がいる空間にクロードが現れる。
「あれっ僕は塔の中にいたはず。」
そう言いながらクロードは辺りを見回す、急に暗い空間に来て状況が分かっていないのだろう、そしてクロードはブリナキアを見つけじっとブリナキアを見つめる。
「そうか、そういう事なんだね。」
クロードはそう言ってブリナキアのほうへと飛んでいきブリナキアの肩の上にとまる。
そのころブリナキア達がいなくなったことによって男は。
「あいつらは一体どこへ…」
男はそう言って手に持っている剣をサックに入れる、そして倒れているアウグストスを踏みつける。
「まあこの人を殺せるのならいいでしょう…」
「立ち上がり自ら首を斬って死ね。」
そう男が言うとアウグストスは立ち上がり床に転がっているサックに入った剣を取りサックから剣を抜き取り自分の首に剣を当てその剣を振る、するとアウグストスの首が血を出しながら飛んでいき塔の壁に当たる、そして男はアウグストスの飛んでいった首を拾いに壁のほうへとゆっくりと歩いていき男は服のポケットから一枚の大きな布を取り出す。
男はポケットから取り出した布でアウグストスの首をくるむ、そしてアウグストスの首が落ちないようにしっかりとその布を結ぶ。
「心が少し痛みますがこれは魔女様の封印の材料にしましょうか…」
男はそう言った後不敵な笑みを浮かべそのまましゃがみ込む。
「はい、ドーン。」
男がそう言って床を殴ると床が一気に割れ男は一回まで落ちていく、だが男が手を広げると男が落ちるのが少し遅くなり男はそのまま何もなかったかのように着地する。
それを見ていたブリナキア達は。
「恐らくこの人が最大の敵でしょう…」
ブリナキアがそう言うとアランが深刻そうな顔をしてブリナキアを見つめる。
「ひとつ言いたいことがある、恐らくあいつが一番強い奴ではない。」
アランがそう言うとブリナキアは驚いている、そしてブリナキアは頭を押さえそのままひざまずく。
ブリナキアがひざまずくと暗闇の奥の方からガシャンガシャンと音が聞こえてくる、そしてその音はだんだん大きくなっている、ウルナは魔法器を鞄から取り出す、そして魔法器の少し盛り上がっている部分を押す、するとウルナの剣が現れる、そしてウルナはその剣を持ってブリナキア達の前へと歩いていく。
「皆さんは下がってください私がどうにかします。」
ウルナがそう言って左手で下がれと合図をする、するとビドンメとアランは後ろへと下がる、すると暗闇の奥の方で何かが光る、そしてその何かが光ったほうから剣が何本か一気に飛んでくる、するとウルナの前で剣は急に動きが止まる。
「まさか…」
ウルナがそう言いながら後ろを向くとブリナキアは左手を前に出して立ち上がっていた、そしてブリナキアが左手を左へと振ると剣は後ろを向く、そしてブリナキアが左手を前に出す、すると剣はそのまま向いているほうへと飛んでいく。だがブリナキアは剣を飛ばした後に倒れこむ。すると奥の方でガシャンと音がする、そして黒い物体がウルナの横を一瞬で通り抜ける。
ウルナが後ろを向くとそこには黒い服を着て深くフードを被った人の姿があった、そしてその人はブリナキアの鞄の中をあさっている、そして何かを手に取りそれを鞄から取り出す。
「なんだこれ…」
フードを被った人がそう言うとブリナキアは顔をあげてフードを深くかぶった人が持っているものを見て笑みを浮かべる。
ブリナキアが笑みを浮かべるのを見るとフードを被った人物はブリナキアに向かって足を振り下ろす。
「これは何だと聞いている、答えろ…」
フードを深くかぶった人物はブリナキアを睨みつけながらそういう。
「はっ、誰が答えるか。」
ブリナキアがそう言うとフードを被った人物は頷く。
「そうか、それは残念だ…」
そう言いフードを被った人物はブリナキアを蹴とばす。
船での初めての夜ブリナキアは素振りを終えた後ベットに座りベットの上に乗っているクロードと部屋で話をしていた。
