(おまけ)設定資料集
【着想・構想・コンセプト】
①"なろうっぽさ"を混ぜたツンデレ女子空回り系のラブコメが読みたい。
②チート系最強勇者視点だとありきたりすぎるので、主人公はツンデレヒロインである魔王側にし、心理描写も魔王8:勇者2くらいで書く。
③魔王と勇者は対立する存在だが、世界平和という同じ目標を共有した後、一緒に行動する。
④元最強のツンデレ系魔王(♀)と、現最強の無自覚女たらし系勇者(♂)が、愛を育みながら最終的に世界平和も生みだす物語。
⑤魔王は人間のふりをして近づいたつもりだが、勇者視点だと魔族であること自体は最初期からバレバレである。
この勘違い(認知のズレ)は、最終話でネタバラシする。
※勇者は、リティーナを"か弱い魔族の女の子"と勘違いしていたため、"魔王"だと見抜けなかった。
※勇者は、強すぎるがゆえに、自分より弱い者の強さを細かく推測できない。
(自分とそれ以外の2値で強さを判定している)
⑥結末は純度100%のハッピーエンドにする。
※リティーナが世界最強の魔王から普通の女の子に変わった(=成長した)ことを書く。
⑦会話文主体で書き進めて地の文は後から足す程度にし、小説というより1クールアニメや映画のようなテンポを目指す。
◆◆◆
【キャラクター設定】
「リティーナ・ディゴ・ベルアーデ」
魔国ベルアーデの魔王。58歳だが、外見的には24歳ほどの容姿。
(魔族は老化が遅く、人間の倍の寿命を持つため、"実年齢を2で割った数値"-"5"が見た目年齢になる)
銀髪ゆるふわロング・赤目の美少女。黒い羽と尻尾を持つ。
50年前の人魔戦争で父親を亡くした後、魔王に即位した。
勇者と出会うまで世界最強の魔王として君臨していたため、"女の子扱いする男や自分より強い男に好意を抱きやすい"という弱点がある。
いわゆるチョロインであるものの、魔国と平和のことを第一に考えて動ける"魔王らしい性格"。
古き伝承には、"南の国に住む、全ての魔族を統べる魔王"とだけ書かれていた。
魔族と一部の人間しか知らない豆知識として、実は羽根付きの飛行魔族のみが魔王になれる。
母親は難産の影響で亡くなっており、先代魔王や配下に育てられた。
※作中で二番目に強いキャラクター。
「勇者」
地球(日本)という世界からやってきた異世界の人間。
ノアズ王国で勇者を務めている。26歳。
黒髪・黒目の青年。細身かつ長身。
人間視点なら地味なイケメン(容姿の平均値が高い魔族から見ると凡庸な容姿)。
本気で戦う時は、背中に背負った派手な聖剣を使う。
"真名を伴侶以外に教えてはならない"という規則があるため、作中で名前を語られることは無い。
古き伝承には、"最も強き魔王の前に現れる。魔王を倒した勇者は、元の世界へ戻る"と書かれていた。
"最強"・”看破”といったチートスキルを、異世界転移時に神から授けられている。
初対面の際、リティーナを一目見て魔族だと察したが、魔王であることには最終話まで気づいていなかった。
勇者本人の見た目より、聖剣の見た目が非常に有名。
(最終話の魔族たちも、目立つ聖剣を見て勇者が出てきたことに気付いた)
※作中最強のキャラクター。
「アルレ・デノール」
先王の代から魔王家に仕えている忠実な側近。130歳。茶髪・青目のイケおじ。
魔王軍きっての知将で、リティーナが一番頼りにしている側近でもある。
実は既婚者だが、子宝に恵まれず、子供を持つことができなかった。
そのため、リティーナを我が子のように思って接している。
先王亡き後、膠着状態となった戦争を、交渉により一時休戦へ持ち込んだ。
縁の下の力持ち。
「先代魔王」
