無神論者の神頼み
「精々神にでも祈るんだな!」
勇者を見下ろしながら魔王が威厳たっぷりに言い放つ。
「生憎、オレは神を信じてないからな、祈る相手がいねぇんだ」
勇者が魔王に言い返す。
「そうか。それは残念だったな」
勇者は残り体力と魔力が少なく、魔王は攻撃の動作に入っている。絶体絶命の危機的状況だ。
その時
モカッ!
僧侶の祈りが通じる。それにより勇者の体が光り魔王を弾き飛ばした。更には体力と魔力も全回復した。
祈りは神に祈ることで様々な効果をもたらすのだ。
「よし! これでまだ戦える!」
「何度やっても同じことだ。お前達では私には勝てん!」
「それでもオレたちはお前に勝つ!」
勇者は魔王に突っ込んでいった。
◇◇◇◇◇
死闘の果てに魔王は敗れた。
「私が…負けるとは……勝った褒美に…良いことを教え…てやろう」
「なんだ?」
「始まり……の国…『オゼレ』の…王に……魔王を倒したから…鍵を貰う……と言え………それで通じ…るはずだ」
「鍵?」
「そしたら…そこの玉座……が有った場…所の後ろを…調べろ」
「何があるんだ?」
「それは………秘密だ」
魔王は息絶えた。
◇◇◇◇◇
勇者は鍵を貰い魔王城に戻ってきた。
「玉座の後ろか。皆で手分けして調べよう」
激しい戦闘によって壊された玉座の後ろを調べていると魔法使いが話しかけてきた。
「本当に何かあるんですかね」
「オゼレの王様から鍵も貰ったし、何かあるだろ」
ちなみにオゼレは勇者の生まれ育った国である。
「しかし王様に騙された可能性も」
「それはあるな」
などと話していると
「ここに何かあります!」
賢者が隠し通路を発見した。そこを進むと扉があった。鍵を使い扉を開けると
空に浮かぶ塔の中だった。
勇者達は塔を進み、頂上にまで登った。そこにいたのは
「待っていたぞ」
「お前は……誰だ?」
勇者が聞く。
「私は………神だ」
そこには神がいた。
「お前は本当に神なのか?」
「そうだ。正真正銘本物の神だ」
「神……様…」
僧侶が呟く。
「ところでお前達、私と戦って勝ったら何でも1つだけ願いを叶えてやろう。もちろん手加減はする」
「本当か?」
「本当だ。そういう決まりだからな」
「それならやってやろうじゃねぇか」
神との戦いが始まった。
◇◇◇◇◇
「グルツブクルツブディガディガディガ」
僧侶が祈る。
「神と戦っているのに神に祈ってどうするんだ。そんなお前には死をくれてやろう」
僧侶が死んだ。
「通じるか分かりませんが、私の最大攻撃呪文をくらえ!」
賢者が呪文を唱えて攻撃する。
「今のはなかなか良かったぞ。今度は私がお前に呪文をくれてやろう」
賢者が死んだ。
「アタシの最大攻撃魔法をくらえ!」
魔法使いが魔法で攻撃する。
「わっ! と、危ない危ない。咄嗟にマシホカエ出せて良かった」
マシホカエは魔法を魔法で反射させる魔法だ。
「お前には魔法をくれてやろう」
魔法使いが死んだ。
「お前だけになったな」
「オレ一人でも勝ってみせる!」
◇◇◇◇◇
勇者は神に勝った。
「どうだ。一人でも勝ってやったぜ」
「次回はもう少し強めでやらなくてはな」
「次があるのか?」
「もう一度来ればな。もちろん1回勝つごとに何でも願いを1つだけ叶えるぞ」
「そうか」
「それでお前達の願いは何だ」
「そうだな、あの3人は死んでしまったからオレの願いを叶えてもらおう」
勇者は願いを言った。
「魔法使いと結婚させてくれ」
「それでいいのか?」
「ああ」
「その願い聞き受けた」
◇◇◇◇◇
勇者はオゼレに帰り、教会で3人を生き返らせた後に魔法使いと結婚した。
その後勇者は神に2回勝ち、賢者と僧侶とも結婚した。
◇◇◇◇◇
勇者はある日「どうしたら勇者になれるのか?」と質問された。それに対して
「頑張ればなれるよ。それに神頼みすれば何だって願いが叶う。スゴいだろ」
と答えた後に小声で
「神はいないけどな」
と言った。




