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1.知らぬ地で

友達と共同制作してます。初めてなので温かい目で見守ってください。

ある日。

ここは日本のとある町のはずれで、辺りは既に暗く、少ない電灯には無数の蛾が集まっていた。そこは人があまり通らない、いわゆる裏路地という感じの道だった。




------そこに、一人の少年が息を荒げて走ってきた。目は飛び出しそうなくらい見開いていて、しきりに後ろを振り返っている。何者かに、追われているのだ。しかも追手の右の方にはなにかが光っている。暗くてよく見えないが、恐らく刃物の類だろう。今、少年の頭にあるのはただひとつ。死にたくない、それだけだ。しかし、どんなにそれを思おうと、追手は止まってくれない。だんだん、背後の足音が大きくなる。少年は既に体力の限界だった。

突如、胸に焼けるような痛み。それと同時に、少年の視界は暗くなっていった。一方、追手は少年が倒れたのを確認してそのまま去って行った。






少年は、目を覚ました。

重い体を起こすと、目に映ったのは木や草などの美しい自然。時々吹く風は彼の頬を優しく撫でた。

「ここは......どこだ?」

無意識に呟いたが、その答えが返ってくるわけでもなく、彼はだんだん不安になってきた。

そんな彼の名は、ケント。生まれも育ちも日本だが、父がイギリス人、母が日本人というハーフの子供だ。特徴といえば、父親譲りの茶色がかった髪で、よく周りから不良等とからかわれた。

現在16歳で高校一年生だった。ケントは立ち上がり360度ぐるりと見回した。が、どこも景色に変化はない。果たしてここはどこなのか。彼は記憶を巡らせる。が、似たような場所はいくつもあっても、それはここじゃなかった。ケントの記憶にあるのは、もっと整備された、キャンプ場のような場所。しかし、ここは完全に “森” だった。

さて、どうしたものか。見ず知らずの土地でむやみやたらと歩き回ってもしょうがない。それはわかっている。だが、ケントはどうしようもなく不安だった。だれでもいい。人に会いたい。その一心で、無意識に立ち上がって歩き出していた。


その時だった。後方から獣のおぞましい吠え声が聞こえのは。驚いて振り返る。ケントの視界に入ってきたのは見たこともない生物だった。見た目は、ライオンのようなのに明らかに普通のライオンより大きく、人間の3倍はありそうだ。全身を黒い毛でおおわれていて、口からは鋭い牙が二本光っている。

どう見ても、人間界の生き物じゃない。しかし、ケントにとってそれはどうでもいいことだった。

今彼の頭の中にあるのは、たった一つ。逃げなければ、それだけだった。獣と逆方向に走りだす。

獣は、また吠えてからこちらへ走ってきた。完全に、標的にされている。手は汗でベトベトだった。




------もう、何キロ走っただろうか。ケントの体力は限界だった。手どころか、体中から汗が噴き出していて呼吸は荒い。だが、止まることはできない。こうしてる間にも、獣はどんどん距離を縮めてくる。

途端、ケントの足がもつれた。そのまま、顔から倒れ込む。獣はもうすぐそこだった。もう、終わりだ、そう思った。獣は口を大きく開けている。どうやら、ケントを食べるつもりらしい。覚悟を決めて、目を閉じた。



------もうだめだ、食われる。そう思った時だった。三発の銃声。驚いて目を開けると、その獣は既に横たわっていた。なにがなんだかわけがわからない。

「おーい、お前、大丈夫かぁ?」

聞こえたのは、間違いようもない、人の声だった。喜びが胸にあふれてくる。声の主は、近づいてきて、

「大丈夫そうだな。お前、名前は?」

「......ケントだ」

突然、名前を聞かれ少し戸惑ってしまった。自分を助けてくれたこの人は、自分より頭一つ分ほど大きく、体はがっちりしていた。

「ケントか、よし、覚えたぞ。俺は、ジョージな。よろしく」

そう言って、彼は手を差し伸べてくれた。その手に捕まり、立ち上がる。

「で、ここは何県なんだ?」

「県?なんだそれ?ここはシェーンバルト近郊の森の中だぞ?」

シェーンバルト。知らない場所だった。どうやら、ここは日本じゃないらしい。

「シェーンバルト?どこの国だそれ?」

「......そうか、お前、この世界にきたばっかりなんだな。今から言うことは信じられないと思う。だけど、大事な事だからよく聞いてくれ」

大事な事?信じられない?頭がこんがらがった。しかし、ジョージは構わず続けた。

「お前は......もう死んだんだ」

......それ、なんの漫画ですか。本気でそう思った。いきなり、死んだとか言われてはい、そうですか、とはいかない。

「まあ、受け入れろ、なんて無理だろうな。とりあえず、お前、俺ん家で休め。うん、それがいい」

普通なら、遠慮するところだ。しかし、状況が状況なため、ケントはついていくことにした。こうして、二人は、ジョージの家へと向かった。









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