COMINATCHA!!
●WANIMAというバンドの「趣向を凝らした面」が従来以上に強調された印象が。
【収録曲】
1.JOY
2.夏のどこかへ
3.Like a Fire
4.BOUNCE
5.GONG
6.宝物
7.シャララ
8.BROTHER
9.Drive
10.Baby Sniper
11.渚の泡沫
12.ここに
13.りんどう
14.アゲイン
15.GET DOWN
2019年にリリースされたWANIMAの3rdフルアルバム。『夏のどこかへ』や『GONG』等で分かりやすく見られるように、明るい雰囲気の楽曲を中心にした構成自体は従来通りなのですが、それと同時に、「2ビートのパンクナンバーに限らない音楽性を見せていく」という姿勢が強くなったようにも思えました。『BOUNCE』はゆったりとしたサーフミュージックといった感じですし、『宝物』はポップで柔らかなサウンドが強調されている印象。『シャララ』は4つ打ちのダンスビート、『Baby Sniper』はブギのリズムを聴かせるナンバーになっています。
特に良く思えたのは『渚の泡沫』~『GET DOWN』の5曲でしょうか。「エロ」をテーマにしたものやストリングスを取り入れたバラードを組み込んで分かりやすく変化を付けつつある種の「流れ」を形成しており、アルバム終盤における「盛り上がり」を上手く演出しているように感じられます。中でも、『アゲイン』は丁寧なメロディラインとネガティブな面を含んだ力強い歌詞が光る楽曲と言えるのではないでしょうか。
終盤の5曲と比べると、序盤~中盤における10曲はやや勢い任せだったり地味だったりする印象もあるのですが、音楽性の幅が広まったこともあって、全体的に色々と興味深く聴けたアルバムでした。WANIMAというバンドの「趣向を凝らした面」が従来以上に強調された作品に仕上がっていると思います。
評価:★★★★★