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ホラーという言葉の語源について

作者: 道峰ユヤ

「そんなわきゃーない」「仮にそうだったとしても、別に素敵でもなければ楽しくもない」

だってこれはホラ、そういうホラーだもん。

 昔々、あるところにとても小さな村がありました。これといった特産品も、外界との交流もあまりない質素で貧しい村ですが、穏やかな村人達は皆平和で幸せな毎日を送っていました。

 その村には一つだけ、ある大切な決まり事がありました。

 それは「村に面した裏山には鬼がいて、入って来た者を襲って食べてしまうため、決して子供だけで入ってはいけない」というものでした。

 ですが実はこの約束は、村の子供達が裏山に迷い込んでしまわないため大人達が考えた方便なのです。

 とは言え祭事の際以外に裏山に入ろうと思う者など誰もいませんでした。

 ある時、一人旅をしている外国人が村にやって来ました。

 村人は旅人を暖かく迎え入れ、珍しい旅の話を肴に大いに盛り上がりました。

 宴もたけなわとなった頃、旅人がふと裏山に目をやり言いました。

「この村の自然は美しいが、あの山は一際美しい」

 旅人は裏山に興味津々のようです。すると村人が

「やめときなよ旅人さん。あの山にはね、それはそれはおっかねえ鬼が住んでいて、やたらと入って来た人間を襲ってぺろりとたいらげてしまうんだ」

 村人は恐ろしい形相で旅人を脅かしてみせましたが、旅人は事も無げに

「おお、それは大変興味深い! 是非一度この目で見てみたいものだ!」

 と全く気にしません。

「ま、こんなもんは昔の爺様婆様達が子供の躾のために考えたホラ話なんだけどね」

「ホラ……?」

 旅人はホラ話という言葉の意味が分かっていない様子でした。

 村人も旅人もそんなやりとりなどすぐに忘れ、お酒が回るやいなや皆すとんと落ちるように眠ってしまいました。

 翌朝旅人はいてもたってもいられなくなり、一人で裏山に入る決意をしました。

 引き止められないよう、当然村人達には秘密です。

 しかしその様子を村の子供達は見ていました。

「たいへんだ!」

「旅人さんが一人でうらやまに!」

「おいら入ったことないのに! うらやましい!」

「ちがうよ! このままじゃ旅人さんが鬼にくわれてしまう!」

 子供達は慌てふためき、どうしようかと相談を始めました。すると一人が

「そうだ! おいらたちで旅人さんをうらやまからつれもどそう!」

「どうやって?」

「こどもは入っちゃいけないんだぞ!」

「だから、おいらたちが大人になればいいんだよ!」

「なんかやらしーぞ」

「え、なにが」

「なにいってん」

「ちょっとよくわかんないです」

「なんだよ! うるせーなばーか!」

 そんな事はどうでもいいんです。

「だから~……かくかくしかじか……」

「なるほど!」

「あたまいいな!」

「だろ!」

 子供達は早速準備に掛かりました。

 一方その頃旅人は、一人裏山を散策していました。

「いやはやよく歩いた。獣道が多くて大変だ」

 旅人は倒木に腰掛け少し休む事にしました。

 始めこそ鬼に興味津々でしたが、いざ山に入ると生い茂った木々の波のような音、そして葉の間から降り注ぐ木漏れ日がえも言われぬ美しさで迎えてくれて、いつしか鬼の事など忘れうっとりとしてしまいました。やがて旅人はうつらうつらと船を漕ぎ始め、とうとうそのまま眠ってしまいました。

 旅人が気が付くと、日はすっかり傾いており、夕の帳が落ちて来ていました。

「おっといけない。こりゃもう一泊村にお世話にならなきゃな」

 旅人は腰を上げ、村に戻ろうとしました。

 すると、近くの茂みが、かさかさ、かさかさと揺らめくのが聞こえました。

 旅人の脳裏に、昨夜聞いた鬼の話が蘇ります。

「まさか……」

 きっとうさぎかなにかだろう。そう思った旅人は、茂みにそっと近付きました。

 すると突然茂みから大きな黒い影が、鳴き声とともに飛び出して来たのです。

「あああああああああああああああああああああああああああああ」

「うわあああああああああ!!」

 旅人は腰を抜かし、熊か、蛇か、狼かと考える余裕もなく、転がり落ちるように裏山から逃げ出しました。

 背後で「やりすぎたかな」という声がしたのですが、旅人にそれを聞いている余裕などありませんでした。

 きっとあれが件の鬼に違いない。ほうほうのていで村に逃げ帰った旅人は村人達にそのことを説明しましたが、やはり誰も信じてはくれませんでした。

 結局旅人は翌朝村を後にし、それ以降、再び村を訪れる事はありませんでした。

「ああ、あそこの村の自然はとても素晴らしいのに残念だ。鬼さえいなければな……」

 そして国に戻った旅人は、故郷の皆にこう話すのでした。

『日本のホラー話には気を付けろよ』と。

 ちゃんちゃん。

おい、くっそ久しぶりな投稿だつっといてよ、書いたのがこれってどうなんだよお前。


手抜き? いやいや違うなぁ。これでもちゃんと頑張ったんだよ~俺。

書いては閉じ、書いては閉じを繰り返すくらいなら纏まった状態の短編をぼんぼこ打ってみるのもいいのかもしれませんね。これくらいの短さなら、ぽんと思い浮かんだものを適当にワードに叩き付けてみるだけで出来るかもしれないからね。

なんせのらりくらりし過ぎると本当に飽きちゃうからね、うん。



ブスでミーハーでもいいから信者って奴が欲しいですね(小声)

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