●悪夢●
何回・・・何回俺を苦しめるんだ。もう無くしたくない。大切なんだ。
次の日
俺は学校に通う電車の中いた。
「・・さ!!・ばさ!!つばさっ!!!」
「えっ?
あっ、かな!!」
かなは制服を来ていた。
「その制服、俺の学校の前の!!」
「えっ、あっ、うんっ。
翼の前の学校なの?
まじ?
じゃぁ丁度いいじゃんっ
一緒にいこ〜!!」
「おう。」
かなが来ている制服は、美嘉が・・・美嘉が行くはずだった学校の制服だ。
俺はまた苦しくなった。
美嘉がこの制服を着ていたら・・・と考えていた。
それが今実際目の前にいるようだ。
「似合ってる?」
なんて笑いながら聞くかなを抱きしめた。
「ごめん。少しの間だけこのままでいて。」
「・・・別にいいから。」
何かを決心したように口を開いた。
「美嘉を好きでいていいから。代わりだと思っていいから、だから付き合って」
「俺、そんなこと言ったら甘えるから駄目。そんなこと・・・」「していいよ!!
していいからお願い!」
「私の好きな人って、翼なの。」
「本当はずっとずっと前から翼を知ってた。
私は美嘉の友達だったの。
前から毎日翼と美嘉が幸せそうに一緒に帰るのを見てた。
あの日も、翼が美嘉の手を引いて行くのを見てたの。
美嘉は、その日もすごく幸せそうな顔してたよ。
翼も、幸せそうだった。
それなのに、夜、緊急連絡網がきて、美嘉が死んだって。
信じられなかった。私は翼がその時から好きだったけど、美嘉の彼氏だからって自分に言い聞かせて、秀樹と付き合ってたの
美嘉は大切な親友だったから。
なのに美嘉が死んじゃって、今ならひょっとしたら・・・って悪いこと考えて・・・。
それに秀樹が気付いたみたいで、それで喧嘩をしたの。
秀樹に悪いことしちゃった。
でもね、秀樹に悪いことしても、美嘉の事をまだ好きでもいいから、付き合ってほしいの。」「・・・かなは・・・かなは本当にそんなんでいいのかよ!
もっと自分を大切にしろよ!」
「いいよ!!
だから・・・だからお願い!」
「・・・
わかった。」
「ありがとうっ」
△△駅〜、△△駅〜
「翼、一緒に行こう」
「おう。」
それから俺達は毎日会うようになった。
小田桐達は
「翼ってばよ〜、最近連れねーよなー。」
等とぼやいている。
かなとずっと一緒にいることで、美嘉ではなく、かなを見るようになってきた。
少しずつかなを好きになっていた。
いや、もう完全にかなを好きだった。
そんな頃に、再び悪夢はやってきた。
何回・・・
何回俺を苦しめるんだ。
お願いだから
俺の命と引き換えでいいから!
もう・・・あんな思いしたくないんだよ!