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いざ、作戦開始、当日、数時間前

翌日、目を覚ますとトニーは身支度を整えに自室に戻っていてノアは寝起きが悪く唸りながら起きようとせずほっときながら僕も身支度を整えていく。


戸を叩く音がして返事をするとトニーが入ってきて呆れたようにノアを見下ろす。


「ノア!!!いい加減起きろ!」

「はぃぃぃ、お父様ごめんなさーい」と目が覚めた。


詳細は分からないが公爵様に怒られるような夢を見ていたらしい。ノアらしいと言えばらしいなと思った。トニーは溜め息をつきながら部屋を出ていった後を追うようにノアも着いていった。邸宅でもこういったやり取りがされているのかと呆気に取られたホォルティオだった。羨ましさも少しあるが口には出さないで置こう。


2日目は協会と孤児院内のボランティアで先生の号令と共に各々振り分けられた役割に取り組んでいく。

ホォルティオ達は協会内で掃除を任されていた。


「この協会とても歴史がありそうですね…」


「そうだね、一番最初に作られた協会とも言われているよ。おおよそ1500年前になるかな。女神様が降り立った場所としても有名だよ」


「わあ~!そんなに古くからあるんですね。この場所で色んな時代を見てきたのでしょうね」


「ああ、そうだろうね。綺麗にして感謝しないといけないね!」


僕達は歴史ある協会の中に入りエリーナの一言にホォルティオが答えていく。箒、雑巾、モップと各々持って掃除に取り掛かる。

刻々と時間が過ぎていき重々しい空気が涼しげな風が通り抜けるような軽やかな空気に変わった。掃除でこうも変わるものかと思わせるものだ。


「終わりましたね!無言で掃除したので予定より早く終わったみたいです。」


「ああ、そうだね。終了時間まで休んでいようか」


ホォルティオはエリーナの手に持っていた箒をとり倉庫に片付けていく。トニー、リンネ、ノアも掃除道具を片付け全員教会の外に出た。


外を出ると自然豊かな風景と町並みが見える。

王都とは違いゆったりとした時間が流れているようだ。


「ん~!空気が気持ちいい。息のしやすい町ですね~」


エリーナが両腕を上に上げて伸びをしながら呟く


「それって王都じゃ息苦しいの?」


ノアがエリーナの呟きを聞き不思議そうに問いかけた


「…そういう事では無いですけど、王都は少々疲れやすい場所かな~と思います。勿論キラキラしてて素敵な場所ですし住みやすいと思います。でも、たまにこういう自然豊かな場所で息抜き出来ると良いですね。」


ノアの問いかけに慎重に言葉を選びながらエリーナが答えるとノアはそういうものなんだと言いたげな表情をしていた。


「……同じこと姉上も良く言ってるよ」


エリーナの言葉に頷くように聞いていたホォルティオは言葉にする。


「そうね~。王都は一々人間関係複雑だし疲れることも多いわよね。私だって逃げ出したくなること何度もあるわ。その度にこの兄達に見つかってしまうけどね」


「リンネが突然居なくなるから心配なんだ」


「そうだよ!見つからなかったら僕達がお父様に怒られるんだからね!」


「この通り、屋敷の者みんな過保護なの。大変でしょう?」


リンネはトニーとノアに視線を向けながら困ったように笑っている。なんだかんだ2人にとって可愛い妹なのだ。


「…ふふふっ、リンネ様はとても可愛らしいから事件に巻き込まれると大変ですもの。周りの方々が心配するのも当然だと思いますわ!」


「それはエリーナ嬢だって一緒だよ!もし、エリーナ嬢が事件に巻き込まれると凄く心配になるし探しに行きたくなる」


エリーナは当然ですとリンネに柔らかな口調で慰めるとノアがエリーナの言葉に被せたように強めに言う。

エリーナは目を大きく開きノア、トニー、リンネ、ホォルティオを見ると嬉しそうに笑顔で言葉にする。


「ふふ、私も心配してくれる方々がいると改めて気づきました。今まで利用されることしかありませんでしたから。だから、皆様と仲良くなれて本当に幸せです。」


高貴な血筋でありながら平民として過ごし危ない経験や色んな人に利用され続けてきたというのに何ともないように笑っている彼女を見ると胸が痛む。以前の僕だったらきっと今の彼女の姿は想像できなかっただろう。


母親の為、1日1日生きることに必死で夢なんて持てずにただ生き抜く事が目標だった彼女が今では自分の将来の為に生きて幸せになろうと頑張っている。そんな姿は輝いていて人を惹き付ける魅力が溢れている。エリーナと一緒にいると前よりも男子生徒の視線を感じることが増えた。


今夜の作戦も彼女の未来に有益なものになれると良い。


その為には失敗は許されない。準備万端にし再度確認も怠らないようにしよう。


「エリーナ嬢、これからもよろしく頼むよ」


「そうよ、私にとってエリーナは親友なのよ。」


「僕は絶対エリーナ嬢をお嫁さんにするからね~」


「エリーナ嬢はもう頼れる相手がこんなにいるんだ。何かあっても無くても僕達がいることは忘れないで欲しい」


「ふふっ、はい。こちらこそこれからもよろしくお願いします!」


エリーナは4人の言葉に頷いて満開の笑顔で微笑んでいた







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