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この美しくも残酷な世界で異世界生活  作者: ヤジャ
第二章 試練
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第九十話 嘘だったんですね

 魔女はブリナキアに蹴られた後床に着地して蹴られたことによって汚れている部分を手で払って汚れを落とす。

 やっぱり今までの敵と同じように扱ってたら駄目だ、多分この人は龍より強い、いや、多分じゃない、確実に龍より強い、実力差があると思っていたけどそれは長い間戦っていなかったからだった、つまり今の私よりも強いだろう。問題は力の差をどうやって埋めるかだけど多分ウルナと連携したりしたところで結局逆転されるだろう。確実に逆転されずに一回で決められる技があれば一番いいんだけど私はそんな技を知らない。やっぱり魔女を倒すとなると経験も必要というわけか、でもここでやられているようじゃ本物の魔女に負ける、いや、でも実際は戦う必要はないのか、でも万が一戦うことになるなら勝てるようにしておいたほうがいい。私はひょうとうを鞘から抜いて構えた。

 ブリナキアが刀を構えるとウルナは鞄をあさっている、何かを探しているみたいだ。魔女は床にさしていた槍と全く同じものを作り出した後それを持ちブリナキアのほうへと走っていく。作り直した理由は自分が出した球体がやりにあたり槍がなくなってしまったからだろう、というかそれ以外に理由がないだろう。

「さあ、やられなさい。」

 魔女はそう言ってブリナキアに向かって槍を突く、だがブリナキアはそれを左に動いて避け魔女に向かって走っていく。そして刀が当たる距離まで近づいたところでブリナキアは刀を振る、だが魔女はそれを後ろに動いて避ける、するとブリナキアは刀を構え直し魔女の後ろに回り込んで刀を振る、すると魔女はブリナキアのほうを向いて槍でその攻撃を防いだ後後ろに下がり距離を取る。

 魔女が後ろに下がり距離を取った時ウルナが魔女の後ろに現れ魔女に何かをかぶせる、その時魔女は手に持っていた槍を床に落としてしまう。

「これでどうですか。」

「なんだこれは。」

 魔女はそう言ってウルナがかぶせたものを取ろうとする、だがウルナがかぶせたものは取れない、というより魔女が動いたことによって取れにくくなっている。

「それは捕獲用の網です。」

 ウルナがそう言うと魔女はつららの様なものを作り出しウルナがかぶせた捕獲用の網にさして破ろうとするが捕獲用の網にうまくつららの様なものは刺さらず網の間から床に落ちる。

「抜け出すのは無理ですよ、だって凶暴な魔物でも捕獲できるんですから。」

 ウルナがそう言っているうちに魔女は捕獲用の網を破り中から出てくる、そして床に落ちた槍を取りウルナに向かってそれを振る、だがウルナはしゃがんで槍を避ける。

「なっ…」

 魔女がそう言ってウルナに向かって槍を振り下ろすとブリナキアが氷華刀で魔女の槍を受け止める。

「私は友達としてあなたを守ります。」

 ブリナキアはそう言った後ウルナのほうを見てほほ笑む。するとウルナはブリナキアが槍を受け止めている間に槍の下から出ていく。

「まさかこの技を使うとは考えてもいませんでした。」

 ブリナキアはそう言って刀で槍をはじいた後刀を鞘に入れて魔女のほうへとゆっくりと近づいていきまだ魔女とは距離があるのに刀を触る。

ひょうりゅうひょうざん‼」

 ブリナキアがそう言って刀を抜くと魔女のほうに氷の塊が流れるように飛んでいく、魔女はそれを槍で防ごうとする、だが氷の塊は槍を砕き魔女に当たる、いや、当たったかのように見えたが魔女は瞬時にバリアを張り氷の塊が当たるのを防いでいた。

「なかなかやりますね。」

「貴方もね。」

 魔女がそう言った時ブリナキアに向かって突然黒い棒状のものが落ちていく。

「油断したわね…」

 魔女がそう言った時黒い棒状のものがバラバラに砕ける、それを見て魔女は驚いた顔をしている。

 今の私の攻撃は完全に虚を突いていたはず、なのになぜ防げるの。

「この程度の攻撃しかできないなんて残念です。」

 ブリナキアがそう言って黒い棒状の物の中から出てくる。それを見て魔女は少し後ろへ下がる、自分ではかなわないとでも思ったのだろうか。だがそこへウルナが攻撃を仕掛ける、魔女はそれを少し動くだけで避ける、そしてウルナに向かって黒い棒状のものを投げつけるがウルナはそれを剣で真っ二つに斬る。

「なっ…」

 魔女がそう言って驚いているところにブリナキアが魔女の後ろで刀を振る、だが魔女はそれを飛んでかわす、するとウルナは魔女より高く飛び魔女に向かって剣を振り下ろす、すると魔女は黒い棒状のものを作り出しそれで剣を防ぐ。そして魔女が床に着くほんの少し前にブリナキアが刀を振る、魔女はそれを空中でブリナキアのほうを向き黒い棒状のもので防いではじき返す。

「流石は魔女と言ったところですか。」

 ブリナキアがそう言って魔女から少しだけ距離を取る。そのころウルナは床に着地して剣をサックに入れる。

「あなた達に火属性で一番威力の高い魔法を見せてあげるわ。」

 魔女はそう言った後目を閉じ両手を胸の前に合わせる。ブリナキアはそれを見て危険と判断したのかウルナのほうへと寄っていきブラックミストで薄い膜を張った、これはついさっき魔女の作り出した球体を跳ね返したためかなり強いということは間違いない。

