はじめに
「お、始まったな。」
「何が?」
「俺たちの物語がだよ。まったく何を聞いていたんだ?夏樹?」
「それはともかくどんな物語なんだい?春信?」
「…そ、それはだな…」
「あれどうしたの春信?もしかして君もほとんど聞いていなかったんじゃ?」
「う、うるさい!仕方ないだろ!眠かったんだ、というより寝てたんだ。」
「どうするの?これじゃ進めようがないんだけど…」
「まったく仕方のない男子たちだな~そんな男子のために私が聞いてきてあげたよ~」
「うげっ!アキ!おまえ何しにきた?」
「あ、秋奈さん」
「何しにきたとは失礼な。役立たずの春信のかわりに私が話をしにきてあげたのよ。」
「いらねぇよ、そんなもん!俺が何とかするからアキは黙っとけよ!」
「うるさいわね!だまらないとシめるわよ?」
「まあまあ二人とも落ち着いて。ここは効率的にアキに話してもらおうじゃないか」
「こんにちは冬香さん。」
「よう冬香。冬香が言うなら仕方ないな。アキ、早く言えよ。」
「あ、冬香ちゃん!ありがとねこのバカを諭してくれて。うっさいわね春信!言われなくっても説明すんだから!」
「それでは秋奈さん、お願いします。」
「え~っとなになに?『テキトーに話しといて』?どういう意味だろ?」
「あ~そういえばそうだったな。そのまんまだよ。」
「どういうこと?」
「そのまんまって言ってるだろ!話せばいいんだよバカ!」
「バカにバカって言われた!」
「ふたりで喧嘩が始まっちゃいましたね…でも本当に話すだけでいいのかな?」
「ふふっ。ふたりはほっておこう。心配はいらないよ夏樹君。」
「なんだ?もう終わりか?じゃあみんなで挨拶だな!せーのっ!」
「よろしく!」「よろしくお願いします!」「よろしくね!」「よろしく頼むよ。」
「バラバラじゃねーか!」