「ねえブリナキア。」
「ん、どうしたの。」
ブリナキアはそう言ってベットに乗っているクロードを見る。するとクロードはブリナキアのカバンのほうへと飛んでいく。
「お母さんからもらった球は。」
クロードはブリナキアのほうを向いてブリナキアにそう問いかける。
「布にくるんでいれてるけど…」
ブリナキアがそう言うとクロードは一枚のくくられた布を鞄から取り出しブリナキアのほうへとそれを銜えて飛んでいく。そしてクロードはブリナキアの太ももの上にそれを置く。
「これをどうしろと…」
ブリナキアは自分の前にいるクロードに向かってそう言う。
「ここに少しだけ力を戻したら。」
クロードはブリナキアに向かってそう言う、だがブリナキアは首をかしげる。
「多分いきなり力がついていたら魔女教徒に狙われる、だからここに自分が魔族になれるだけの力を残してそれ以外の力を直しておいた方がいい。」
クロードがそう言うとブリナキアは布の結び目をほどく、するとその布の中からばらばらに割れた球が出てくる。
「そうか、まずはこれを直さないといけないのか…」
クロードはそう言って球を見る、すると割れていたはずの球がいつの間にか元に戻っている。
「力の戻し方は解る。」
クロードはブリナキアにそう質問する、するとブリナキアは首を振った後クロードを見てこういう。
「解らない。」
するとクロードは目を閉じる、恐らくどう教えればわかりやすいか考えているんだろう。
クロードは少ししてから目を開く。
「まずはこの球を両手で握って。」
クロードがそう言うとブリナキアは布の上に乗っている球を握る。
「こうでいいのかな…」
ブリナキアがそう言うとクロードは頷く。
「そしてその球に自分の力を入れるイメージをして。」
クロードはブリナキアにそう言う、するとブリナキアは目を閉じる。
自分の力を今握っているこの球の中に入れる、私は目を瞑ってそう考えた。すると暗い空間の中に光が見えたような気がした。
クロードはじっとブリナキアが握っている球を見つめる、ブリナキアが握っている球は元は透明だったのにだんだん黒くなっていっている。
「もういいよ。」
クロードがそう言うとブリナキアは目を開ける、そして手をどけ球を見る。
「色が変わってる…」
ブリナキアがそう言うとクロードは頷く。
「ちゃんと力を吸収した証拠だね、だけど本当に危ない時はすぐにこの球を割って力を取り戻すんだよ。」
クロードがそう言うとブリナキアは布に包まずそのまま黒い色の球を自分の鞄に入れる。
「そんなことをしたら何かに当たったら割れるよ。」
「気を付ければ大丈夫、それじゃあ寝ようか。」
ブリナキアはそう言ってベットに横たわり掛け布団を自分の体の上に乗せる、するとクロードはブリナキアの顔の上にある止まれそうなところに止まる、だがクロードは何かを思い出したのかと待っていた場所から飛び出す、そして部屋の明かりを消す、そしてクロードは止まっていた場所へと飛んで戻る。
ブリナキアは蹴られたことによって飛ばされている、だがブリナキアはフードを深くかぶったjン物が持っている球体に向かってつららのようなものを飛ばす、するとつららのようなものはものすごい速さで飛んでいきフードを深くかぶった人物が持っている球体を粉々に砕く、そしてブリナキアは床に手をつく。
「舐められたものですね…」
そうフードを被った人物が言う、するとブリナキアはフードを被った人物の後ろに氷華刀を持って立っている。
「残念、その球は私の力を封じ込めた球だったんです。」
ブリナキアはそう言ってフードを被っている人物に左手を当てる、するとフードを被っている人物は一瞬で氷漬けになる。そしてフードを被り氷漬けになった人物はそのまま倒れこむ。するとブリナキアは氷華刀を鞘に収める。
「ウルナ、何か縛るものを。」