50年前の人魔戦争で死亡した先代魔王。
歴代魔王の中で最も穏健派な魔族だったが、人間の侵攻により大規模な人魔戦争が起こったことを受け、魔王として戦いへ参加した。
人魔戦争の初期から死亡直前まで魔王軍を率いていた。
戦時中、ノアズ王国の戦力を大きく削ぎ、後の休戦協定に繋がる道を作った功労者。
※先代魔王は、人魔戦争中にノアズ王国の兵力を50%ほど減少させている。
(人魔戦争末期は、魔国の実質的な勝利状態だった。
しかし、敗北確定の状況でも限界まで戦い続けようとする王国軍を見た先代魔王は、目先の勝利ではなく恒久的な平和を望んだ。
そのため、アルレには"一時休戦へ持ち込むこと"を、リティーナには"魔王として魔国を平和に導くこと"を望みながら戦場で亡くなった。
この遺志は、魔王城に残された手紙を通じて二人へ伝わっている)
※娘に戦争の悲惨さを教えようと、変装したリティーナを連れて戦場へ赴く機会が多かった。
(ただ、次代に希望を託すため、リティーナが表立って人魔戦争へ参加することは固く禁じていた)
◆◆◆
【世界観設定】
「魔国ベルアーデ」
南部にあり、海と隣接している豊かな小国。
名産品は、紙や建築物の素材に向く木材類。魔族が多く住んでいる。
農業・畜産業・漁業も盛んで、食料自給率100%以上の圧倒的な産出量を誇る。
人魔同盟成立後は、勇者の知恵や王国との貿易によってめきめきと国益を伸ばしていく。
※かつての人魔戦争で戦地となった土地は回復しきっておらず荒れているが、人魔戦争の前から現在に至るまでかなり豊かな国であり、穏健派が多い。
豊かすぎて戦争を行う理由が無く、もともと血の気の多い種族でもない。
※長命種だが、子供を残す能力はけして高くなく、人口爆発状態に至りにくい。
人間のようにどんどん子孫を産めない種族であるため、戦争で得るものより失うものの方がはるかに大きい。
(長い生涯の間に一人か二人産めれば良い方で、アルレ夫妻のように子宝に恵まれない者も居る。
大半の魔族は、"繁殖力の高い人間たちと戦争なんてしていたら、その場では勝てても将来的に国が弱り滅びてしまう"と考えている)
※先代魔王の活躍により、現在は魔王抜きの兵力でもノアズ王国を大きく上回っている。
※国交を結ぶ相手としては最高の国だが、敵に回せば最恐の国へ変わる。
「ノアズ王国」
北部にある内陸の大国。悪天候の影響で飢饉が起こりやすい。
名産品は、宝石類・鉱石類・地中資源。人間が多く住んでいる。
食料自給率の低さが長年王国民を苦しめていたため、安易に魔国へ攻め込んで国を立て直そうとする者たちが現れた。
しかし、人魔同盟成立後は、勇者の知恵や魔国との貿易によってめきめきと国益を伸ばしていく。
勇者会議で和平に肯定的な発言をしていた商人・クレオンの貢献は大きい。
※人魔同盟成立前は、豊富な鉱石資源や地中資源を活かしきれていなかった。
(魔国を迂回して他国へ輸出しなければならず、貿易による利益が享受できていなかった)
※王国内部には過激派も多かったが、最強の勇者と恐るべき魔王に睨まれ、勢力を削がれた。
貿易成功の件で国を立て直すことができたため、人魔同盟成立後に内乱や戦乱は起こっていない。
※王国上層部の人間と王は、必要に迫られて戦争を行っただけである。
よって、国が豊かになると確信できれば、勇者の台頭や魔国との外交に噛みつかない冷静さがあった。
("勇者抜きで魔国に勝つことはできない"と分かっているため、王国としても人魔同盟を受け入れることこそが一番良い選択だった。
つまるところ、先代魔王の活躍と、魔王・勇者の協力がなければ成しえない恒久的な平和であった)
