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青春時代  作者: つばさ
2/5

*再会*

今日は始業式。 学校はいつもより短い。 だから今日は小田桐と富山と阿部の4人で遊ぶことにした。


夏休みも終わり、普通の学校生活が始まった。



電車を乗り継いで駅に行きそこからバスを使って行く。


今日は始業式。

学校はいつもより短い。

だから今日は小田桐と富山と阿部の4人で遊ぶことにした。



午前中だけだった為、昼は何も食べていなかった俺達はコンビニに寄った。



― まさかこんな所でまた出会うとは思ってもみなかった ―






俺は商品を決めるとレジに並んだ。



「いらっしゃいませ」



・・・ん?

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ん?



・・・あー!!!!!!!


かなじゃん!!



「かな!?」



「え?

って翼!!!

まじ?うっそー!」



「なんだ?騒がしい!」


「あっ、店長!すみません!」


「全く!」


店長がいなくなったあと、二人共コソコソと笑った。



他の3人は別の所に行ってると言い、どこかに行ってしまった。かなが休憩するまで雑誌を立ち読みしていた。



しばらくすると


「ども、お待たせ〜」


かながやってきた。


「お疲れさん!

店長怖いな」


「それが、実際あんまり役に立たないんだなー」


「なんだ、見た目だけなんだ〜」



等とくだらない会話をしていた。


すると目の前に男が歩み寄って来た。


俺達はそれに気付き男の方をみた。



そのとたん、かなは俺の腕を必死に掴んだ。


その行動に気付いた俺は男の行動に瞬きもせずに注意した。



「よぅ。かな、次はコイツと浮気してんのか?

いい身分だなぁ、おぃ。」


男はそう言ってかなの髪を引っ張った。


「・・・痛い!・・・やめてよ!」


かなのその言葉と同時に俺は


「やめろよ!!」


と大きな声を出してかなと男を離した。



「お前には関係ねぇ!!」


男は声も荒げた。


俺達は取っ組み合う形になった。


「二人ともやめて!!」


隣ではかながヒステリックに悲鳴のような声をあげている。


回りには野次馬がたくさん集まっている。


 〜♪ 〜♪ 〜♪


パトカーが来たみたいだ。


それに気付いた男は


「ちっ」


舌打ちをして、いそいで走っていった。



「大丈夫か?かな。」


「うん・・・。」


「警察がくるから、早く行こう。」


「うん・・・。」


俺達はその場からいそいで走った。


ずいぶんと長いこと走った。


「そろそろ平気かな。」


俺は独り言を呟いてかなを見た。

その時のかなは、凄く悲しそうで、凄く怯えていて、

そして・・・



俺が今まで見た中で一番綺麗だった。



たぶん、悲しいのは信じてもらえなかったから。


怯えていたのは暴力を奮われたから。

きっと、今までは無かったんだろう・・・


そして、綺麗に見えたのは美嘉と似ていたから。


俺はいつもかなじゃなく、かなの影にかくれている美嘉を見ている。



美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、美嘉、


俺はいつでもかなじゃなく、美嘉をみている。



「ありがとね〜」


かなは、明るくそういった。



「無理すんなよ」


「無理って?嫌だな〜恐い顔しちゃって。」


「無理すんなよ!!

こっちが苦しくなる。

泣きたいんだろ。

この間みたいに泣けよ!」


「泣けないよ。

もう・・・涙も出ないよ」


それっきり俺達は黙りこんだ。


「もう、いこっか。

戻ろっ。」



「ごめん。先戻っていいよ。」


「なんで泣いてるの?」


「泣いてね・・・

「泣いてんじゃん!何で泣いてるの?」



かなが俺の言葉をさえぎった。



「かなが泣かないからかわりに泣いてんの。」


「よしよし。」



かなは俺の隣に座りなおすと俺の頭を撫でた。


「私が泣かなかったのは他に好きな人が出来たから。

っていうか、始めからいたんだけどね。

それで喧嘩したの。

私がいけないの。

だから、こうなっても仕方ないの。」



何かを振り切ったかのように、まるで・・・自分に言い聞かせるように言った。


そんなかながとても切なくて、とても可愛く思えた。



「で、それって誰なわけ?上手くいってんの?」


「友達としてなら、上手くいってるよ〜。」



「なんだよソレ。」



「あははー。まぁね」



「頑張れよ。」


「うん。

そういう翼はいるの?」


「ああ、まあな。」


「ふーん。」




「よし、そろそろ帰るか。家まで送るよ。」


俺はその話題から逃げるかのように言った。


「そうだね。

ありがとっ♪」




「ここでいいよ!

ありがとねっ!」



「大丈夫か?」


「うん!

すぐそこだから。」


「そっか。じゃあ、また。」


「うん、またね。気をつけて。」


「おぅっ!ありがと。」


そう言うと俺は自分の家の方へむかった。




このとき、まだ俺はこの先どんなことが起こるかなんて、



知る訳もなかった。

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