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2.新生活

道中、ジョージと話していて抱いた印象は「豪快」だった。そして、気さくで彼になら何でも話せる気がする。彼は、17歳でケントより一つ年上だったが、それがわかった時、笑顔で気にするな、と言うだけだった。



何分くらい歩いただろうか。ずっと喋っていたので、時間が経つのが早く感じられた。ジョージが立ち止って指を指した先には、木でできた家があった。小学生の校外学習でログハウスに泊まったが、あれを大きくした感じだ。

「ケントは、ここで待っててくれ。今、家主に話をつけてくる。まあ、事情を話せばわかってくれるさ」

そう言って、ジョージは家の中へ消えた。ケントは、てっきりジョージの家だと思っていたので家主の存在が気になって仕方なかった。それにしても、立派な家だ。この家はどうやって建てられのだろうか。色々考えを巡らせてると、ジョージが家の中から出てきた。

「許可とれたぞ、早く来いよ」

ジョージに呼ばれてケントは家の中に上がらせてもらった。すると、女の人 ---- 恐らく家主の人が玄関に立っていた。

「あら、いらっしゃい。事情はジョージから聞いてるわ。ゆっくりしていってね」

その、女の人は落ち着いた声で言った。見た目から察するに、もう成人はしてるだろう。ケントはリビングへ上がり、そのままテーブルの椅子に案内された。先ほどの女の人が向かいに座る。

「わたしは、ローナ。一応、この家の家主なの。ジョージもあなたと同じ、私が拾ってきたのよ。まあ、わからないことだらけでしょうから、今は、なんでも聞いてね。」

聞きたいことなら、山ほどある。でも、ケントは一番気にかかっている事を聞いた。

「あの......やっぱり俺って......死んだんですか?」

信じたくはなかった。それは、ジョージの嘘だ、とか言ってほしかった。ただ、ジョージが嘘をつく人には見えなかった。

「残念ながら、ここにいるってことは、そういうことよ。」

覚悟はしていた、つもりだった。しかし、やっぱりだめだった。目から涙があふれてくる。

「まあ、こっちの世界も悪くはないわ。それに、また人間としてやっていけるんだからいいじゃない?」

ローナが励まそうとしてくれるのがわかり、その言葉は胸に染みわたった。




しばらく泣きじゃくっていた。自分が死んだなんてわかったら泣きたくもなる。ケントが落ち着いてからローナは、お茶を持ってきてくれた。

「大分落ち着いたようね。まあ、これでも飲んでね」

ケントはお茶を一口啜って、思いついたことをそのまま口にした。

「そういえば、この世界はいつできたんですか? どうやって?」

畳み掛けられても困った表情一つせず、微笑みながらローナは答えた。

「まあ、それが一番気になるところでしょうね。懐かしいわぁ、ジョージも最初に会った頃、同じ事を聞かれたのよ。でもね、ごめんなさい。私にもわからないの。ただ、よく聞く噂というのがあるの。それでいいかしら?」

正直、噂でもなんでも良かった。なんでも良いから、情報が欲しい。

「是非、聞かせてください。聞きたいです」

無意識に、強い口調になってしまう。

「いいの? 根も葉もないわよ? 実はね、この世界は神様が作ったという噂があるの」

「え?」

思わず、聞き返してしまった。神様? そんなのが本当にいるのか? これは、言われてはい、そうですか、とはいかなかった。でも、頭の片隅では、本当にいるんじゃないか、と思っているのも事実。なぜなら、今まで、現世ではありえない事がたくさん起こり、極めつけは自分は死んだ、という。ここまで事実なら神様の一人くらい、居てもおかしくないと思ってしまう。

「まあ、あくまでうわさだし。いようがいまいが、あまりここでの暮らしには影響しないと思うわ」

「そうですよね。 ......って、俺、ここで暮らすんですか?」

さっきは頭が混乱していて、流れに任せて家に上がらせてもらったが、冷静になって頭も働く今、それはさすがに悪いんじゃないか、とケントは思って困惑した。

「いや、さすがにそれは......」

「でも、あなた、ここを出てどこか当てでもあるの? 大丈夫よ。一人増えたぐらいじゃなんてことないわ。 それに、あなたにもちゃんと仕事をあげるからよろしく頼むわね。」

居候としてではないことに、ケントは安心した。

「じゃあ、お願いします。 ところで、仕事って具体的になにをすればいいんですか?」

「別に難しいことじゃないわ。 あなたもジョージと一緒に食糧を取ってきてほしいの。 と、言っても大きいのはジョージが取ってくるから、主に小動物や、植物ね」

「でも、俺、銃とか使ったことありませんよ?」

「それはジョージが教えてくれるわ」

そんなわけで、ケントは初めて、狩りをすることとなった。

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