証拠品を探しに
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お待たせしました。
これからオルガン男爵の罪を明かし解決に導いていきます。
今日、ホォルティオ達は王都に戻る。計画通りに事が進んでいった3日間。罠に引っ掛かってくれる事を願いながら荷物を整え、昨夜エリーナが持ってきた空の小瓶を置いていく。
きっと、証拠品として回収に来ることだろう。
それが誰かは気になるがホォルティオが作った遠隔録画機はそのままにして置いていく。こちらも証拠が必要だからね、しっかり記録してくれよ。
ロビーに行くと教員生徒がほぼ集まっていて怪しい動きをする者は見られない。まだここにいないと言うことか。
「ホォルティオ様、おはようございます!」
「ああ、エリーナ嬢おはよう。よく眠れた?」
「はい、お陰さまで。任務完了したら緊張が解けたみたいでぐっすりでした!」
「ふふっ、それはよかったよ。この後もバタバタ忙しくなるから休める時に休まなきゃね」
「はい、ホォルティオ様は大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ。馬車に乗り込むみたいだ。俺達も行こう!」
教員の指示で生徒達は馬車に乗り込む。
馬車に乗れば後は王都まで帰るだけだ。ホォルティオとエリーナが馬車に行くとトニー、ノア、リンネが既に馬車の中にいた。
「もう、遅いじゃない。何もたもたしてたのよ」
「何に時間が掛かってたんだ?」
「エリーナ嬢が1人で居なくなるから心配したよ~」
「ごめんなさい、ホォルティオ様と話してたら遅くなっちゃってて…」
「俺が部屋出てくるのが遅かったからいけないんだ。悪い、心配掛けた」
ホォルティオとエリーナが馬車に乗り込むと教員の最終確認後馬車が次々と出発していく。
心配そうに待っていた3人も落ち着きを戻していた。
トニーは馬使いに聞こえないように小声で話し出す。
「それより計画通り罠に引っ掛かってくれるのか?」
「間違えなく僕が泊まった部屋に証拠品を探しに来ると思うんだ。その場面をちゃんと遠隔録画機が捕らえていたら良いんだけど…。僕の自信作だし実力発揮してくれると思うよ」
「そうか、それなら大丈夫そうだな」
「それにしてもホォルにもの作りの才能があったなんて以外だったなぁ~。僕は木工工作は得意だけどどうも電子機器的な細かい作業は苦手なんだ」
「ホォルティオは昔っから手先が器用だものね。何でもこなせちゃうのよ」
「ふふふっ、そんなに褒めても何もあげないよ」
「ふふふっ、何か貰いたくて褒めてるんじゃありませんよ。私もホォルティオ様を尊敬してますわ」
「ありがとう、エリーナ嬢。君に褒められると嬉しいな」
「んふふっ、どういたしまして」
エリーナに褒められて優しく笑うホォルティオに微笑むエリーナを見ている。ノアは面白くなさそうだ。
「…なんか2人が前よりも仲良くなってる…ホォルもしかしてエリーナ嬢の事好きになった?」
「何言ってんだよ。僕が好きなのはラピアネだけだよ。エリーナ嬢は友人として好きだけどそれ以上の気持ちはないって」
「………ふーん…あっそう…」
「ノア様、不貞腐れた姿も可愛いですが笑顔のノアが一番素敵ですよ。私はノア様の笑った顔が好きですの」
ノアはホォルティオがエリーナを見る表情が前よりも柔らかくなった感じを読み取っていた。もしかしてと疑惑の目を向けてしまう。不貞腐れた様に言葉を投げ掛けるとホォルティオは否定し呆れている。エリーナはふふふっと柔らかい笑顔でノアを見て楽しそうだ。そしてエリーナがノアに放った言葉にノアは呆気に取られて言葉が出てこない。
「………えっ?エリーナ嬢が僕を好き?」
「はい、私はノア様のことが大好きです。勿論異性として恋愛感情を持っての好きですわ」
「………僕でいいの…?」
「ノア様じゃなきゃ嫌です。他の誰でもないノア様がいいんです」
「………あ…ああ、嬉しい…僕エリーナ嬢の事ずっと好きだったんだ」
ノアはエリーナの言葉に歓喜余って涙を流した。
それに気づいたエリーナは自分のハンカチでノアの涙を拭った。
ノアを見るエリーナは慈しみ慈愛に満ちた表情をしていた。
「ノア様、私のことはエリーナとお呼びください。この先ずっとノア様の隣に居ることを許してくださりますか?」
「………エリーナ……許すも何も僕はエリーナに隣にいて欲しいんだ。他の令嬢じゃなく君じゃなきゃ意味がない」
「んふふっ…嬉しい…ありがとうございます!」
ノアに呼び捨てで呼ばれノアの言葉を聞き嬉しそうに微笑むエリーナは女神のように美しかった。
ノアもそんなエリーナから目をそらすことが出来ずに釘付けになり顔から耳元、首まで真っ赤に染めていた。
「…こほん、エリーナ気持ちが伝わって良かったわね。ノアってば自分の好意には鈍感すぎてヤキモキしてたのよ。ホォルティオの事が好きなんだって思い込みも激しかったし……」
「……ああ、ちゃんと思い合ってたのにこんなに拗れるなんて思わなかったよな」
「兎に角思いが通じ合って良かったな。これで僕に疑いの目を向けることもないだろう?」
2人のやり取りを目の前で見せられていた3人は各々の思いを伝える。ノアはこれまでの言動を思い返して気まずそうに、エリーナは満開の笑みを浮かべ嬉しそうに笑っていた。
「ホォルごめん。もう、疑ったりしないから…許して」
「もう、仕方無いな。焼きもち焼くのも程々にした方がいいよ」
「うん、気を付ける」
「いえ、ノア様の焼きもちならいつでも大歓迎です!色んな表情見れて嬉しいもの」
「えっ、エリーナ嬢…。君も意地悪だな、ノア翻弄され過ぎるなよ」
「え、うん。でもエリーナに翻弄されるなら嬉しいよ」
「んふふっ、ノア様はもう私の虜の沼に嵌まったみたい。もう逃げ出せませんね」
ホォルティオのアドバイスも虚しくノアはエリーナの虜になり沼底に嵌まって行ったみたいだ。
この時、ホォルティオはエリーナが魔性の女に見てたという。
◇
ホォルティオ達が施設を出て帰宅中の施設の中を徘徊している者がいた。
服装は清掃員の様だが掃除する気配はない。
道具すら持っていない。
その者はホォルティオが使っていた部屋に入り何かを探している。
空の小瓶を探しているようだった。
さて、誰が証拠を探しに来ていたのかはまた後日明かされることだ。
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