ブリナキアがウルナの方を向いてそう言うとウルナは自分の鞄から一本の縄を取り出す、そしてその縄をブリナキアに渡す。するとブリナキアはウルナから縄を受け取る。
ブリナキアはウルナから受け取った縄を使い氷漬けになったフードを深くかぶった人物を縛り上げる、そして縛ったところから自分で持つための縄を一本用意しブリナキアはそれを持つ。
「それじゃあここから出ましょうか。」
ブリナキアがそう言うとブリナキア達は塔の外にいた、すると後ろからぞろぞろと塔の中で戦った人物がブリナキア達の横を通っていく、そう、ブリナキア達の姿はほかの人たちには見えていないのである、そして鎧を脱いで出てきたであろう人物が赤く染まった布を持って出てきてため息をつく。
「流石に疲れますね…それよりもやつらはどこに。」
男はそう言いポケットから四角いものを取り出す、すると男がポケットから取り出したものは突然大きくなる、そしてそこに女の人の顔開現れる。
「やあゴビビ、収穫はどう。」
そう四角いものに現れた女はゴビビに問いかける。
「これだけだ。」
ゴビビはそう言いながらしか食い物の前に手に持っている赤い布を出す。
「まさか…」
「いや、これは初代剣聖の首だ。」
「そう、まあいいわ、それじゃあ帰ってきなさい。」
「そうだな、それじゃあ帰らせてもらおうかチェルシーよ。」
ゴビビと言われた男がそう言うと四角いものに映っている女は微笑む。
「ええ、帰ってくると良いわ。」
チェルシーと呼ばれている女がそう言うとゴビビと呼ばれた男は大きくなった四角い物体をポケットの中に入れた後ポケットから一枚の紙を取り出す、そしてゴビビと呼ばれた男がその紙を上にあげると男の姿が消える、そしていつの間にかその男のほかに塔の中で戦った人物の姿は消えていた。
魔女によって結界が張られているとある大陸の地下。そこは周りが岩だ、どうやら洞窟のようだ、しかし壁には松明がつけられている、恐らく誰かが利用しているのだろう。
一人の女性と一人の魔族がそこには立っている。
「よく来たなブリナキアの姉パーナよ。」
「あれっ…私に妹なんていましたか。」
パーナと呼ばれた女性がそう言うと少女の前で椅子に座っている魔族が笑いだす。
「その様子だと忘れてはいないようだなしかし…」
そう言っている魔族の顔はどこか深刻そうだ。
「大丈夫、魔女が張った結界なんてどうせ大したことないんでしょ。」
「いや、妹がどこにいるのかわかるのか。」
「私が離れた後に生まれたはずだからここの外でしょ。」
そうパーナと呼ばれた女性が言うと魔族は驚いている。
「ああ、だが弟はこっちにいる、お姉ちゃんを助けるために連れて行ってやると良い。」
魔族がそう言い立ち上がり壁に触る、すると壁が割れ横へと動く、するとそこにびっしりと本が現れる。そして魔族は一冊の本を取り出す、そしてペラペラとページをめくり目的のページを見つけたのか本を見つめている、そして魔族はそのページをちぎり取る。
「ここが今いる場所だ。」
魔族はそう言いながらパーナと呼ばれている女性に切り取ったページを見せて説明する。
「そしてここが弟が住んでいるとされる村だ。」
魔族がそう言って説明しているとパーナは頷きながら話を聞いている。
「つまりそこに行けっていう事ね、ありがとう。」
パーナと呼ばれた女性はそう言った後時宜をして後ろを向く。
「待て、これを持っていきなさい。」
魔族がそう言ってさっき本からちぎったページを持ってパーナと呼ばれた女性のほうへと歩いていきパーナと呼ばれた女性のほうにそれを向ける。するとパーナと呼ばれた女性は両手でそれを受け取る。
「ありがとう、それじゃあ。」
そう言ってパーナと呼ばれた女性は魔族に手を振りながら魔族から離れていく。
「それじゃあ手助けをしに行きましょうか。」
そう言ってパーナと呼ばれた女性はさっき魔族からもらったものを見ながら走る。
パーナと呼ばれた女性は無事ブリナキアのもとへとたどり着くことができるのだろうか…