◆◆◆
【プロット:起2+承4+転2+結2=全10話構成】
"起"の2話:物語の方向性や目標地点+キャラの性格が分かる起承転結を入れる。
"承"の4話:自然に親交を深めていく(距離を詰める&キャラの深堀り)。
"転"+"結"の合計4話:ドラマチックな起承転結を作る。
①勇者の噂(起)
勇者の報告を聞いたリティーナが、瞬間移動魔法でノアズ王国へ赴く。
王国の情報屋と話し、勇者に会う方法を知る。
②未知との遭遇(起)
勇者との面会を求め、教会へ向かう。
リティーナは勇者と模擬戦を行い、ボロ負けする(見どころ)。
リティーナは側近から言葉巧みに色仕掛けを提案される(見どころ)。
③狩りと忠告(承)
リティーナは、勇者を狩りへ誘う。
勇者があっさりと一人で動物を狩ってしまう。
リティーナはつい、魔王として勇者に本気の忠告をする(見どころ)。
④食堂にて(承)
町の食堂へ行き、狩ってきた動物を調理してもらう。
二人だけで話していくうちに、お互い同じ嬉しさや寂しさを感じていたと知り、少しだけ親近感が生まれる(見どころ)。
⑤タルト作戦(承)
リティーナは好感度稼ぎのため、勇者にタルトを贈ろうと考える。
リティーナがとんでもない料理下手を克服する。
女の子呼ばわりされたリティーナがデレる(見どころ)。
⑥知らない色(承)
タルトのお礼として、勇者はリティーナを洋服屋へ連れて行く。
ピンク色のドレスを勧められたリティーナが照れる(見どころ)。
勇者は、汚い大人との対比で、嘘をつくのが上手くないリティーナに癒される。
リティーナは、アルレから可愛いドレスに言及されて、慌てて下手な言い訳をする(おまけ)。
⑦異変と旅立ち(転)
勇者が軍を連れて魔国へ行くことになる。
リティーナは勇者の会議を盗み聞きし、魔王としていろいろと決意する。
リティーナと勇者は、互いに平和な世界を求めていることが分かり安心する(見どころ)。
⑧魔王の葛藤(転)
魔国突入前夜、野営地でリティーナと勇者はお互いの目標を再び確かめる。
リティーナが自分の嘘に罪悪感を覚える(見どころ)。
⑨魔族と人間(結)
魔王軍と王国軍の争いが起きそうになる。
リティーナは正体を両軍に明かし、亡き父の話や子供の話も交えながら演説する(見どころ)。
勇者の呼びかけで、一日かぎりの休戦が成り立つ。
⑩魔王と勇者(結)
休戦中、リティーナと勇者が二人で今後を話し合う。
勇者がリティーナの正体を半分察していたと語る(見どころ)。
勇者はリティーナの言葉を途中で遮ってプロポーズし、リティーナは怒りながらそれを承諾する(見どころ)。
後日、リティーナにバレないよう嬉し泣きするアルレと、アルレの祈りを描写して締めくくる(見どころ)。
◆◆◆
【最後に】
最初こそベタなラブコメですが、本質的には「魔族の心を動かせる魔王と、世界最強の勇者が協力することで、ようやく平和な世界になる」というお話でした。
※魔王側だけ平和を望んだ場合、魔王が勇者に倒されて魔国も王国もバッドエンドを迎えます。
※勇者側だけ平和を望んだ場合、王国上層部の意思に飲まれてバッドエンドを迎えます。
長くなりすぎないよう、先代魔王とアルレの描写を省いてしまったため、もう少し作中でも説明すれば良かったかな…と反省しています。
(初作品なので、他にもいろいろと拙い部分が多かったかもしれません)
根気よく最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
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