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こいつは頭のおかしい死にたがりなんだ。
助けてもらったくせにこんなことを考える俺もバチが当たるかもしれないが今回だけは許してくれるだろう。
なんて思い、走りながら叫んだ。
「なっっんっっでこうなるんだよー!!!!!!」
時は遡ること2日
俺はBランクからAランクに上がるために中層47階で名前もわからんキモくてでかい蜘蛛もどきと戦っていた。
いつも受付のやつが〜〜が何匹分でなんて言ってるがそれが覚えられるなら冒険者になんてなっていない。
そして、蜘蛛もどきを倒して倒してバックがいっぱいになってきた頃蜘蛛もどきの体液に足を滑らせて壁にぶつかってしまった。
いつもなら壁にもたれ掛かるだけで済むが、
今回は違った。
壁が薄くなっており入ったものを下に落とす”トラップ”に運悪くピンポイントで当たってしまった。
落ちていく中、俺は冒険者を始める前の村にいた頃の隣の家の子供とダンゴムシごっこをしていた走馬灯を見た。
なぜかわからないがあの頃は猛烈にダンゴムシになりたくって遊んでいたなぁなんて考えていたら地面の近づく音が聞こえた。
その瞬間、水面に落ちた。
背中が痛いし腰が特に痛い、
なんて、死にかけたのに呑気に思いながら足がつく高さまで泳いでそこからは這いながら背中をあずれけるところまで行った。
マナ板(多分作った奴がふざけた)で安全地帯であることを確認し、手で体をまさぐりながら残っているものを確認した後、バックの中から魔術媒体を取り出して”ハイド”を唱え、眠った。
不意に肩を叩かれている気がして目を開けると目の前に少女がいた。
顔は美形で髪は短く濃い黒で迷宮の薄暗い魔石の光を濃紺に輝いていた。
びっくりして立ちあがろうとするが腰が痛くて立てない。
もしかしたら彼女は略奪者かもしれない、なんて不安がよぎる。でもこんな可愛い奴に身ぐるみ剥がされるならいいかな、なんて阿呆な考えも浮かぶ。
そんな事を考えていると彼女の方が口を開いた。
「お兄さんはなんでここにいるの?」
第一声が金目のもん置いてけじゃなくてよかったと心の底から安堵しながら47階から落ちてしまったことなど、
なぜここにいるのかを話した。
そして彼女はそれを聞いて静かに俺の横へ座り
「じゃあお兄さんが治るまで待っててあげる」
と言った。
この時は、
神は存在してこんな哀れな俺も救ってくれるんだ 彼女は神の使いで救いに来てくれたんだ。と
本気で信心深くなっていた。
この時の純粋な俺の信じる心を返してくれ。




