第十話 突然の助け
神崎とぶつかる敵、
いったいどうなってしまうのか。
嘘だろ、魔法だけじゃなくて武器も使うのか、これは負けるかも知れない、さあ相手の様子はどうだろうか、私は女の人のほうを見る、ペロッ、舌で唇を舐めった、余裕という事かな、今までは一発しか出して無かったが同時に何発も打ち込めるか、いや、やってやるさ、誰ができないと言った、勝手に決めつけるな、不可能であることだろうと可能にしなきゃ勝てない。
「さあ行くわよ、これで終わりにしましょうか、私の名前は殺し屋、ヌンタン・マリエ。」
なるほどこれで決めるつもりか、ならこっちも名乗ってやろう。
「私の名前は神崎 洋。」
そう言ってお互いに走り出した、さあどうしようか、何も考えていない、一撃で決める準備はしていない、バン、扉が開く音がする。
「そこまでだよ。」
そう言って私の部屋に入ってきたのはウォケストさんだ。
「遅くなってすまないね、剣を振る音が聞こえたから、心配してきたんだよ。」
ウォケストさんは私のほうを向いてそう言った。
「ウォケスト・G・コミカラー、魔法使いの中の魔法使い、相手にとって不足なし。」
「私は戦う気は無いよ。」
驚いた、ウォケストさんが魔法使いな事もそうだが今のこの状況を見て戦う気がないということに。
「ふざけるな。」
そうヌンタンは言った。
「ふざけるな、それはこっちのセリフですよ、カンザキさんもです、部屋をこんなに汚して、手加減ができないんですか、まあいいです、こうして私が来るまで生きてくれていただけましです。」
なんか人が変わったな、ふざけた人だと思っていたが、真面目にする時はちゃんと真面目にする人のようだ、まあ領主となればまじめにするときはまじめにするのは当たり前だろう。
「まずは邪魔なその長い槍をどけてもらうよ。」
そう言ってウォケストさんがヌンタンの持つ槍に触れると槍は粉々になった。
「武器が一つと思わないことですよ、アクアフォース!!」
そうヌンタンは言ったが水は出てこない、何でだ。
「何故水が出てこない。」
「私の前で魔法は使えないよ、マナを吸収しちゃうからね。」
ウォケストさんすげー、いや、今は感心している場合じゃないか、私にできることがあればやったほうがいいだろう。
「話を聞きたいですがそうはいきそうにないですね。」
そうウォケストさんが言うとウォケストさんの手の上に赤、青、緑色の光が出てくる、そして手を前に出すとその光はヌンタン目掛けてものすごい速さでその三色の光が飛んでいく、ドカン!!大きい音がなり煙が出る、そして部屋が何故か涼しくなっている、そして風が吹いたのか煙が一気に晴れる、部屋に大きな穴が空いているのが見える。
「これは、やりすぎちゃったね。」
やりすぎとかそういう問題じゃない気がする、私よりも部屋を汚してるというか部屋を壊してるし、それにヌンタンの死体すら見えない、ウォケストさんを敵に回すの絶対にダメだな、あのヌンタンでさえ跡形もなく消し飛んだようだ。
「カンザキさん悪いけどウルナの隣の部屋で寝てくれるかな。」
部屋がぼろぼろだし断る理由もない、それにかなり寒くなってきた、こんな部屋で寝ることはできないな。
「分かりました。」
ガラッ、がれきが動いた。
「カンザキさん!!」
ヌンタンが瓦礫の下から出てきて、私めがけて走ってきて剣を振る、私はそれをとっさに剣で防ぐ。
「チッ、いずれここに住んでる人全員私が殺す。」
そう言ってヌンタンはウォケストさんの開けた穴から屋敷の外へと消えていった。
次回、新たな物語が始まりを告げる、そして動き出す謎の勢力、王都から迫りくる謎の軍団、そしてそれを率いるのは…