「エクスプロージョネス‼」

 魔女がそう言い目を開けて手を広げると大爆発が起こり塔を作っている石の粉が辺りに舞う、だがブリナキア達はブラックミストによって守られているようだ。そして当たりに舞っていた粉が床に落ちた時魔女は笑みを浮かべている、だがブリナキア達が普通に立っているのを見つけたのか魔女は驚いた顔をしている。

「何で今の魔法を受けて無事なの…」

 魔女がそう言うがウルナは何も言わない、恐らくブリナキアがブラックミストを張ったことにも気づいていないのだろう。

「それは私の力よ。」

 ブリナキアがそう言うと魔女がどうやったのかが分かったとでもいうように手を叩く。

「なるほどね、さっき私の作り出した球体をはじいた技を使ったのね。」

 魔女がそう言うとブリナキアは頷いた、そしてその時魔女に向かって氷でできた剣が大量に飛んでいく。

 こんな数の剣はさばききれない一体どうしたらいいの、そうか、私が魔法を使ったから今この辺りのマナは減っている、つまりこれはマナを増やそうとしての行為、つまりこの剣を防ぐときに割ったりしたら相手の思うつぼ、だったらこの攻撃を防ぐのではなく消すのが正解か。

 魔女が目を閉じると魔女の目の前に紫色の渦が現れる、そしてブリナキアが魔女へと向かって飛ばした氷の剣は紫色の渦に入っていく、そしてブリナキアが飛ばした氷の剣がすべて渦に飲み込まれると紫色の渦は姿を消した。

「残念、自然のマナはこれで増えないわ…」

 魔女はそう言ったが驚いた顔をしている。

「何で自然のマナが増えているの…」

 魔女がそう言うとブリナキアが笑みを浮かべる。

「何故自然のマナが増えているのか、それはあなたが氷の剣を消している間私は氷の剣を床に落として砕いていました。なので自然のマナはこうして増えたというわけです、理解できましたか。」

 ブリナキアは魔女のほうを向いてそう言った、すると魔女はなるほどねと言った後ブリナキアのほうへと走っていく、するとブリナキアはウルナのほうを向いて頷く、それを見たウルナもブリナキアのほうを向いて頷いた、ウルナは剣をサックから抜いた。ウルナが剣をサックから抜いた後ブリナキアとウルナは魔女のほうへと走っていく。

ひょう…」

 ブリナキアがそう言った時ウルナが続いてこう言った。

りゅうとう…」

 ウルナがそう言った後ウルナとブリナキアは同時にこう言った。

ざん‼」

 そして二人とも魔女に向かって同時に剣を振る、魔女はその攻撃を受け床に倒れこむ。だが魔女は床に倒れこんだ後すぐに立ち上がる。

「舐めてくれるなよ…」

 魔女がそう言ってブリナキアのほうを向いて右手をブリナキアのほうへ向けると魔女の周りに大量の黒い球体が現れる、そしてその黒い球体はブリナキアのほうへと飛んでいく、だがブリナキアは飛んできた黒い色の球体をすべて刀で斬った後ため息をつく。

「この程度とは残念です。」

 ブリナキアがそう言った時ウルナの横にいたはずのブリナキアの姿は魔女のすぐ後ろにあった、そして魔女は血を吐き出し床へと倒れこむ。

「一体何をしたんだ。」

 魔女がそう言うとブリナキアはすぐにこう言った。

「ただ斬っただけですよ。」

 ブリナキアは魔女にそう言ったのだそしてブリナキアが刀を鞘に入れる、もう戦う必要はないと思ったのだろう。いや、魔女はもう戦うことができないそう思ったのだろう。

「まだだ、まだ私は負けてない。」

 魔女がそう言うとブリナキアはあきれたようにため息をつく、その時魔女のおなかにブリナキアが動いていないのに氷華刀が突き刺さる。

「これでわかってもらえましたか。」

 ブリナキアは魔女のほうを向いてそう言ったが魔女はそれどころではなさそうだ、当然刀がおなかに刺さって無事な人はいないだろう、だが魔女には完全再生能力がある、これは傷は治すことはできる、だができないこともある、それは体の外に出た血を体の中に復活させることができない、つまり魔女で言う血は魔族で言うマナの様なものというわけだ、そこでブリナキアが考えたのは攻撃しても魔女は倒れない、だがそれを無理やり倒すために血を大量に体外へ出させるという方法だ、だがすでに分かっていると思うが魔女はかなり素早い、つまりそれ以上の速さで動く必要がある、何故ならそうしないと攻撃を当てることすらできないからだ、だがすでにブリナキアはこの条件をクリアしている、そう、すでに魔女の移動の速さを超えているのだ。つまり魔女がブリナキアの攻撃を避けるのは不可能に近いと言ってもいいだろう、何故ならほんの一瞬のうちにブリナキアは刀を抜いてその刀を魔女に向かって投げるということをすでにしたのだから、そして魔女はそのことに気づいていない、だから急に刀が自分のおなかに刺さっているという状態なわけだ。

「はっ、この程度の攻撃で何を勝ったつもりになっている…」

 魔女はそう言いながらおなかに刺さった刀を抜いて投げるが床に倒れこむ、ここまではブリナキアの狙い通りに進んでいる、ように見えていた、ブリナキアが倒れた魔女のほうへと歩いて近づいていく、すると魔女は何事もなかったかのように立ち上がった。

「まさか傷は回復できても血は作れないと思いましたか。」

 魔女はブリナキアのほうを向いてそう言いながらブリナキアに近づいていく。

「私の能力は完全再生能力と言いましたよね、あれは嘘です、自身の体の時間を巻き戻す能力です。」

 魔女はそう誇らしげに言い立ち止まる。

「つまり嘘だったんですね。」

 ブリナキアがそう言って床に落ちている氷華刀を手に取り鞘に入れる。

魔女の能力、果たしてその力はどれほどのものなのか次回、「この技であなたを倒す」をお楽しみに‼

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